【燃費】マツダ デミオ XD [ディーゼル] 燃費レポート/永田恵一(1/5)

【燃費】マツダ デミオ XD [ディーゼル] 燃費レポート/永田恵一
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前回のデミオ ガソリンモデルに続き、今回は「本命」といえるデミオディーゼルの燃費を計測!

2014年9月に登場した新型「マツダ デミオ」は、未だ旬の車である。今回の燃費レポートは、前回の1.3リッターガソリンモデルの燃費レポートに続き、販売比率の60~70%を占め、デミオの本命モデル「1.5リッターディーゼルターボ」をテストした。

デミオ自体の概要に関しては前回の1.3リッターガソリンの燃費レポートを参照していただき、当記事では主に1.5リッターディーゼルターボのパワートレーンに関してご紹介しよう。

CX-5やアクセラ、アテンザのSKYACTIV-D 2.2リッターに続く第2弾となる新型デミオのSKYACTIV-D 1.5リッターディーゼルターボエンジンは、燃費の良さと動力性能の高さが大きな魅力だ。

SKYACTIV-Dは振動や騒音対策、ターボ化が必須となる上にNOx(窒素酸化物)の処理装置といった高価な機構を必要とするゆえコスト=車両価格が高くなってしまう弱点を克服すべく、低圧縮比化などの新技術を採用、NOxを処理する「NOx触媒」を不要とし、ディーゼルエンジンの長所はそのままに低価格化を実現したというアウトラインは1.5リッターであってもそのままである。

しかし、コンパクトカーであるデミオにディーゼルエンジンを搭載するにあたって、車格が高いCX-5、アテンザ、アクセラの2.2リッターディーゼルエンジン搭載車に対し、デミオは価格、エンジンルームのスペースといった条件がさらに厳しく、いわゆる「車格が低い車にディーゼルエンジンを搭載する際の課題の克服」に迫られた。

そのため、デミオの1.5リッターディーゼルターボでは大小2つのタービンを低回転域では1つ、中高回転域は2つ使うシーケンシャルツインターボを採用した2.2リッターに対し、1.5リッターではレスポンスも重視したシングルターボへの変更、2.2リッターの空冷式に対し1.5リッターではコンパクトな水冷式のインタークーラーの採用などにより、ハイブリッド化並といえる車両価格で約30万円の上乗せでデミオへのディーゼルエンジンの搭載を実現した。

そのスペックは「最高出力/105PS」「最大トルク/25.5kg・m」(6速AT、6速MTは組み合わされるトランスミッションの許容トルク容量との兼ね合いなどで22.4kg・m)という、最高出力こそ目を見張るものではないが、ガソリンエンジンで言えばATが2.5リッター級、MTも2.2リッター級というコンパクトカー離れした最大トルクを有するに至った。

そして、動力性能以上に気になる「燃費」も、カタログに載るJC08モード燃費は6速MTで「30.0km/L」、6速ATで「26.4km/L」を誇る。(6速ATのみにオプション設定される「i-ELOOP」装着車の燃費は「26.6km/L」。ちなみに、筆者の愛車でもあるデミオディーゼルの「6速MT」は、燃料タンクを通常の44Lから35Lへ減らすなどの軽量化で、いわば強引に燃費を向上させたモデルであることも否めないが・・・)

また、デミオディーゼルの価格帯は178万2,000円~219万2,400円(4WD含む)と、コンパクトカーとしては高い部類となる。それだけにというか、もともとマツダのディーゼルエンジンは「“価格競争力”、燃費を含めた“燃料コスト”、“走行性能”といった“総合力”でハイブリッドカーに対抗できる」ということが念頭に置かれており、そういった意味では直接的なライバルはハイブリッドカーの「トヨタ アクア」や「ホンダ フィットハイブリッド」であり、ライバル2台との勝負の行方も気になるところだ。

今回の燃費テストで使用したモデルは、最上級グレードとなる「デミオ XDツーリング Lパッケージ」(6速AT、199万8,000円。テスト車は、オプションで6万4,800円(!)のi-ELOOP、ディーゼルのみに設定される斜め後方を監視する「ブラインドスポットモニタリング」などから構成される「セーフティパッケージ」を装着)を起用。

テストは少々旧聞となるが、昨年10月9日の午前9時頃にスタートし、午後6時頃帰京するというスケジュールで、前回掲載したデミオ1.3リッターガソリンモデル(6速AT)と同時に実施した。

テスト中の天候は曇り時々晴れで、最高気温24度。交通状況は平均的な流れであった。

燃費測定の基本ルール

・燃費の測定は、車両に純正搭載されている車載燃費計を使用

・スピードは流れに乗ったごく一般的なペースで走行

・車両の状態もエアコンは快適に過ごせる温度(オートエアコンなら25度)に設定

・走行モードが選択できる場合にはノーマルモードを選んで走行

試乗ルート1「高速道路」

首都高速都心環状線芝公園ランプから首都高湾岸線を経由し、東京湾アクアラインから最近開通した圏央道の茂原長南インターに向かうというルート。

道路にアップダウンは少なく、流れは区間全体を通しおおよそ80km/h程度。道のりは約70km。

試乗ルート2「郊外路」

茂原長南インターを降り、国道409号線を西に進み、交差する国道297号線を北上し、東京湾に近い千葉県市原市内の国道16号線まで向かうルート。

道路にアップダウンは少なく信号があまりない上に走行中の流れも良く、好燃費が期待できる区間と言える。道のりは約30km。

試乗ルート3「市街地」

千葉県市原市の国道16号線から国道357号線、途中から片側1車線になる国道14号線、都県境から蔵前橋通りを経由し、オートックワン編集部に戻るルート。スムースに流れることは少なく、渋滞路が多くを占める区間だ。

平均時速は15~18km/h程度で、イメージとしては混んだ東京都内の道に近い。道のりは約55km。

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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