マツダ 新型デミオディーゼル（MT）を本気（マジ）で購入検討しているライターによる新型デミオ 解説 -前編-／永田恵一(2/3)

新型デミオは「ペダル配置」「オルガンペダル」に注目！

そして、新型デミオの注目ポイントの1つが「ドライビングポジション」と、それに大きく関連する「ペダル」配置です。

FF車は多かれ少なかれ足元にホイールハウスが室内に張り出してくるもので、特に右ハンドルの小さいクルマだとペダルが中央寄りにオフセットしていたり、アクセル操作の際に靴の形によってはホイールハウスに足が当たることがあります。

そういった問題を解消するために新型デミオはタイヤ、ホイールハウスを80mm前に出し、アクセルペダルとブレーキペダルを20mm外側へ移動、シートに座って足を伸ばした自然な位置にペダルがあるというペダル配置を実現しているのです。

このことは、新型デミオに座っただけでも実感できました。おまけにアクセルペダルは現代のコンパクトカーでは初ではないかと思われる、ペダルの踏みかえがしやすいなどのメリットを持つ、ペダルが床から出ている「オルガンペダル」を採用しています。

個人的にはこんなところにも元気一杯のマツダらしさを感じますし、私が新型デミオを見て一番驚いたことが、このオルガンペダルの採用でした。

室内は旧デミオと比べてもあまり広くなっていない

その分というか、新型デミオは現行デミオに対し全長が160mm伸び、ホイールベースがコンパクトカーとしてはかなり長い2,570mmと80mmも延長されていますが、その分の多くはフロントノーズの長さに使われているようです。

そのため、室内の広さに関しては着座姿勢が現行デミオに対してアップライトな正しい姿勢になっているというアドバンテージはありますが、広さ自体は現行デミオと同等、ラゲッジスペースも現行デミオと同等という印象です。

ですので、フィットやノートのようなスペースの広いコンパクトカーを求める人だと選びにくい、「サイズが大きくなっているのにスペースがさほど広くなっていない」というネガは否めないのではないでしょうか。

旧モデルとさほど変わらない車重も好評価

続いて、機能面です。エンジンばかりが認知されている感もありますが、新型デミオも「エンジン、トランスミッションといったパワートレーン系だけでなくクルマ全体で燃費を上げ、走る楽しさも備える」というコンセプトであるスカイアクティブテクノロジーを基に開発されています。

まず、クルマの土台となるプラットフォームは新設計となっており、現行デミオに対し22％のボディ剛性向上が図られています。このプラットフォームはホンダの「フィット」に対する「ヴェゼル」のような存在と思われるコンパクトSUV（CX-3？）にも今後、使われると思われます。

ボディ剛性の向上や年々厳しくなる衝突安全基準への対応を考えると車重の増加が心配なところですが、車重は1.3リッターの6速AT車で「1,030kg」と、現行モデルの1.3リッターのスカイアクティブ搭載車の「1,020kg」とほぼ変わらない車重に抑えていることは評価できるのではないでしょうか。

新型デミオのサスペンションは形式こそ現行デミオと同じでコンパクトカーによくある「前・ストラット／後・トーションビーム」ですが、新型デミオは新規のものであるのに加え、マツダらしい各部の造り込みによって楽しいハンドリングと快適な乗り心地が期待出来そうです。