「もっともジャストなフォルクスワーゲン」 VW新型ポロが発売開始!|発表会レポート(2/2)
- 筆者: 中込 健太郎
- カメラマン:中込 健太郎
ダウンサイジングされたエンジンによって経済性がアップしたことにも注目
今回のモデルチェンジで皆が気にしていること、それは「3ナンバー化」したことではないだろうか。従来モデルに対して65mm拡大して車幅が1750mmとなり、サイズだけの理由で3ナンバーになる新型ポロ。これは日本の事情であり、国際的に見れば安全性の観点、そしてユーティリティーの観点ではむしろ当然の流れだったと言えるのかもしれない。
けれども、精神的な部分が支配的だろうが、日本においてこのことについて、ユーザーにとってはもちろん、ディーラーで販売する現場、そして今回の導入に際して準備してきたフォルクスワーゲングループジャパン自体、向き合えば何か苦悩のようなものを感じたのではないか。クルマから、発表会からそんな雰囲気を感じないではいられなかったのだ。
しかし、読者の皆さんが同じ気持ちなのであればなおさら乗ってみてほしい。そもそも1750mmは、物理的に受け入れられない人を除けば今や決して幅広い部類ではない。また、取り回しに不安があるという人には、運転席からの視界の良さは従来モデルに勝るとも劣らないということをお伝えせねばならない。
さらに言えば、少し大きくなった新型ポロで入っていくのを躊躇する場所は、おそらく従来型のポロでも、そして軽自動車であっても進入をためらう場所であり、ひいては進入すべきでない場所だろう。
3ナンバーでことさら大型化したように感じるが、税金は従来モデルよりむしろワンランク軽減されている点もぜひ注目してほしい。従来型は1197cc4気筒エンジンを搭載していたので税制上は1500cc未満の区分だったが、今回のポロは999cc3気筒エンジンで1000cc未満に属すのだ。実燃費の向上と合わせて、実は多くのユーザーにとって維持費の面でもメリットが増える点は強調しておきたいところだ。
新型ポロはコンパクトカーの新たなスタンダードを作り出した!
スペック面で特筆すべきは後席の座面長の長さだ。発表会に先駆けて少しだけ新型ポロに試乗させていただくことができた。3気筒のネガティブをしっかり対応している洗練さを増した軽快な走りにもまして、身長178センチの筆者にとっても近年乗ったコンパクトカーでは出色(しゅっしょく)の、納まりの良い後席居心地の良さ、足元のゆとりに感心したものだ。試しに後席の座面長を図ったところ46センチあった。ここが短いととても長距離のドライブには耐えられないが、このくらいあると長距離の移動でその違いはしっかりと現れるのではないだろうか。
全長こそ短いが、トランク容量も含め、ゴルフ4を超えたという新型ポロ。新型ポロであるという以上に、「一番ジャストなフォルクスワーゲン」そんなチョイスが新型ポロなのではないだろうか。
ティルシェア社長は発表会の中で「MQBの採用で快適性、デザイン、コネクティビティなど、あらゆる面において大きな進化を遂げた。日本においてもクラスを超えた新しいベンチマークになると確信している。」と語った。
国内での新車の販売価格は総じて上昇している今、輸入車の存在自体も格段に身近になったと言ってもよいだろう。加えて決して特別高価なクルマを買うという価格帯でも無くなった新型ポロ。その走り、使い勝手、安全性と合わせて「ジャストなフォルクスワーゲン」がもしかすると多くのユーザーにとっての「ジャストなわたしの一台」である可能性が強い一台だ。
フォルクスワーゲンのみならずクルマの今とこれからのスタンダードが詰まった新しいポロ。まずは試乗されることを強くお勧めしたい。
[Photo&レポート:中込 健太郎]
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