マツダが実用化に成功した圧縮着火エンジン搭載車を早くも試乗!次期型アクセラを示唆か(1/3)

「EVの拡大=内燃機関の終焉」という論調は早計

昨今、ディーゼル推しだった欧州メーカー勢がこぞってEVへの移行をアピールしている。フランスとイギリスは2040年以降ガソリン/ディーゼル車の販売を終結させる方針を固めたと発表するなど、自動車業界に大きな変革が生まれようとしている。

一般メディアでは「内燃機関の終焉」などと騒がれているが、ちょっと待ってほしい。現実問題、どの自動車メーカーもEVの開発に非常に熱心だか、バッテリーの性能、航続距離、そしてインフラの問題など様々な課題は山積みである。

国土が狭く自動車以外の交通網が発達している日本ですらそうなのだから、自動車が「生活の足」であり「命を繋ぐ存在」である海外では、正直言うと今から20年ちょっとで「オール電化」になるとは到底思えない。恐らく、どのメーカーも宣言してはいるが、現実的には当面は「内燃機関+電動化」がメインストリームとなるわけだ。

マツダが見る内燃機関の未来

つまり、今後も内燃機関は存在するわけで、これからも進化させる必要がある……と言う事を意味している。そこに徹底してこだわるのがマツダで、内燃機関の理想を追求したスカイアクティブ技術をアピールしている。中には「時代に逆行している」などと言う人もいるが、それは大きな間違い。マツダも将来的にはスカイアクティブと効率的な電動化技術と組み合わせて導入することも発表。

つまり、最終的には他の自動車メーカーと同じ流れでだが、「内燃機関は電動化までの繋ぎ」と考える他社に対して、マツダは「内燃機関にはまだ未来がある」と言う考えを持っているのだ。

これまでマツダは世界一の圧縮比14.0を誇り、燃費を15%/低中速をトルク15%改善したガソリンエンジン「スカイアクティブG」、世界一の低圧縮比14.0を誇り、燃費を20%改善、高価なNOX後処理装置なしでも世界各国の厳しい排ガス規制をクリアするディーゼルエンジン「スカイアクティブD」を市場投入しているが、ユーザーへの提供価値……と言う意味で見ると「一長一短」である。

例えば、ガソリンエンジンは伸びの良さ/レスポンス/排気浄化性に優れるが、応答性/燃費/トルクに課題、逆にディーゼルは応答性/燃費/トルクが優れる一方で伸びの良さ/レスポンス/排気浄化性は課題がある。

“SKYACTIV-X”試乗レポート

しかし、ガソリンとディーゼルのいい所取りの内燃機関は存在する。それは内燃機関の究極の姿と言われる。ガソリンと空気の混合気をディーゼルのようにピストンの圧縮によって自己着火させる「圧縮着火(Conoression Ignition)エンジン」だ。

これまで世界の自動車メーカーで開発が進められ、メルセデス・ベンツの「ディゾット(ディーゼルとオットーサイクルの造語)」は自動車メディア向けに試乗まで行なっているが、まだ実用化レベルには辿りついていない。

そんな中、マツダは2017年8月8日に開催された「技術開発の新長期ビジョン説明会」の席で圧縮着火エンジンの実用化に成功、その技術を盛り込んだ次世代エンジン「スカイアクティブX」を発表した。その後、8月下旬にドイツで「グローバル次世代技術フォーラム」と言うイベントを開催され筆者も参加。スカイアクティブXを搭載するテストカーに試乗することができたので報告しよう。

マツダ/アクセラスポーツ
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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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