【2019年フルモデルチェンジ】BMW 3シリーズのグレードやエンジンによる違い・評価を徹底比較

  • 筆者: MOTA編集部
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BMWシリーズの中核である3シリーズは、長年にわたってベストセラーを記録しています。そして、2019年1月3シリーズは7代目のフルモデルチェンジを果たしました。今回は、新型BMW 3シリーズの詳細について詳しく解説していきましょう。

目次[開く][閉じる]
  1. 新型BMW 3シリーズのスペックレビュー
  2. 新型BMW 3シリーズ 外装・内装レビュー
  3. 新型BMW 3シリーズ 価格レビュー
  4. 総評:全面刷新された、BMW 3シリーズの評価

新型BMW 3シリーズのスペックレビュー

フルモデルチェンジを果たした新型BMW 3シリーズ。BMWシリーズの中でも長い歴史を持つ車種でありながら、先進的なデザインに加え、よりパワフルで高効率なエンジンによってその走りに磨きをかけ、究極のスポーツ・セダンへと進化させています。自然な加速感が味わえるガソリンエンジンと後輪駆動の組み合わせをメインに、ディーゼル、プラグインハイブリッドや4WDモデル、さらにデザインや装備にも豊富なバリエーションがあります。

3シリーズには以下6つのラインナップがあります。

エンジン種類

駆動方式

318i

直列4気筒ガソリンターボ

FR

320i

直列4気筒ガソリンターボ

FR

320d xDrive

直列4気筒ディーゼルターボ

4WD

330i

直列4気筒ガソリンターボ

FR

330e

直列4気筒ガソリンターボ+モーター

FR

M340i xDrive

直列6気筒ガソリンターボ

4WD

具体的にどのような変化があるのか、6代目と比較して紹介しましょう。

ボディサイズ

6代目と比較してボディサイズはどのような変化があったのでしょうか。

・6代目のボディサイズ

全長4,625mm、全幅1,800mm、全高1,440mm、ホイールベース2,810mm

・7代目のボディサイズ

全長4,715mm、全幅1,825mm、全高1,440mm、ホイールベース2,850mm

以上の数字を見ると、フルモデルチェンジ後はひとまわりサイズアップしたことがわかります。

サイズアップの具体的な数字の差を見てみましょう。

・全長:90mm

・全幅:25mm

・全高:変化なし

・ホイールベース:40mm

特筆すべきは全幅が大きくサイズアップしたことです。

全幅が1,800mmを超えたことによる影響は?

サイズアップしたことで存在感がより際立つ7代目ですが、それにより車内も広くなりゆったりと過ごすことが可能になりました。

しかしサイズアップによるデメリットもあります。それは、駐車場の利用に支障をきたす可能性もあることです。全幅1,800mmオーバーのサイズだと、駐車場、特に立体駐車場に合わないこともあります。

強引に7代目の適正サイズでない駐車場に停めておくと、他の車との接触事故などが発生して、トラブルに発展することもあるでしょう。

以前のBMWモデルやその他の車種は、そのようなことを配慮して、大きくても1,800mmを超えることはありませんでした。しかし、7代目を購入した場合、駐車場探しには苦労するかもしれません。

エンジン(出力・トルク)、燃費

フルモデルチェンジしたことにより7代目のエンジン最高出力・トルク・燃費は、どのような変化があったのでしょうか。

以下が、6代目と7代目の最大出力・最大トルク・燃費です。

モデル

最高出力

最大トルク

燃費

6代目

184〜245PS

270〜350N・m

JC08モード:15.2〜16.6km/L

7代目

156~387PS

250〜400N・m

JC08モード:12.4~19.8km/L

WLTCモード:11.7~15.6km/L

(郊外)12.2~14.9km/L

(高速)14.4~18.0km/L

(市街地)7.8~12.6km/L

上記のように、出力・トルクと、7代目はすべてにおいて前モデルより高性能となっています。

7代目の特色は、エンジンのパワーアップです。直列4気筒DOHCガソリンエンジン・直列6気筒DOHCガソリンエンジンなどを搭載したことによって、最大出力は6代目をはるかに上回る387PSを記録しています。また最大トルクの数値も、今までの歴代シリーズでは実現しなかった最大400N・mです。

前モデル以上の力強い馬力を発揮しながら低燃費も可能なのが、7代目の魅力といえます。

日本専用チューニングが施されたモデルも

BMWの320iには日本の交通事情に配慮した、独自の専用チューニングが施されています。7代目に搭載されているのは、2タイプの2.0L直4ターボエンジンです。このエンジンパワーは日本の交通・道路事情にふさわしいパワーといわれています。

このエンジンを搭載する、日本市場の人気グレードである320i系・330i系は、より高い売れ行きが予想されるでしょう。

BMW本社にとって日本は大きなマーケットです。特に歴代3シリーズにおいて日本は総売上台数の3%を占める重要な市場といわれています。そのため、3シリーズに対する日本人の要望や意見は大きな意味を持ち、そのような要望を汲み取った結果が、この日本向け専用チューニングなのです。

