ボルボ 新型V60 徹底解説|見た目はより美しく立派に、しかし同時に実用性も大幅に向上させた王道の”エステート”が誕生(2/2)

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ガソリンと2種類のプラグインハイブリッドを用意しディーゼルは未設定

新型V60は、兄貴分のV90・S90シリーズや、SUVのXC90、XC60などとも共通するモジュラー方式の最新プラットフォームSPAを採用。先進の安全性を確保し、電動化を前提としたパワートレインレイアウトとなっている点が特長だ。

新型V60はまず直列4気筒「DRIVE-E」2リッターガソリン直噴ターボエンジンの「T5」(最高出力254ps/最大トルク350Nm)がFFモデルで日本に先行導入される。JC08モード燃費は12.9km/L。

なおXC60に用意されるD4ディーゼルターボエンジンだが、V60には設定しないとボルボ・カー・ジャパンでは説明。その分V60では2019年春納車で、2種類のプラグインハイブリッド(PHEV)モデル「T6 Twin Engine」と「T8 Twin Engine」をそれぞれ4WDとの組み合わせで導入する(予約受付は2018年9月25日より開始する)。

T6は2リッターガソリン直噴ターボ+スーパーチャージャーエンジンと前後車軸にそれぞれモーターを組み合わせ、システム最高出力はエンジン253ps+モーター87ps、システム最大トルクはエンジン350Nm+モーター240Nmとなっている。T8はそのハイパワー版で、システム最高出力318ps+87ps、システム最大トルク400Nm+240Nmを誇る。認証前のため、発表時点ではまだWLTCモード燃費などは明らかにされていない。

2019年以降、新型車では電動化モデル(EV・PHEV・48Vマイルドハイブリッド)のみのラインナップ展開とすることを宣言し、世界で話題を呼んだボルボだが、その先駆けとなる姿勢を日本ではまずV60で示した格好となった。

サスペンションはフロント:ダブルウィッシュボーン式、リアはマルチリンク式。グラスファイバー複合素材を用いたリーフスプリングの採用は他のSPAプラットフォーム同様のユニークな機構。軽量化とともに荷室容量の拡大にも寄与する点はエステートモデルにとって大きなメリットだ。

オプションでドライブモード選択式FOUR-Cアクティブパフォーマンスシャシーを用意するが、XC60など他のモデルとは異なりエアサスペションではない。同じSPAプラットフォームのXC60や90シリーズに対しては、よりダイナミックな走りの設定だとボルボ・カー・ジャパンでは説明する。

ボルボと言えばまずは”安全”|一覧で見る先進安全・運転支援機能「INTELLISAFE」(インテリセーフ)

ボルボと言えば、なにはなくともまずは”安全”。新型V60も世界初機能を含め、その全ての先進安全装備はグレード差なく標準装備される。ミリ波レーダーと解像度を大幅に上げたカメラ技術を併用し、数々の先進安全・運転支援機能「INTELLISAFE」(インテリセーフ)が用意されている。

INTELLISAFEのラインナップはあまりにも機能が多いので、まず下記にまとめて列記する。

【ボルボ 新型V60に標準装備される先進安全・運転支援機能「INTELLISAFE」】

・City Safety(衝突回避・軽減フルオートブレーキシステム)[歩行者・サイクリスト・大型動物検知機能(夜間含む)/インターセクション・サポート(右折時対向車検知機能)/対向車対応機能/ステアリング・サポート(衝突回避支援機能)]

・オンカミング・レーン・ミディケーション(対向車線衝突回避支援機能)

・全車速追従機能付ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)

・パイロット・アシスト(車線維持支援機能)

・BLIS(ブラインドスポット・インフォメーション・システム)

・LCKA(レーン・チェンジ・マージ・エイド)

・LKA(レーン・キーピング・エイド)

・DAC(ドライバー・アラート・システム)

・オートブレーキ機能付CTA(クロス・トラフィック・アラート)

・RSI(ロード・サイン・インフォメーション)

・ランオフロード・プロテクション(道路逸脱事故時保護機能)/衝撃吸収機能付フロントシート

・ランオフロード・ミティゲーション(道路逸脱回避支援機能)

・被追突時警告機能(静止時オートブレーキ機能付

・フル・アクティブ・ハイビーム(LEDヘッドライト)

・リアビューカメラ

・衝突時ブレーキ保持機能

ひとつひとつの機能までとてもご紹介し切れないのが残念だが、ボルボの先進安全技術については下記の記事で詳細に特集しているので、併せて参照して欲しい。

■関連記事:全てが他社とは別次元の安全思想|ボルボ 先進安全技術の極意をスウェーデン・セーフティ部門ディレクターが語る[セーフティセミナーレポート]

