非日常を手に入れられる世界観をもったイヴォーク コンバーチブル 海外試乗レポート(2/2)
- 筆者: 九島 辰也
ファブリックトップであることを忘れてしまうほどの静粛性
特徴はハイウェストのサイドパネルや角度のついたフロントピラー、リアスポイラー、フレームレスドアなどだ。これらがSUVの屋根無しを見事に成立させている。そしてファブリックのトップがそれを助長する。閉めた時の低い位置がなんともクーペライクでかっこいい。要するに、開けても閉めてもシームレスデザインとなる。
このファブリックのルーフは約18秒で開き、21秒で閉まる。時速30マイル、つまり時速48キロ以下なら走行中も稼働可能だ。幌は5層からなり4つのモーターでこの大きな面積を動かす。重さは68kg。同じ質量のハードトップより−30%となるそうだ。要するに高い位置の軽量化にも役立っている。
何度か動かしているうちに気づいたのだが、モーターが実に静かであったこと。よくこの手のクルマは「ウィーンウィーン」とモーター音がしがちだがそれがない。それと剛性は完璧というほどクローズド時は静粛性が高い。閉めて走っているとファブリックトップであることを忘れてしまったほどであった。
インテリアでは10.2インチのタッチスクリーンが強調される。縦横比21:9のそれはまるで新しいスマートフォンのように扱いやすい。そう感じたのは、指を広げて地図を大きくしたりその逆ができるからだ。この機能は相当ありがたい。
走り出してすぐに感じたのは、ボディ剛性の高さ。というのも、試乗コースが高速、ワインディングと続いたのでそれを強く感じた。このところ、ミニ「コンバーチブル」、ロールスロイス「ドーン」と、立て続けに4シーターコンバーチブルの海外試乗を体験しているが、これもそれらに負けていない。SUVであることを感じさせないほどオープンエアモータリングは自然である。
しかも今回は、雪道試乗を含むためタイヤはスタッドレスを履いていた。それを鑑みると、どれだけこのクルマの潜在能力が高いかということが窺い知れる。この状態でアルプス近郊の何十キロに渡るワインディングを実にと気持ちよく駆けるのだから、サマータイヤであればなおさらいいはずだ。よほど開発陣は、このクルマの走りに自信を持っているのだろう。
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