3シリーズのディーゼルエンジン・ガソリンエンジンの燃費比較

車はディーゼル(軽油)エンジン・ガソリンエンジンによって、燃費が異なります。7代目における、ふたつのエンジンの違いは以下の通りです。

ガソリンエンジンの燃費

ディーゼルエンジンの燃費

・JC08モード

14.9〜16.2km/L

・WLTCモード

(郊外)10.0km

(高速)13.2〜13.4km/L

(市街地)15.4〜15.9km/L

・JC08モード

18.2〜18.9km/L

・WLTCモード

(郊外)11.2km/L

(高速)17.2km/L

(市街地)14.1km/L

以上のように、燃費だけを見るとディーゼルエンジンのほうが、燃費が良いです。ディーゼルエンジンの燃料である軽油もガソリンより安いので経済的といえるでしょう。

しかし、ディーゼルエンジンを搭載した車は、本体価格がガソリン車より高額です。そして本体そのものが高いということは、それにかかる維持費も比例して高額となるでしょう。

燃費・燃料の価格だけではなく、総合的に見てどちらが良いかを決める必要があります。

グレード別の装備の違い

フルモデルチェンジされた7代目の装備について説明しましょう。

・318i

前の席は電動フロントシートが標準装備されています。また3ゾーンオートマチックエアコンディショナーが採用されており、これにより最大3ヶ所の空調が別々に調節可能です。

・320i

装備は318iとほぼ変わりはないですが、320iにはスマホ用の充電システムがワイヤレス方式で装備されているのが特徴です。

・320d xDrive

高速道路渋滞アシスト、ACC(アダプティブクルーズコントロール)などの運転支援デバイスが充実しています。

・330i

開閉可能なキドニーグリル、トランスミッションには8速スポーツオートマチックが採用されています。

・330e

出力を上げるエクストラブーストが搭載されています。電気モーターのみでの「ゼロエミッション走行」も可能です。

・M340i xDrive

BMW3シリーズのグレードのなかで、唯一左ハンドルを選択することが可能です。大径Mスポーツ・ブレーキ、アダプティブMサスペンションが採用されていることにより、他のグレードより走行性能がハイレベルといっていいでしょう。

新型BMW 3シリーズ 外装・内装レビュー

7代目の外装や内装はどのような特徴があるのでしょうか。以下より説明しましょう。

外装(エクステリア)

重厚感と洗練さが同居した芸術性の高いデザインが特徴のBMW3シリーズですが、フルモデルチェンジされたことによって、より重量感のある印象となりました。

その理由は、グリルデザインがフレームでふち取られたことによって統一されたためです。それによりフロントフェイスの重厚さが増した仕上がりになりました。

重厚感がありながらもコンパクトな印象もあるのが、7代目のエクステリアの特色です。テールランプがボディサイドまで回り込んだデザインのため、ボディの角がなくなりやわらかいフォルムに仕上がっています。それによりコンパクトでスッキリした見た目を実現させているのです。

高級車のイメージのあるBMWですが、最新のフルモデルチェンジによって、前モデルのエクステリアが持っていた高級感をキープしながら、親しみやすいエクステリアにもなっています。

内装(インテリア)

7代目のインテリアは、過去の伝統に従って車内のあらゆる操作機器が運転手の方に向けられた設計です。ゴージャスなイメージのあるBMWですが、内装は過ごしやすい・運転しやすいことを重点的に考えられた機能的ですっきりとしたシンプルなデザインになっています。

そして、シートはサイドサポートが通常の車より大きく張り出しているのが特徴です。コーナリングの際にもこのサイドサポートのおかげでしっかりと身体を支えてくれます。運転席・助手席ともに、サイドサポートが備え付けられているので安心です。

中央に設置されたディスプレイにはリアカメラ、リバースアシストの画面が映し出される仕組みで、見やすい・操作しやすい設定になっています。

また、AI音声会話システムである「BMWパーソナルアシスタント」も搭載されているので、声がけだけでさまざまな機能を作動させることも可能です。

グレード別のおすすめオプション

7代目のおすすめオプションを紹介しましょう。

グレード名

おすすめオプション名と内容

320i

「プラスパッケージ」

◆17インチ Vスポーク・スタイリング778 アロイ・ホイール

◆ハイグロス・ブラック・インテリア・トリム

◆アンビエント・ライト

◆LEDフォグ・ランプ(フロント)

