スズキ スイフトスポーツとは?初代スイフトから新型スイフトスポーツまで、歴代モデルをカンタン解説!

  • 筆者: 小鮒 康一
  • カメラマン:オートックワン・スズキ株式会社

歴代モデルを徹底解説!スズキ スイフトスポーツとは?

先日、新型が登場したばかりのスズキ スイフトスポーツ。代を重ねるごとに熟成が進み、最新モデルでは世界を見据えたホットハッチとして高い評価を受けるまでになっている。そんな新型スイフトスポーツはグローバルな視点で言うと3代目となる。

日本国内では2003年に登場したHT81S型が初代となるため4代目となるわけだが、日本国外では「イグニススポーツ」名義で販売されていたことからノーカウントとなっているようだ。これには日本で初代スイフトが販売されていた頃、欧州市場では2代目カルタスがスイフト名義で販売されており、そのため別名のイグニスという名前で販売されたという事情が絡んでいる。

そんなスイフトスポーツの人気の要因は、「比較的安価でスポーツ走行を楽しめるホットハッ」チというコンセプトを頑なにキープし続けていることだろう。またそのコンセプトに惚れ込んだ多くのアフターパーツメーカーがスイフトスポーツ用のパーツをリリースし続けているということも見逃せないポイントではないだろうか。

今回はそんな歴代スイフトスポーツを初代から順に振り返ってみたい。

初代スイフトスポーツ(輸出名:イグニススポーツ、HT81S)

初代のデビューは2003年6月のこと。ベースとなったスイフトが一部改良を受け、「泣く子も黙る79万円」という軽自動車を下回る衝撃価格をアピールしていた頃のことだった。ボディ剛性の面で有利な3ドアハッチバックボディはベースのスイフトには存在しない欧州市場向けのもので、さらに専用パフォーマンスロッドを追加してスポーツ走行にも対応できるものとなっており、専用エアロパーツやオーバーフェンダーなどをまとい、一目で標準車とは違うと分かる雰囲気を持ち合わせていた。

搭載されるエンジンも高圧縮化やアルミ鍛造ピストンへの変更、樹脂製のインテークマニホールドの採用などの専用チューンが施されたM15A型エンジンで、数字上のスペックこそ85kW(115PS)/143N・m(14.6kgf・m)と飛び抜けたものではないものの、フィーリング面では全くの別物となっていた。さらに専用クロスミッションやリアのディスクブレーキ化、専用レカロシートを標準装備しながら価格はなんと119万円(登場時)という低価格を実現していたから驚きだ。

そんな初代スイフトスポーツは、ジュニア世界ラリー選手権のベース車両としても大活躍を見せ、一時は上位全てがスイフトスポーツ(海外なので正しくはイグニススポーツ)という状態にまでなっており、そのチャンピオンイエローのボディカラーから「イエローブリッド(黄色い弾丸)」という異名を得るまでになっていたのだ。

そんな初代スイフトスポーツを中古車で狙う場合、ほとんどの車両が乗り出し価格で50万円もあれば選べるといったところ。クルマのキャラクター的に走り込まれた個体も多いため、できれば修復歴のないものを選びたい。ボディカラーはイメージカラーの黄色のほか、白、黒、シルバーといった大人しいカラーもあるため、あまり派手なのはちょっと……というユーザーも安心だ。ただし、年式も古くなってきたため、タマ数はそれほど多いとは言えず、原稿執筆時点では35台ほどだった。

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スズキ イグニススポーツ(HT81S)スペック表

ボディタイプ

5ドアハッチバック

車両形式

TA-HT81S

トランスミッション

5MT

全長

3,620mm

全幅

1,650mm

全高

1,525mm

ホイールベース

2,360mm

車両重量

930kg

エンジン名

M15A型

排気量

1,490cc

最高出力

115ps/6,400rpm

最大トルク

14.6kg-m/4,100rpm

2代目スイフトスポーツ(ZC31S)

