メルセデス・ベンツ 新型Cクラス試乗|大幅改良を受けた4モデルをイッキ乗り!

マイナーチェンジでも実態はフルモデルチェンジ並みの大幅改良

はっきり言っちゃいます。メルセデスはマイナーチェンジ直後が買い時です! よくマイナーチェンジのことをフェイスリフト(「模様替え」の意味)なんていいますが、マイナーチェンジにもフルモデルチェンジ並みの本気度で取り組むのがメルセデスの伝統。先ごろ登場したCクラスのマイナーチェンジ版でもクルマ全体のおよそ半分に相当する6500点もの部品を刷新し、メーカー自らが「Cクラス史上もっとも大規模なフェイスリフト」と主張するほどなのです。

なかでもエンジン、足回り、安全装備といったクルマの根幹に関わる部分を大幅に改良したのが今回のマイナーチェンジの特徴なので、その辺を軸にメルセデス・ベンツ新型Cクラスを紹介することにしましょう。

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ハイブリッド・システムを組み込んだ新設計のガソリンエンジン

まずはエンジンから。新型Cクラスの主力はガソリンがC200で、ディーゼルがC220dですが、そのいずれにも新設計のパワーユニットを投入しています。

しかもしかも、C200の排気量はなんと1.5リッター!

いくらターボ付きとはいえ、Cクラスというメルセデスの立派なセダンでさえここまで排気量が小さくなったことは時代を象徴しているようでとても印象的です。

もっとも最高出力は184ps、最大トルクは280Nmと性能は十分以上。しかも、ここにコンパクトなハイブリッド・システムまで組み合わせてパワーを向上させ、燃費を改善しているのです。

実際に試乗してみると、まずは4気筒とは思えないほどエンジンが静かでスムーズなことに驚かされます。しかも、アクセルを踏んだ直後から素早くパワーが立ち上がってくれるので、1.5リッター・エンジンといってももどかしい印象は皆無。この辺は、レスポンスに優れたツインスクロール・ターボチャージャーと48V電気系を用いたハイブリッド・システムの効果と思われます。

これに比べると、ひと世代前の1.6リッター・エンジンを搭載したC180(排気量が大きいのにモデル名の数字は小さくなっている点に注目!)のほうが低速域ではカラカラというノイズが耳についたり、低速域からの加速であまり力強さを感じなかったりと、C200と比べると格下な印象は拭えません。もっとも、それは乗り比べた場合の話であって、C180単独で乗ったらそこまでのことは思わないでしょう。いずれにせよ、クルマはこうやってジミーな改良を繰り返しながら、気がつけば途方もない進歩を遂げているものなのです。というわけで、自動車メーカーの技術者には本当に頭が下がります。

新設計されたディーゼルエンジンは静かで力強く経済的!

新しくなったのはガソリンエンジンだけではありません。C220dに搭載されるディーゼル・エンジンも完全な新設計。エンジン・ブロックはアルミ製なのにピストンにスチールを使うというマニアックな話題もさることながら、もはやディーゼルとは思えないほど静かで、高い回転数域まで伸びやかに回る点はメルセデス・ディーゼルの真骨頂。さらに、ディーゼルらしく3000rpm前後の中速域でとても力強いので高速道路での追い越し加速も楽々こなしてくれます。

ドイツ本国で発表されているデータを見るとC220dはガソリン・モデルのC200より3割近くも燃費がいいので、ガソリンより2割ほど安い軽油の価格を含めて考えると、燃料代はガソリン・モデルの5割強で収まる計算になります。こうした経済性の高さもディーゼルの魅力ですね。

より幅広い領域で正確なハンドリングと快適な乗り心地を両立

足回りにも見逃せない改良が施されました。これまでメルセデス・ベンツCクラスにはセレクティブダンピングシステムといってサスペンションが上下に動く速さに応じて減衰率が変わるダンパーシステムが幅広く採用されてきました。平たくいえば、メカ作動の可変減衰率ダンパーだったわけです。これが今度は電子制御式に改められました。つまり、新型はコンピューターによって減衰率を制御することで、より幅広い領域で正確なハンドリングと快適な乗り心地を両立しようとしたのです。

ADSと呼ばれる新しいダンパーシステムが搭載されたのは、C180 アヴァンギャルドとAMGラインというオプションを装着したモデル。実際に試乗したところ、従来型が苦手としていた鋭い突起に乗り上げた際のショックが大幅に緩和されていて、車速や路面状態にかかわらず快適性が高まりました。また、ハンドル操作に対する反応を少し穏やかな方向に改めたようですが、これも私の好みです。セレクティブダンピングシステムからの進化は明らかといえます。

程よくスポーティ感が盛り込まれたエアサスペンション

いっぽう、C200もしくはC220dにAMGラインを装着すると、サスペンションは一気にエアサスに昇格します。滑らかな乗り心地で定評のあるメルセデスのエアサスですが、Cクラスではそこにスポーティ感をほどよく盛り込んでいました。といってもADS装着のC180同様、ハンドルの操作はほどよく穏やかで扱いやすい。メルセデスらしいゆったりとしたドライビングを楽しめそうです。また、ADSに比べて後席の乗り心地が圧倒的に優れているのもエアサスの魅力です。