アロイホイールに加えて室内を上質な雰囲気に変える照明系がセット

320d xDrive

「イノベーションパッケージ」

◆BMWレーザーライト

◆BMWヘッドアップディスプレイ

◆BMWジェスチャーコントロール

レーザーライトの照射距離は標準装備されているLEDライトの2倍。最新のテクノロジーが満載できるパッケージ

330i

「コンフォート・パッケージ」

◆オートマチック・トランク・リッド・オペレーション

◆ストレージ・パッケージ

◆パーキング・アシスト・プラス

トランクルームの自動開閉など、先進的な機能が満載

330e

「ファスト・トラック・パッケージ」

◆19インチ M ライト

◆アロイ・ホイール

◆ダブルスポーク

◆スタイリング791M バイ・カラー

◆アダプティブ M サスペンション

◆バリアブル・スポーツ・ステアリング

受注生産オプション。単体で購入すれば数十万かかるホイールなどが、パッケージだとリーズナブルな価格で購入可能

M340i xDrive

イノベーションパッケージが標準装備

また、上記のパッケージ以外では、電動ガラス・サンルーフ、保護システムであるアクティブ・プロテクションなどもあるので、よく考えてから追加しましょう。

ボディカラー

圧倒的な知名度・ブランド力を誇るBMWにおいて、定番の人気ボディカラーといえば、ホワイトです。BMWといえば、高級感があり上品なイメージのあるホワイトのボディを連想する人は少なくないでしょう。

7代目にフルモデルチェンジされたあともホワイトの人気は不変で、特にアルピンホワイト、ミネラルホワイトはラグジュアリーな雰囲気もあり、多くの人気を集めています。

それ以外だと、ミネラルグレーやドラバイトグレーメタリック、オキサイドグレーといったグレー系とブラックサファイヤなどが手堅い人気です。

少し派手目が好みの人にはシルバー系のグレイシャーシルバーも多くの需要があります。人気ボディカラーのBMWを購入しておけば、売却する際も多くの需要があるので、市場で人気のカラーは何かチェックしておくといいでしょう。

新型BMW 3シリーズ 価格レビュー

7代目の維持費やリセールバリューについて見てみましょう。

維持費

維持費は、固定費(税金、保険)と変動費(ガソリン代、駐車場代、メンテナンス代など)の合計です。各グレードの維持費の相場は以下になります。

グレードの種類

月額の維持費の平均

年間の維持費の平均

318i

約30万円

約360万円

320i

約30万円

約360万円

320d xDrive

約29万円

約350万円

330i

約30万円

約360万円

330e

約30万円

約360万円

M340i xDrive

約32万円

約390万円

以上のように、7代目にかかる維持費は月額で30万円ほどが相場です。これはあくまで相場なので、乗車頻度の高い人は相場以上の維持費がかかるでしょう。

また、環境性能に優れたクルマに対して自動車税、自動車重量税、自動車取得税が軽減されるエコカー優遇制度減税についても注目すべきポイントの一つです。

3シリーズの中ではプラグイン・ハイブリッド車である「330e」がクリーンエネルギー自動車補助金制度の対象となります。

エコカーは購入時、高額なものもありますが、自動車重量税、自動車税などの税金を含めて計算すると、思いのほか負担が少なくなることもあるので、選択肢の一つとして検討されてはいかがでしょうか。

※自治体の補助金制度の有無については、自治体ごとに異なります。また、支給条件等によって対象外となる場合や既に終了していることもある為、必ず各自治体もしくはお近くの販売店に確認をお願いします。

BMW 3シリーズのリセールバリューは高い?

BMW3シリーズは日本にも根強いファンが多く、買取市場でも十分にニーズがある車です。買取相場も安定しているので、安心して買取に出せます。

ただし、他の車種と同様に、年落ちの経過と走行距離によって、その買取価格は変動します。同じグレードでも3年落ちと10年落ちでは、数十万〜100万近く買取価格に差が生じる傾向です。そして、買取査定額が付くのは10年落ちまでで、11年経過すると査定額はほぼ0円になるでしょう。

また、ディーゼル車・ハイブリッド車は買取価格の下降率が激しい傾向を見せることが多いです。

売りに出す際は、年落ちと走行距離を見極めて売りに出しましょう。

総評:全面刷新された、BMW 3シリーズの評価

BMW3シリーズ・フルモデルチェンジ7代目の特徴についてまとめました。

・ボディサイズは前モデルよりひと回り大きく、車内で余裕を持って過ごせる

・出力・トルクはよりパワーアップ

・ディーゼル、ガソリンともにエンジンの性能も前モデルより向上

・新たな標準装備、オプションともに充実

・エクステリア、インテリアともに機能性と美しいビジュアル性が向上

・維持費は、月に30万円ほどで、歴代モデルとほぼ変化なし

以上のように、フルモデルチェンジしたことによって大きな進化を遂げた7代目は、長年のBMWファン、新規の顧客どちらも満足させてくれることでしょう。

BMW/3シリーズ
BMW 3シリーズカタログを見る
新車価格:
574万円1,086万円
中古価格:
30万円826万円

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筆者MOTA編集部

MOTA編集部。編集部員は、自動車雑誌の編集者やフリーランスで活動していた編集者/ライター、撮影も同時にこなす編集ディレクターなど、自動車全般に対して詳しいメンバーが集まっています。

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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