スズキ 新型スイフトスポーツ燃費レポート|速い・安い・低燃費!新型スイスポはかなりお買い得だ!(1/2)

スズキ スイフトスポーツ実燃費レポート|結果まとめ

起用グレード

今回の燃費テストでは、2017年9月に発売されたコンパクトホットハッチであるスズキ スイフトスポーツをテスト。スイフトスポーツはワングレードとなるため、選択肢はトランスミッションとメーカーオプションのパッケージの有無となる。

今回はMTの“セーフティパッケージ&全方位モニター用カメラパッケージ”装着車(車両本体価格198万720円、JC08モード燃費16.4km/L)を起用した。

>>【解説】スズキ 新型スイフトスポーツ発売!安全装備も搭載された最新スポーツハッチを徹底解説!

燃費テスト概要

テストは2017年10月14日(土)の午後1時頃開始し、午後8時頃帰京するというスケジュールで実施。テスト中の天候は雨時々曇り、最高気温は16度という秋の終わりのような気候で、交通状況は悪天候かつ週末の夕方ということもあり、市街地の混雑は劣悪であった。

スズキ 新型スイフトスポーツの実燃費は16.2km/L

新型スイフトスポーツの燃費テストは以下の通り。

スズキ スイフトスポーツの実燃費|結果まとめ
スズキ スイフトスポーツマツダ デミオ

グレード

セーフティパッケージ +

全方位モニター用カメラパッケージ搭載車

15MB

トランスミッション

6MT

6MT

JC08モード燃費

16.4km/L

19.2km/L

総合実燃費

16.2km/L

19.4km/L

市街地・街乗り実燃費

12.8km/L

16.5km/L

郊外路実燃費

17.1km/L

19.4km/L

高速道路実燃費

20.3km/L

23.5km/L

>>【燃費】待望の1.5Lガソリンエンジンを搭載したチューニングベース車両“デミオ 15MB”|マツダ デミオ実燃費レポート

1.4Lターボエンジンを搭載するスイフトスポーツはアイドリングストップを装着しないため、特に市街地の燃費が見劣りするものの、値段や性能を考えれば大いに納得できる実燃費を記録。コンパクトホットハッチらしいランニングコスト(ガソリン代に代表される車が走るために必要なコスト)の安さは嬉しいところだ。

また、テストを含め3日間で600km近く走ったが、スイフトスポーツはコンパクトホットハッチに求めたいスポーツ性と実用性のバランスなど、全体的にとても良くまとまった車である点も確認できた。新型スイフトスポーツは、コンパクトホットハッチを選ぶなら、弱点が少ない“定番商品”と断言できる。

ここからは高速道路編、市街地編、郊外路編、それぞれの章で走りの質や燃費について詳細な評価を行っているので、スイフトスポーツの購入を考えている人にはぜひ参考にしてほしい。

>>【カタログ】スズキ スイフトスポーツの新車・中古車情報はこちら

スズキ スイフトスポーツ実燃費レポート|市街地・街乗り編

スズキ スイフトスポーツ(6速MT)の市街地での実燃費:12.8km/L

スズキ スイフトスポーツの実燃費|市街地・街乗り編
市街地・街乗り実燃費JC08モード燃費

スズキ スイフトスポーツ

12.8km/L

16.4km/L

マツダ デミオ(15MB)

16.5km/L

19.2km/L

スイフトスポーツの市街地での燃費は、アイドリングストップを備えないためJC08モード燃費よりも22%も低い数値となってしまった。

新型スイフトスポーツは“MTの入門車”としても優秀

スイフトスポーツは全体的に市街地でも非常に扱いやすい車であった。

詳しくは高速道路編で書くが、スイフトスポーツの中低速トルクの太さに特徴がある。平坦路であればエンジン回転数が1000回転程度で流れに乗ることが可能。1速を2000回転くらいまで回した後は、3速・5速・6速のような飛ばしシフトも可能で、40km/hも出ていればトップギアの6速で走ることができる。

これはスイフトスポーツが搭載する低回転域から太いトルクを出すターボエンジンならではのメリット。それだけに何速で走っているか分からなくなることもしばしばあり、使っているギアのポジションの表示が欲しくなるくらいだった。

不満な点として、シフトフィールはもう少し剛性感が欲しいのと、シフトレバーが短くてもいいかなと感じる点が挙げられる。

しかし、各ギアへの“入り”は良好で大きな不満もない。クラッチも非常につなぎやすく、重さも適度で扱いやすいので、操作は市街地でも苦にならない。スイフトスポーツは、MT車の運転経験があまりない、またはブランクがあるという人でも慣れるのにそう時間はかからないだろう。