スズキの新たな世界戦略車として2004年11月に登場した2代目スイフトのデビューから遅れることおよそ10カ月後の2005年9月(MT車は10月)に2代目のスイフトスポーツが登場した。一から新設計されたプラットフォームは、それまでの軽自動車+αといったものから大きくレベルアップを果たし、ベースのスイフトも国内外で高い評価を受けており、高い期待を集める中での登場であった。先代はMTのみのラインナップであったが、2代目には新たに4AT仕様も設定され、より幅広いユーザーに受け入れられる形となっている。

先代の専用3ドアボディから5ドアハッチバックへとベースが変更になったことで、ファミリカーとしても使えるホットハッチとして新たな需要も引き起こす形となっている。なお、輸出仕様には先代と同じく3ドアも存在しており、国内導入を待望する声も聞かれたが残念ながら実現することはなかった。

搭載されるエンジンは初代から100ccアップしたM16A型エンジンで、これはジュニア世界ラリー選手権に参戦していた車両が搭載していたものと同型式のものとなる。当然ラリーカーほどのハイチューンは施されていないものの、初代と同じくファインチューニングがなされ、現行モデルまで続くアイコンともなっている2本出しとなる専用マフラーを装着するためにフロア形状も専用設計とするほどの力の入れようであった。

また、足回りには新たにモンロー製のショックアブソーバーを採用し、ベースの4穴ハブから高剛性の5穴ハブへ換装。リアブレーキも先代と同じくディスクブレーキ化するなど、スポーツグレードとしてのベース部分の底上げを図っている。さらに2007年5月の一部改良では、スポーツ走行時のシフトアップでパワーバンドを外れてしまうという声を反映し、レブリミットの引き上げやギア比の見直しを実施。スポーツモデルとして妥協なきアップグレードをする姿勢を見せてくれた。

そんな2代目スイフトスポーツの中古相場は車両価格で45万~70万くらいがボリュームゾーンとなり、タマ数も全体で250台を超える。中にはチューニングが施されたものも存在するが、ノーマルに近い個体が多くみられる。社外パーツの有無でそれほど価格も変わらないため、好みの社外パーツが付いているものがあればお買い得と言えそうだ。

>>スイフトスポーツ(ZC31S)の中古車情報はこちら

スズキ スイフトスポーツ(ZC31S)スペック表

ボディタイプ

5ドアハッチバック

車両形式

CBA-ZC31S

トランスミッション

4AT

全長

3,765mm

全幅

1,690mm

全高

1,510mm

ホイールベース

2,390mm

車両重量

1,070kg

エンジン名

M16A型

排気量

1,586cc

最高出力

125ps/6,800rpm

最大トルク

15.1kg-m/4,800rpm

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>>【試乗】スズキ スイフトスポーツ(ZC31S)試乗レポート/清水草一

>>【試乗】スズキ スイフトスポーツ(ZC31S)試乗レポート

3代目スイフトスポーツ(ZC32S)

2011年12月に3代目へとフルモデルチェンジを果たしたスイフトスポーツ。ボディサイズは拡大したものの、ボディ骨格には高張力鋼板を積極的に使用したほか、ホイールやタイヤ、ブレーキなどの徹底的な軽量化により、先代に比べ約10kgの軽量化に成功している。もちろん、先代と同じくモンロー製のショックアブソーバーや、リアブレーキのディスク化、5穴ハブの採用などは継続されており、専用の17インチアルミホイール及び195/45R17サイズのタイヤを採用して、より一層スポーツ性を高めている。

搭載されるエンジンは先代と同じくM16A型を踏襲するが、徹底した高効率化により、先代比+8kW/12N・mとなる100kW(136PS)/160N・m(16.3kgf・m)とさらに出力アップに成功している。また組み合わされるMTは先代までの5速から6速へと変更され、2~5速ギアをクロスレシオとして優れた加速性能を発揮しながら、6速ギアを追加することで燃費性能を向上させた。一方の2ペダル仕様は先代の4速ATからCVTへと変更し、ダイレクトで素早いギア操作が可能な、パドルシフト付7速マニュアルモードを採用した。この新しいミッションの採用により、カタログ燃費も向上している。

快適装備なども充実の一途を辿っており、キーレスプッシュスタートシステムやクルーズコントロールを標準装備とし、リアシートの中央席にヘッドレスト及び3点式シートベルトを標準装備。横滑り防止機能も標準装備し、さらにCVT車には坂道での発進を補助するヒルホールドコントロールの機能を持たせるなど、普段使いのコンパクトカーとしてのポテンシャルも大幅にアップさせている。

