BMWの王道・本流「3シリーズ」がマイナーチェンジ/BMW 新型 3シリーズ セダン/ツーリング 試乗レポート(3/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正・和田清志・ビーエムダブリュー
強烈な個性こそないものの、余裕のある走りはBMWらしいもの
次はワゴンの「320i xドライブ ツーリング スポーツ」を試乗した。エンジンは直列4気筒2リッターのターボで、xドライブだから4WDを搭載する。前後輪の駆動系の間に電子制御される多板クラッチを装着。走行状態に応じて前後輪に最適な駆動力を配分する。
車両重量は1740kg。ワゴンボディの4WDだから重いが、セダンと比べた時の重量増加は80kg、4WD化に伴う重量増加も同じく80kgだ。4WDがセンターデフ式だと100kgくらいは重くなるから、電子制御式の多板クラッチは軽さにもメリットがある。
2リッターのターボエンジンは、車両重量が1700kgを超えることもあって、動力性能は大人しい。最高出力は184馬力(5000回転)、最大トルクは27.5kg-m(1350~4600回転)とされ、自然吸気エンジンに当てはめると2.7リッタークラスだ。吹き上がりなどの個性は弱いが、実用回転域の駆動力に余裕があって運転しやすく仕上げた。
4WD化の影響は最小限に留まる
4WDの装着に伴う走行安定性は、乾燥した舗装路面では後輪駆動の2WDと比べて大差はないが、雨天時や雪道ではメリットが生じる。ワゴンのツーリングであれば、スキーなどを趣味とするユーザーも多く4WDとの相性も良い。
ワゴンボディとあって、操舵に対する反応はセダンに比べると若干緩いが、前述のようにBMW 3シリーズは操舵感が比較的機敏で良く曲がる。ツーリングでも十分にスポーティーな運転感覚を満喫できるだろう。
乗り心地も適度な柔軟性を併せ持ち、ワゴンボディや4WDと相まって、さまざまな用途に使いやすい。
注意したいのは最小回転半径で、2WDは5.4m、4WDでは5.6mに増える。若干大回りだから、購入時にディーラーの試乗車などで取りまわし性を確認すると良い。
JC08モード燃費は14.9km/L。4WDとあって2WDの15.4km/Lに比べると少し悪化するが、2.7リッター並みの動力性能を考えれば納得できる。
[BMWのブランド力が問われる時代・・・次ページへ続く]
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