スズキ 新型スイフトXS-DJE(デュアルジェットエンジン) 燃費レポート/永田恵一(4/5)
- 筆者: 永田 恵一
- カメラマン:永田恵一/オートックワン編集部
スズキ スイフトXS-DJE 燃費レポート【市街地編】
DJEエンジン搭載の効果は市街地でも感じられた。それは低速トルクの厚さだ。普通の流れに乗るくらいの走り方なら、エンジン回転数にして2000回転程度の浅いアクセル開度で流れに乗ることができ、運転が楽であった。また、50km/h以下で走行している際には、アイドリング+αくらいのエンジン回転数で走行しているケースもあり、クルマ側が貪欲に「燃費を稼ごう」としていることが確認できた。
市街地で、というより個人的にDJE搭載のスイフト最大の弱点と感じたのが、アイドリングストップの働き方だ。
前述したように、DJE搭載のスイフトのアイドリングストップは、同社の「スペーシア」などと同じ、ブレーキを踏んで13km/h以下になるとエンジンが止まるタイプである。13km/h以下のスピードでエンジンが止まることは、燃費向上のため賛成できるのだが、完全停止前に停止した際の「カックン」という不快な動きを避けるためブレーキ踏力(踏み方)を調整すると、クルマ側が「ドライバーは信号が変わったことなどによりクルマを動かそうとしている」と判断しているのか、エンジンが再始動しまうことが多いのだ。これはスペーシアも同様だった。
無用なエンジンの再始動を防ぐには、ブレーキ踏力を完全停止前も一定のままにすればいいのだが、ユーザー層が非常に広い軽自動車ならともかく、コンパクトカーの中でも通向けの車種であるスイフトでそういった運転を強いられることは、疑問や不満に感じるユーザーは多いのではないだろうか。燃費向上という面ではこのタイプが有利なことは分かるが、このタイプのまま行くのであればブレーキ踏力の変化に対するエンジン再始動の感度を、今より鈍感な方向にするなどの改善を望みたい。
ちなみに同じスズキの「ハスラー」はこの点、スペーシアよりやや改善されていたこともあわせて報告しておきたい。
なお、停止中のアイドリングストップの頻度は多い上に、エンジンが止まっている時間も長く、エンジン再始動の早さも申し分ないが、エンジン再始動時のセルモーターの音はもう少し小さくして欲しいところだ。
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