日本カー・オブ・ザ・イヤー2020-2021が決定! 選考委員はどのクルマを評価した!? トヨタ ヤリス編

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第41回日本カー・オブ・ザ・イヤー2020-2021が、2020年12月7日(月)に発表された。自動車評論家、ジャーナリスト、有識者からなる60名の選考委員の選考によりイヤーカーに決まったのはスバルのレヴォーグ! しかしそれ以外のクルマに票を投じる人も多かった。各選考委員はどのような理由で投票に臨んだのか、直接聞いてみた! 今回はトヨタ ヤリス編だ。

3つの個性が強過ぎ! ヤリスファミリーの3台を写真でもっと見る[画像62枚]

目次[開く][閉じる]
  1. レヴォーグ以外に最高得点を投じた選考委員のコメントを紹介
  2. トヨタ ヤリスに最高得点を入れた選考委員はどこを評価したのか
  3. 2020年のクルマ業界についてCOTY選考委員たちに訊く

レヴォーグ以外に最高得点を投じた選考委員のコメントを紹介

三つ巴の戦いとなったトヨタ ヤリス

第41回日本カー・オブ・ザ・イヤー2020-2021に選ばれたスバル レヴォーグは、全60名の選考委員から合計437票を獲得し1位。2位は、320票のホンダ フィットだった。そして3位はトヨタのヤリス/ヤリスクロス/GRヤリスが300票となった。レヴォーグ、フィット同様に、ヤリスファミリーにも最高得点の10点の票を投じた選考委員は多かった。

12月7日に行われた最終選考会(表彰式)だが、今年2020年は新型コロナウィルス感染拡大防止対策としてオンラインでの開催となった。例年なら会場に集まる選考委員の方々への直撃インタビューができなかったため、今回は投票直前の11月25日に行われた10ベストカーの最終試乗会会場などに訪れていた選考委員へお話を伺い、投票理由などをまとめてみた。

▼そもそも日本カー・オブ・ザ・イヤーってどうやって決まる!? 詳しく見てみる▼

トヨタ ヤリスに最高得点を入れた選考委員はどこを評価したのか

ヤリスに最高得点を投じた自動車評論家の国沢光宏さんとモータージャーナリストの今井優杏さんに、それぞれその理由を伺った。またこのほかにも票を投じた各車のことについても語ってくれた。

▼こちらも併せてチェック! 選考委員がホンダ フィット&プジョー 208を選んだ理由とは▼

国沢光宏さんのコメント

「私が10点を入れたのは、スバル レヴォーグ…ではなくトヨタ ヤリスシリーズでした。

そのほかでは、燃費規制など全く関係のないランドローバー ディスカバリーが素敵でした。やはり日本車は燃費規制に左右されますが、輸入車は何でもありなのでその点はうらやましいです。

電気自動車のプジョー e-208もなかなかよくできていて、もう少しじっくり乗ってみたかった気がします。

ヤリスシリーズの中でも、特にGRヤリスについては皆さんの中で評価が分かれているようです。しかしあまり乗っていないと言うだけで、GRヤリスの評価が思いのほか低いのはとても残念です。世界の自動車が電動化へ向かう中で、おそらくは純粋なガソリンエンジンによる最後のスポーツモデルになりそうなGRヤリスが登場したことを、高く評価しています。」

今井優杏さんのコメント

「コロナ禍で世の中の景気が落ち込む中でも、キャラの違うクルマを3台どんどんラインナップさせ、クルマ好きをワクワクさせてくれたこと。そして3台がそれぞれどれも本当に『良い車』だったこと!