普段使いもOKなAMG C 43にも試乗

新型Cクラスには、このほかにもスポーティなAMGモデルが用意されていますが、“43”ならびに“63”というふたつのシリーズが用意されるうち、今回はC43 4MATIC クーペに試乗しました。

“63”に比べればマイルドな設定の“43”ですが、390psと520Nmを発揮するV6 3.0リッター・ツインターボエンジンは、どんな速度域でもアクセルを踏んだ瞬間にロケット加速を見せる瞬足ぶりが自慢。ただし、“63”よりは乗り心地がマイルドでエンジン音も大人しいはずなので、AMGのなかでは普段使い向きといえるかもしれません。

先進安全装備はあのSクラスに準じた内容に進化

メルセデス・ベンツ自慢の先進安全装備は新型になってさらに進化し、最上級セダンであるSクラスに準じた内容になりました。新たな機能としては、高速道路走行時に安心なアクティブレーンチェンジアシスト(ウィンカーレバーを倒すだけでクルマが安全かつ自動的に車線変更を行なう機能)や30秒オートリスタート(渋滞で先行車が一旦停止しても30秒以内であれば前車に追随して自動発進する機能)を装備。バックで出庫する際に後方を横切る車両を検知して自動ブレーキを作動させるリアトラフィックアラート、近くに障害物があるとドライバーが発進しようとしても車速が上がらないドライブアウェイアシスト機能なども、ウッカリ事故を防ぐうえで大きく役立ってくれそうです。

もっとも、安全確認はいつでもドライバーの責任であることは変わりありません。先進安全装備はあくまでもドライバーのミスを最小限に抑えてくれるサポート機能であることを忘れないようにしてください。

新型Cクラスを買うならC220dかC200のAMGライン

さてさて、今回は合計で4台の新型Cクラスに試乗しましたが、そのなかではディーゼル・エンジンを積んだC220dが走りの力強さ、快適性、さらには経済性まで考えるといちばん魅力的に映りました。ただし、その車両価格はステーションワゴンだと602万円で、これに安全装備のレーダーセーフティパッケージとエアサス込みのAMGラインを装着するとプラス57万1000円で600万円台の半ばになってしまいます。うーむ。

いっぽう、セダン・ボディのガソリン・モデルであるC200だったら本体価格は552万円で、同じくレーダーセーフティパッケージとAMGラインを装着しても600万円強のお値段。もしも私が新型Cクラスを買うとしたら、この2モデルで悩むことになりそうです!

[TEXT:大谷達也/PHOTO:茂呂幸正]

メルセデス・ベンツ 新型Cクラス主要スペック

メルセデス・ベンツ 新型Cクラス主要スペック
車種名 メルセデス・ベンツ Cクラス
グレード C180 セダン

アバンギャルド

C200 セダン

アバンギャルド

C220d

ステーションワゴン

アバンギャルド

Mercedes-AMG C43

4MATIC クーペ

価格(消費税込) 489万円 552万円 602万円 950万円
駆動方式 2WD(FR) 4WD
トランスミッション電子制御 9速 AT
全長 4,686mm 4,702mm 4,699mm
全幅(車幅) 1,810mm
全高(車高) 1,445mm 1,442mm 1,429mm 1,457mm
ホイールベース 2,840mm
乗車定員 5名 4名
エンジン 直列4気筒 DOHC

直噴 ターボ

直列4気筒 DOHC

直噴 ターボ

+モーターアシスト

直列4気筒 DOHC

直噴 ターボ

ディーゼル

V型6気筒 DOHC

直噴 ツインターボ

排気量 1,595cc 1,497cc 1,950cc 2,996cc
エンジン最高出力 115kW(156PS)

/5,300rpm

135kW(184PS)

/5,800~6,100rpm

143kW(194PS)

/3,800

287kW(390PS)

/6,100rpm

エンジン最大トルク 250Nm(25.5kgf-m)

/1,200~4,000rpm

280Nm(28.6kgf-m)

/3,000~4,000rpm

400Nm(40.8kgf-m)

/1,600~2,800rpm

520Nm(53.0kgf-m)

/2,500~5,000rpm

燃料 無鉛プレミアムガソリン 軽油 無鉛プレミアムガソリン

※欧州仕様参考値

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大谷 達也
筆者大谷 達也

1961年、神奈川県生まれ。エンジニア職を経験後、1990年二玄社に就職し、CG編集部に配属となる。以来、20年間にわたり同誌の新車情報、モータースポーツに関する記事を企画・編集・執筆。2010年3月フリーランスとなる。現在もCGの編集・執筆業務に携わる傍ら、ENGINE、GENROQ、東京中日スポーツ新聞、レーシングオンなどにも寄稿。日本モータースポーツ記者会会員。記事一覧を見る

監修トクダ トオル (MOTA編集長)

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