その他、スイフトスポーツに市街地で乗っていて気づいたことを箇条書きにしておく。

■市街地での燃費向上と、アイドリング中の振動軽減の目的も含めやはりアイドリングストップは欲しい

■リバースにはリングを引いて右下に入れるのだが、リバースに入れた際には警告音が欲しい

■財布やスマートフォンといった、小物を置く収納スペースがもう少し欲しい

■着座位置が先代モデルに対して低くなり、ノーマルカーのスポーツモデルとして妥当な高さになった点は評価できる

スズキ スイフトスポーツ実燃費レポート|郊外路編

スズキ スイフトスポーツ(6速MT)の郊外路での実燃費:17.1km/L

スズキ スイフトスポーツの実燃費|郊外路編
郊外路実燃費JC08モード燃費

スズキ スイフトスポーツ

17.1km/L

16.4km/L

マツダ デミオ(15MB)

19.4km/L

19.2km/L

郊外路の燃費は、JC08モード燃費を超える17.1km/Lを記録した。この燃費はデミオに劣るものの、性能を考えれば大いに納得できる。

良好な燃費を記録した要因としてはスイフトスポーツの軽さ、中低速トルクの太さにより巡航中は低いエンジン回転・高いギアを使えることが多い点が考えられる。

GT的な走行性能を手に入れた新型スイフトスポーツ

郊外のワインディングロードはやはりスイフトスポーツが一番輝く走行シーンであった。

まずハンドリングは、スイフトという車名(英語で軽快、快速といった意味)に相応しい、軽快な動きが印象的だ。これには970kgという圧倒的な軽さが一役買っているだろう。

ハンドル操作に対する反応が特に俊敏であるなどの刺激や飛び抜けた部分がなく、全体的にクセもない「意外に普通といえば普通」というのも事実ではある。しかし、“コシのあるロール”を伴いながらハンドル操作に対して忠実に反応し、狙ったラインを正確に走れるなど、「思った通りに車が動いてくれる」点には、ずっと乗っていたくなる楽しさ、車との一体感を覚えた。

またスイフトスポーツは、標準モデル各部の強化や強化による重量増により、いい意味での重みや落ち着き、重厚感が加わったのも好評価だ。

乗り心地は基本的にはスポーツモデルらしく硬め。低速だと僅かな硬さを感じることもあるが、スピードが50km/hくらいまで上がれば路面の大きな凹凸を通過しても不快な硬さはない。むしろサスペンションの動きが実にしなやかで、上下動の収まりもよくとても快適だ。

前述のようにスイフトスポーツは中低速トルクが太いので、ワインディングロードの上り坂などでもシフトダウンせずに高いギアのまま走れる。これだけトルクがあると「6速もギアが必要なのか、5速で十分ではないか? 6速にするなら6速はオーバードライブにして巡航中の燃費を稼ぐポジションにしてもいいのでは」と思ったくらいだ。

1.6リッターNAエンジンを搭載していた先代スイフトスポーツのように、ギアチェンジを細かく行って走るというのもコンパクトホットハッチの楽しみ方の1つだと思うが、(好みは別にして)少ないギアチェンジで楽に走れるというのも新型スイフトスポーツの大きな強みといえるだろう。

スズキ スイフトスポーツ実燃費レポート|高速道路編

スズキ スイフトスポーツ(6速MT)の高速道路での実燃費:20.3km/L

スズキ スイフトスポーツの実燃費|高速道路編
高速道路実燃費JC08モード燃費

スズキ スイフトスポーツ

20.3km/L

16.4km/L

マツダ デミオ(15MB)

23.5km/L

19.2km/L

スイフトスポーツの高速道路での燃費は大台といえるリッター20kmを超える20.3km/Lを超えた。ライバルのデミオに対しては10%前後劣る結果となったが、これはスイフトスポーツのギア比が低く巡航中のエンジン回転が高いことが大きな理由と思われる。いずれにせよ動力性能を考えれば大いに納得できる燃費といえるだろう。

スイフトスポーツは、ホットハッチに求めたい動力性能やハンドリングだけでなく、乗り心地やACCの装着といったGT性能(長距離をいかに楽に移動できるか)、扱いやすさなども高レベルで、1台の車として非常に高い完成度を備えていることが確認できた。

ACCとMTの組み合わせがかなり快適!

