【比較】VW ゴルフ vs ボルボ V40 どっちが買い!?徹底比較(2/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
VW ゴルフ vs ボルボ V40 -インテリア対決-
次に、内装を比べてみよう。
インパネのデザインは対称的だ。ゴルフは水平基調で機能的に仕上げた。基本的なレイアウトは、ほかのVW車、あるいは従来型のゴルフに準じており、代替えしても馴染みやすい。そこを抑えた上で各部を丁寧に仕上げた。
最上級グレードのTSIハイラインには、光沢あるピアノブラックの素材が用いられている。
質感を重視するゴルフに比べて、V40の内装は個性的だ。立体的なデザインで、ドライバーの目の前には大径サイズのメーターを装着。エレガンス/エコ/パフォーマンスの3種類に切り替えられる。
パフォーマンスを選ぶと、円形のメーターの表示が速度からエンジン回転数に変わり、速度はメーターの中央にデジタルで示される。このあたりは伝統を重視するゴルフと、新鮮味を大切にするV40の違いだろう。
フロントシートはどうか。ゴルフのフロントシートはサポート性が良く、かつリラックスできる座り心地だ。サイズに余裕を持たせており、座面もボリューム感がある。TSIハイラインに装着されるアルカンターラのシート生地は一見質感は高いものの、ファブリックに比べて伸縮性が下がる。ゆったりと座るならばファブリックをおすすめしたい。
V40のフロントシートはゴルフに比べて硬めになるが、サポート性はV40が勝る。体をしっかりとホールドして、スポーティな印象だ。
リアシートは、両車ともに3ナンバー車としては足元が狭い。リアシートに座った同乗者の膝先空間は、身長170cmの大人4名が乗車した状態でコブシ1つ半程度。フィットでも握りコブシ2つ少々を確保するから、空間効率に優れた設計ではない。
しかし、両車ともにリアシートの足元は狭めだがフロントシートの下に足が収まりやすいので、実際にリアシートへ座るとそれほど窮屈には感じない。座面の角度も適度で、大腿部が離れにくい。座面は両車ともに硬めで、着座姿勢は安定するが、日本車のリアシートに比べると拘束された感覚が強まる。
頭上空間はゴルフが握りコブシ1つ少々、V40は握りコブシが収まらない。V40はゴルフに比べて全高が20mm低く、天井を後ろに向けて下降させたから、リアシートの頭上が狭まった。加えてサイドウィンドウの下端も高く、閉鎖感が強まる。
VW ゴルフ vs ボルボ V40 -動力性能対決-
動力性能の違いはどうだろうか。
ゴルフが搭載するエンジンは1.2リッターと1.4リッターのターボだ。高性能版としては2リッターターボがあり、「ゴルフ GTI」とさらに高性能な「ゴルフ R」が用意されている。
V40はT4が1.6リッターターボ、T5・Rデザインは、直列5気筒という変則的なレイアウトを持つ2リッターターボを搭載する。
まずはゴルフの「TSIトレンドライン」と「TSIコンフォートライン」が搭載する1.2リッターターボからだが、最高出力は105ps(4,500~5,500rpm)、最大トルクは17.8kg-m(1,400~4,000rpm)になる。
数値は1.8リッターのノーマルエンジンと同等で大人しいが、実用的には十分な性能だ。実用回転域の駆動力に余裕があり、4,000rpmを超えた領域の吹け上がりも満足できる。ATが7速タイプのDSGだから、エンジン性能を有効に活用しており、馴染みやすい運転感覚に仕上げた。
TSIハイラインの1.4リッターターボはけっこうパワフル。
動力性能は140ps(4,500~6,000rpm)/25.5kg-m(1,500~3,500rpm)で、ノーマルタイプに当てはめると2.5リッタークラスに相当する。
発進直後の1,500rpm付近から十分な粘りがあり、4,000rpmを超えた領域では活発に吹け上がる。1.2リッターに比べて幅広い回転域で力強く、高回転域も滑らかだ。
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