スズキ 新型スイフトスポーツ燃費レポート|速い・安い・低燃費!新型スイスポはかなりお買い得だ!(2/2)

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スズキ スイフトスポーツとは

テンロクスポーツの後継的な立ち位置でスタートしたスイスポ

1990年代までの車好き・走り好きの若者は、2ドアクーペのトヨタ カローラレビン/スプリンタートレノ、3ドアハッチバックのホンダ シビック、三菱 ミラージュなどを代表とする、俗に「テンロクスポーツ」と呼ばれるスポーツモデルで車に入門するというのがよくあるパターンだった。今ではそうそう無いが、8000回転も回る1.6リッターNAのスポーツエンジンを搭載した新車が、総額200万円程度で買える時代だった。

2000年代になると、このジャンルは1.5~1.6リッターのNAエンジンを搭載するトヨタ ヴィッツ、日産 マーチやノートのニスモS、ホンダ フィットRS、マツダ デミオといったコンパクトカーに設定されるスポーツモデルが引き継ぐようになったが、その中で最も存在感が強く、このジャンルのベンチマーク的な存在になっているのがスイフトスポーツである。

スイフトスポーツは1.6リッターNAエンジンを搭載した初代モデル、先代となる2代目モデルともに、機能面のスポーツ性の高さだけでなく内外装も含んだスポーツモデルらしい雰囲気、リーズナブルな価格などにより、安定した人気を保っていた。こうした歴代のファンが多いこともあり「スイスポ」の愛称で呼ばれる。

2017年のフルモデルチェンジ概要

ベースとなるスイフトが2016年12月にフルモデルチェンジされたのに伴い、約10か月遅れで追加された4代目(グローバルでは3代目)スイフトスポーツを見ていくと、まずエンジンは同社のコンパクトSUVであるエスクードに最近追加されたのと基本的に同じ1.4リッターの4気筒直噴ターボを搭載する。

しかしスイフトスポーツのものではガソリンをハイオクとし、レスポンス向上のためターボの過給圧をコントロールするウェイストゲートバルブの変更などが施され、エスクードのものに対し最高出力は4馬力、最大トルクは2.0kgm増しの140馬力、23.4kgf・mとなる。

1.6リッターNAエンジンを搭載していた先代スイフトスポーツに比べると最高出力こそ4馬力プラスだが、動力性能の力強さに大きな影響を与える最大トルクはNAエンジンに換算すれば700cc分の7.1kgmプラス、絶対値では2.4リッター級となっており、新型スイフトスポーツはスペックを見ただけで痛快な走りが頭に浮かぶ。

トランスミッションはMTとATが設定され、MTは先代モデルと同じ6速、ATは先代モデルのCVTから6速ATに変更されている。

歴代のスイフトスポーツが高い評価を得ていたシャシー性能に関しても、歴代モデルと同じくテネコオートモーティブのモンローブランドのショックアブソーバーを含む専用サスペンション、17インチホイール、ホイールを付けるハブベアリングの5穴化(標準モデルのスイフトは4穴)、フロントブレーキディスクの大型化など、抜かりなく強化されている。

そして現行スイフトスポーツは軽量であることも大きな特徴だ。標準モデルのスイフト自体、最軽量モデルでターボエンジンを搭載する軽ワイトワゴン並の830kgというコンパクトカーとしては驚異的な軽さが話題となった。それをスイフトスポーツでは、4気筒となる1.4リッターターボエンジンの搭載や各部の補強、強化により車重は増しているが、MT車で970kg、AT車でも990kgという1トンを切る車重を実現した。MTに関しては先代よりも70kg程度軽い。

結果JC08モード燃費はMT車で16.4km/L、AT車で16.2km/Lという数字をカタログに載せる。

なお現行スイフトスポーツは全幅が1735mmに拡大されており、日本車のコンパクトカーとしては珍しい3ナンバー車となる。これは海外仕様と共通のボディを使うためである。

3ナンバー幅と言っても全幅の拡大はそれほど大きいものではない上に、左右のドアミラーまでのミラーtoミラーと呼ばれる実質的な全幅は変わらないため取り回しにさほど影響はない。もちろん自動車税は排気量によって課税されるため維持費も変わらずと、3ナンバー幅になったのを気にする必要はほとんどないだろう。

最近では車を選ぶ際の大きなチェックポイントとなっている自動ブレーキに関しても、ベースがスイフトであることが幸いしてというべきか、単眼カメラとレーザーセンサーからの情報を基盤とした「デュアルセンサーブレーキサポート」がメーカーオプションで選択できる。新型スイフトスポーツのデュアルセンサーブレーキサポートには、標準モデルのスイフト同様の緊急ブレーキ機能、先行車発進お知らせ機能、ハイビームアシスト機能などに加え、車線逸脱抑制機能が新たに追加された点も見逃せない。

「デュアルカメラブレーキサポート」の自動ブレーキの性能はまだ公表されていないため、同じシステムを使う標準モデルのスイフトのものを参考に記載する。

ベースのスイフトは、国が行うJCAPの予防安全性能アセスメントの試験で、停止車両に対しては50km/h、歩行者への対応も日中であれば単純な飛び出しに対しては20km/h、停止車両のような遮蔽物の陰からの飛び出しに対しても30km/hでの停止が確認されている。

スイフトスポーツのものも同等の性能を持つと想像でき、コンパクトカーとしてはトップクラスの性能を備えていると言える。

さらにセーフティパッケージ装着車には、ミリ波レーダーを使った先行車追従型のアダプティブクルーズコントロール(作動するのは約40から100km/hの速度域)も装備される。価格は8万6400円と内容を考えれば非常に安価なので、スイフトスポーツを購入するなら必ず装着したい。

▼新型スイフトスポーツ試乗インプレッション

スズキ/スイフト
スズキ スイフトカタログを見る
新車価格:
172.7万円240.1万円
中古価格:
15万円382.6万円
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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

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