メルセデスAMG C63 試乗レポート ~Cクラス最強のスポーツモデルが鮮烈デビュー~【2015】(3/4)
- 筆者: 河口 まなぶ
- カメラマン:メルセデス・ベンツ日本
性格は獰猛な野獣へと豹変する
一方で乗り心地も先代から大きく進化した。先代のC63 AMGは、特に初期型が非常にハードでソリッドな乗り心地だったが、今度の新型ではハードさは当然ノーマル以上であるものの、サスペンション自体は至極スムーズに動く味付けとなっている。
このため街中では段差等での衝撃はそれなりにあるが、意外なほどに乗り心地は悪くない。常にしっかり感が漂いつつ、滑らかさをわずかに垣間見せる。
扱いやすいエンジンと意外にも乗り心地も悪くないので普段使いを全く厭わないという側面を見せる。
しかし、やはり本質はハイパフォーマンスセダン。センターコンソールのAMGダイナミックセレクトスイッチを操作すると、その性格は獰猛な野獣へと豹変するのだ。
C63 Sで“レース”モードにすると…
特にメルセデスAMG C63 Sは、AMGダイナミックセレクトに“レース”というモードがある。
スイッチを操作してこのモードに入れると、セダンであることを忘れさせるスポーツカーへと変身する。
エンジンのサウンドはボリュームを増すと同時に、アクセルをオフすると「パンッパンッパンッ」とバックファイヤーの炸裂音を響かせる。
さらにハンドルもダイレクト感が増すと同時に、サスペンションも引き締まった設定となる。加えて車両制御安定装置も、姿勢変化を許容するようになる。
つまりドリフトも可能となるわけだ!
そしてこれと同時に、極めてユニークな機構が働く。
メルセデスAMG C63 Sではダイナミックエンジントランスミッションマウントという機構が備わっており、ダイナミックなドライビング時にはマウントが固められることで、エンジンおよびトランスミッションの揺れやロールを抑えるもの。
これによってハンドル操作に対して、よりソリッドなボディの動きが実現される。
しかも普段はマウントが緩められており、快適性を重視した設定となる。
そう、この機構によって、普段使いの時はエンジンやトランスミッションの振動をカットして快適に、スポーツドライビング時にはソリッドなクルマの動きが実現されるのだ。
この記事にコメントする