そんな3代目スイフトスポーツはつい先日まで現行車であったこともあり、100万~140万くらいの高年式車がメインとなり、台数も220台余りと豊富だ。ただ、初期型ともなると、乗り出し100万以下で狙えるものもそこそこの台数が存在するため、安価なものを購入して思いっきりスポーツ走行を楽しむか、高年式のものを購入してNAエンジンのフィーリングを楽しむか、悩ましい選択となりそうだ。

>>スイフトスポーツ(ZC32S)の中古車情報はこちら

スズキ スイフトスポーツ(ZC32S)スペック表

ボディタイプ

5ドアハッチバック

車両形式

CBA-ZC32S

トランスミッション

6MT

全長

3,890mm

全幅

1,695mm

全高

1,510mm

ホイールベース

2,430mm

車両重量

1,050kg

エンジン名

M16A型

排気量

1,586cc

最高出力

136ps/6,900rpm

最大トルク

16.3kg-m/6,900rpm

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4代目スイフトスポーツ(ZC33S)

2017年9月13日に発表となったばかりの4代目スイフトスポーツ。ベースとなるスイフトも、1200ccのNAと同エンジンのハイブリッド車及びマイルドハイブリッド車、そして1リッターターボとワイドバリエーションとなっているが、スイフトスポーツに搭載されたエンジンは1.4リッターターボが選ばれた。これはすでにエスクードに採用されたものと同型となるが、専用チューニングにより103kW(140PS)/230N・m(23.4kgf・m)と歴代最強スペックを誇っている。それにもかかわらず、1,836,000円(MT車)と200万を切る価格というのだから驚きを禁じ得ない。

ボディはついに3ナンバーサイズとなりワイドトレッドに。しかし、軽量高剛性な新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」採用により先代よりもさらに70kgの軽量化を実現し、970kgと初代の930kgに匹敵する軽さを手に入れている。サスペンション形式やモンロー製のショックアブソーバーの採用は従来通りだが、ワイドトレッドに対応するため、専用パーツをふんだんに使用し、ブレーキも大容量のものを装着することで、増大したパワーにも対応している。

先進安全装備としては、単眼カメラとレーザーレーダー(赤外線レーダー)で前方の歩行者や車を検知して衝突時の被害を軽減する「デュアルセンサーブレーキサポート」をオプション設定し、MTでもアダプティブクルーズコントロールが備わるなど、この分野でもライバル車を大幅にリードしている。

さすがにデビューしたばかりなので中古車相場というものは形成されていないが、ショップが先行発注した個体が未登録車として放出されることもある。現に、この原稿執筆時点でも1台の未登録車が掲載されていた。現状、注文が殺到して納期が遅れているということもあり、早急に手に入れたい人はこういった個体をチェックしてみてもいいかもしれない。

このように4世代に渡って愛され続けているスイフトスポーツ。どの世代でも軽量コンパクトなホットハッチというテーマが一貫しているため、どの世代でも十分走りを楽しむことができることは間違いなしだ。

>>スイフトスポーツ(ZC33S)のカタログはこちら

スズキ スイフトスポーツ(ZC33S)スペック表

ボディタイプ

5ドアハッチバック

車両形式

CBA-ZC33S

トランスミッション

6MT

全長

3,890mm

全幅

1,735mm

全高

1,500mm

ホイールベース

2,450mm

車両重量

970kg

エンジン名

K14C型

排気量

1,371cc

最高出力

140ps/5,500rpm

最大トルク

23.4kg-m/2,500-3,500rpm

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スズキ/スイフト
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新車価格:
172.7万円233.2万円
中古価格:
13.9万円401.8万円

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小鮒 康一
筆者小鮒 康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後に急転直下でフリーランスライターへ。国産旧車に造詣が深いが、実は現行車に関してもアンテナを張り続けている。また、過去に中古車販売店に勤務していた経験を活かし、中古車系の媒体でも活動中。最近では「モテない自動車マニア」の称号も獲得。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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