三菱 新型エクリプスクロス・新型アウトランダーPHEV雪上試乗|三菱の魂を受け継いだ最新車両を北の大地で試す!(3/4)
- 筆者: 藤島 知子
- カメラマン:三菱自動車工業・オートックワン編集部
エクリプスクロスには三菱が磨いた4輪制御技術がどのように活かされているのか?
そしていよいよ、期待の新星「エクリプスクロス」に試乗する番がやってきた。
初めてハンドルを握るのが雪上になるとは思いもよらなかったが、滑りやすい路面だから分かる特性もあるハズ。
電子制御式の4WDシステムを搭載している点ではエンジン車のアウトランダーと近いメカニズムとなるが、パワートレーンは1.5Lの直噴ターボエンジンと8速スポーツモードCVTの組み合わせで、車重は4WD仕様であっても1550kg程度。S-AWCは車格に見合うシンプルな機構とすることで、リーズナブルな価格帯で提供できるメリットがあるという。
アウトランダーとはキャラクターが異なるスポーティなクロスオーバーSUVに、三菱が磨いた4輪制御技術がどのように活かされるのだろうか。
「おっ!」と言わしめたのは、新開発の1.5Lの直噴ターボエンジンのトルクフルなパワーフィール
エクリプスクロスは世界的にはコンパクトSUVに分類されるものの、基本的にアウトランダーのプラットフォームが応用されたレイアウト。
アウトランダーと比較してみると、タイヤ前後の間隔を示すホイールベースは2670mmと同じだが、左右のタイヤの間隔はエクリプスクロスのほうが5mm広く構えている。全高は25mm低く、最低地上高についても15mm低い。SUVながら、地を這う構えに見える理由はここにある。
このモデルのS-AWCはドライブモードセレクターの操作で「AUTO」、「SNOW」、「GRAVEL」の3つのモードが選択できるのだが、今回は雪道の滑りやすい路面に適した「SNOW」を選択。クルマそのものの滑り具合を確認するため、TRC(トラクションコントロール)をオフにして走ってみることにした。
アクセルペダルを踏み込んで、「おっ!」と言わしめたのは、新開発の1.5Lの直噴ターボエンジンのトルクフルなパワーフィール。
1550kg以上の重さの車体を走らせるのに充分なだけでなく、低回転からトルクを漲らせるため、力が欲しいタイミングでクルマが前に押し出てくれる。車体の挙動がコントロールしやすいのだ。
カーブではブレーキペダルを踏み込みながら、ハンドルを切り込み始めてクルマに曲がりたい意思を伝えると、ノーズがスーッと入り込んでいく。車体後部が旋回するのを待ってからハンドルを徐々に切り戻し、コーナーの出口に向けてアクセルをオン。気づけば、意のままに車体の動きをコントロールしながら走れる感覚に没頭し、SUVをドライブしていることをすっかり忘れている自分がいた。
まるでスポーツカーをドライブしているように「いい汗がかける」興奮は、ランエボ以来味わっていなかった感覚ではないか。そんな気分にさせてくれることを嬉しく思うのと同時に、三菱の今後のクルマ作りへの期待が高まっていた。
今回は雪上でのインプレッションとなったが、エクリプスクロスについては、今後オンロードでの走りがどうなのかも引き続き注目していきたいと思う。
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