高速道路編では主に動力性能とACC(アダプティブクルーズコントロール)の印象についてお伝えしよう。

動力性能は最高出力こそ140馬力とそれほど目を引くものではないが、車重が1トンを切る軽さに加え最大トルクが2.4リッター級の23.4kgf・mもあるだけに、日本車のコンパクトホットハッチでは圧倒的な加速力を持つ。

またスイフトスポーツのエンジンは、レッドゾーンの6000回転に向かってパワーの伸びを伴いながら吹け上るという性格ではなく、5000回転以上は普通に回るという印象で、高回転域の面白味に欠けるのは否めない。しかしその分1000回転程の低速域からモリモリと太いトルクが立ち上がり、高速道路の上り坂などでもシフトダウンをしなくても、アクセルを少し踏み足すだけで6速のままジワジワ加速できるので、運転が非常に楽である。

なお、MTのスイフトスポーツの6速100km/h走行時のエンジン回転数は2700回転程度であった。

新型スイフトスポーツに搭載されるACCは、作動する速度域が40km/h以上なので、実質的には高速道路などの自動車専用道路用となる。標準モデルのスイフトに搭載されるものは、加減速が過敏だったり、隣の車線の車に反応したりなどやや熟成不足なところがあった。

しかしスイフトスポーツに搭載されたものは、先行車に対する加減速のスムースさが向上しており、長距離ドライブなどでは重宝する。また、MTとの組み合わせで、シフト操作をしても設定速度がキャンセルされずそのままキープされるのも評価できる。車間距離の設定に関しては、もう少し短くなってもよい気がする。

さらにスズキとしては初となる車線逸脱抑制機能も、作動までに若干時間が掛かることもあるが、ハンドルへのそれなりの介入が確認できた。

このレベルの運転支援システムが搭載されたことで、ATのホットハッチを“コンパクトGTカー”として扱うのも悪くないと思った。

スズキ スイフトスポーツ実燃費レポート|総合評価

スズキ スイフトスポーツ(6速MT)の総合実燃費:16.2km/L

スズキ スイフトスポーツの実燃費|総合実燃費
総合実燃費JC08モード燃費

スズキ スイフトスポーツ

16.2km/L

16.4km/L

マツダ デミオ(15MB)

19.4km/L

19.2km/L

新型スイフトスポーツの実燃費は、カタログ燃費とほぼ同等で、クルマ自体の性能を考えれば大いに納得できる数値となった。

また、「コンパクトホットハッチの定番商品」と表現するにふさわしい高い総合力を備えており、「さすがスズキはコンパクトホットハッチを長くやっているだけのことはある」と感じさせる、魅力あるスポーツモデルに仕上がっていると断言できる。

これだけ充実した内容を持つ車が安全装備込みで200万円以下の価格というのは、破格と言ってもいいほどリーズナブル。筆者は新型スイフトスポーツに「速い、安い、楽しい」という言葉で賞賛を送りたい。

新型スイフトスポーツはノーマル状態でも不満は少ないが、歴代モデルと同様にアフターパーツも多数揃うであろうことを考えると、自分好みの車に仕上げやすい点も大きな魅力だ。

これだけよく出来たクルマだからこそ、今後の細かな改良に加え、アバルト595コンペティツィオーネのような、“スイフトワークス”とも言える「ハジけた」モデルを250万円くらいで出してくれれば、さらに魅力あるブランドに成長するだろう。

スズキ 新型スイフトスポーツ 主要スペック

スズキ 新型スイフトスポーツ主要スペック
車種名スズキ スイフトスポーツ

グレード

セーフティパッケージ・全方位モニター用カメラパッケージ搭載車

駆動方式

FF

トランスミッション

6MT

価格(税込)

1,980,720円

JC08モード燃費

16.4km/L

全長

3,890mm

全幅(車幅)

1,735mm

全高(車高)

1,500mm

ホイールベース

2,450mm

乗車定員

5人

車両重量(車重)

970kg

エンジン

直列4気筒直噴ターボ DOHC

排気量

1,371cc

エンジン最高出力

103kW(140PS/5,500rpm)

エンジン最大トルク

230N・m(23.4kgf・m)/2,500~3,500rpm

燃料

無鉛プレミアムガソリン

スズキ/スイフト
スズキ スイフトカタログを見る
新車価格:
172.7万円233.2万円
中古価格:
16.2万円392.8万円
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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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