上位モデルの90シリーズや先行発売のXC60発表時のものなども含め、INTELLISAFEの多くは世界初搭載の新機能が多いのが特長だ。しかも単にカタログを賑わすための装備ではもちろんなく、リアルワールドの交通状況化での事故調査などを通じ、世界の衝突安全基準のはるか先を行く設計がなされているのが心強い。もちろん上下のヒエラルキーには関係なく、新型V60には現時点で考えうる最新機能が全て標準装備で盛り込まれているのも賞賛すべき点だ。

当初3つのパワートレインで4つグレードをラインナップ

2018年9月25日の新型V60発表時に用意されるグレードは4つ。

まずT5(2リッター直4ガソリン直噴ターボ/FF)モデルには、ベーシックな「T5 Momentum」(モメンタム/4,990,000円)と上級仕様の「T5 Inscription」(インスクリプション/5,990,000円)の2つを用意。

T5 Momentumでも最新・最先端の安全装備INTELLI SAFE(インテリセーフ)やタッチスクリーン式センターディスプレイやボイスコントロール、HDDナビやオーディオはもちろん標準装備されるし、高級車としての基本的な装備はひと通り取り揃えている。さらに望めば本革シートや電動パノラマガラスルーフのオプション設定もある。

T5 Inscriptionでは本革がさらにランクアップし、より風合いの良いパーフォレーテッド・ファインナッパレザーになる。シート自体もベンチレーション機能やマッサージ機能(前2席のみ)も備わるなど、上位のV90やXC90とも同等の高級仕立てとなる。外装も専用のフロントグリルやクロームのトリムが加わり、ホイールもMomentumの17インチ(225/50R17)に対し18インチ(235/45R18)と拡大される。内装でも流木をイメージしたドリフトウッドのパネルが備わるなど、上質感をさらに増した。オーディオもhaman/kardonプレミアムサウンド・オーディオシステム(600W・14スピーカー・サブウーファー付き)が標準装備されるほか、Bowers&Wilknsプレミアムサウンド・オーディオシステム(1100W・15スピーカー・サブウーファー付き)もオプション選択が可能となる。なおドライブモード選択式FOUR-CアクティブパフォーマンスシャシーもT5 Inscriptionのみでオプション設定出来る。

T6 Twin Engine AWD(2リッター直4ガソリン直噴ターボ+スーパーチャージャー+PHEV/4WD)と、T8 Twin Engine AWD(高出力版2リッター直4ガソリン直噴ターボ+スーパーチャージャー+PHEV/4WD)にそれぞれ「T6 Twin Engine AWD Inscription」(7,490,000円)「T8 Twin Engine AWD Inscription」(8,190,000円)が用意される。なおPHEV2モデルについては2019年春の納車を予定している。

基本的な装備はT5 Momentumに準じるが、他のボルボPHEV車同様に、宝飾品のような美しい仕上げのオレフォス社製クリスタル・シフトノブが備わるほかパノラマ・ガラスサンルーフが標準化されるなど、装備面で一部変更がある。

なおこのあと2019年7月にはT6ツインエンジン車(PHEV)に廉価なMomentumグレードの追加も控えており、電動化モデルのラインナップはさらに拡大する予定だ。

[Text:トクダ トオル(オートックワン編集部)/Photo:島村 栄二/ボルボ・カー・ジャパン]

ボルボ 新型V60 主要スペック

ボルボ 新型V60 主要スペック
グレードT5 InscriptionT6 Twin Engine AWD InscriptionT8 Twin Engine AWD Inscription

価格(消費税込)

599万円

749万円

819万円

全長

4760mm

全幅

1850mm

全高

1435mm

ホイールベース

2870mm

車両重量

1700kg

乗車定員

5名

エンジン

水冷直列4気筒 DOHC ターボ

水冷直列4気筒 DOHC ターボ+スーパーチャージャー

排気量

1968cc

エンジン最高出力

187kW(254PS)/5500rpm

186kW(253PS)/5500rpm

233kW(318PS)/6000rpm

エンジン最大トルク

350N・m(35.7kgf・m)/1500-4800rpm

350N・m(35.7kgf・m)/1700-5000rpm

400N・m(40.8kgf・m)/2200-5400rpm

モーター最高出力

34kW/2500rpm(前)65kW/7000rpm(後)

モーター最大トルク

160N・m/0-2500rpm(前)240N・m/0-3000rpm(後)

燃費(JC08モード)

12.9km/L

駆動方式

2WD(FF)

電子制御AWD(エンジン+モーター)

トランスミッション

8速AT(ギヤトロニック)

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トクダ トオル(MOTA)
筆者トクダ トオル(MOTA)

昭和44年生まれ。週末は愛車に乗って(時に鉄道に乗って)家族とともにドライブやキャンプを楽しむ1児のパパ。自動車メディアに携わるようになってから15年余りが経過。乗り換えに悩むユーザーの目線に立った平易なコンテンツ作りを常に意識し続けている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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