素のヤリスのプラットフォームの良さ、ヤリスクロスのフレキシブルな荷室、そして世界と戦えるスポーツ四駆GRヤリスの、生産まで変えたクルマづくりへの情熱・・・どれも暗い世の中を明るくするパワーを持っている、今年の一台にふさわしいクルマだと思いました。」

「他に気になったのはやっぱりレヴォーグ。圧倒的進化に驚きました。走りの質感だけでなく、内装の質感の向上やアイサイトXも拡張され、商品力の高い一台だと思います。

また、10ベストカーには2台のみのノミネートでしたが、いよいよ電気自動車が市販車に落とし込まれてきた実感があります。昨年のメルセデス・ベンツ EQC、今年のプジョー e-208、アウディ e-tron Sportback、そして10ベストには入りませんでしたがホンダ eと、これだけ続けば大ラッシュと言ってもいいかも。これから10年のロードマップを決める時代に突入してきた感アリアリでワクワクしますね。」

2020年のクルマ業界についてCOTY選考委員たちに訊く

コロナ禍の猛威が世界中に影響を与えた2020年。今年を振り返ってみて改めて感じたトピックスについても各選考委員たちに伺った。

自動車研究家の山本シンヤさんは日本車の進化、自動車ライターの嶋田智之さんはCOTYの新たなルール変更について、そしてフリーアナウンサーの安東弘樹さんは今年のトレンドともいえるEVに関する話題を、それぞれ挙げてくれた。

山本シンヤさんが考える2020年のトピックス

「今年2020年は、日本車の進化について挙げたいところです。安い、燃費がいいだけでなく、クルマとして『いいね!!』と言うクルマが多かったと思います。個人的には10ベストカー以外のモデルも豊作で、1989年※以来の日本車ヴィンテージイヤーだったような気がしています。年内に正式発売される予定(12月9日に正式発売)のトヨタ MIRAIなども今年記憶に留めたい期待の1台です。」

※1989年はバブル景気の真っただ中で、トヨタ セルシオやユーノス ロードスター、日産 スカイラインGT-R(R32)といった、日本のみならず世界にも影響を与えるほどの名車が次々と登場した

嶋田智之さんが考える2020年のトピックス

「今回から年間生産台数500台以上というノミネート対象車のレギュレーションが変更になり、アルピナ(BMW ALPINA B3)が初めてエントリーしてきたことは大きなトピックです。もちろんベースのBMW 3シリーズそのものが素晴らしいという大前提はありますが、それでもビスポーク・ブランドのような少量生産メーカーならではの細かく丁寧な磨き上げが効いて、B3は驚異的に魅力的なスポーツ・サルーン/スポーツ・ワゴンに仕上げられていました。

これをきっかけにして、これから生産台数は少ないけれど説得力の高いクルマのエントリーが増えることになっていくのかもしれません。そうなると、日本カー・オブ・ザ・イヤーはもっともっとおもしろくなっていくのかもしれませんね。投票にまつわる悩みはますます増大するのだろうけど…。」

安東弘樹さんが考える2020年のトピックス

「2020年は『日本以外』の先進国、特にヨーロッパでは完全にEVシフトが始まった年だったと言えるでしょう。ノルウェーでは11月時点で新車販売の50%以上が純EVになり(PHEV含めると80%弱)、他のヨーロッパ諸国でも最低でも二桁以上の割合になっており、その急速な変革に驚きました。

日本では充電環境や国の電力供給を火力に頼っている事等から、同じロジックでは語れませんが、どれだけ進むか、進むべきか注視していきたいと思います。」

嶋田智之さんのコメント

そして最後に、嶋田智之さんは2020年の日本カー・オブ・ザ・イヤーをこのように総括してくれた。

「私自身はフィットに10点を投じましたが、1台に必ず10点を投じなきゃならないレギュレーションだからそうしたわけで、実際には数字の数ほど差があると考えてたわけじゃありません。特に小型ハッチバックモデルの真打ちともいうべきプジョー 208シリーズとは最後の最後までどちらを10点とするか悩み込んで、最終的にコスパでホンダ フィットを選んだという経緯もあります。スバル レヴォーグの完成度の高さにも驚かされたし、トヨタ ヤリスシリーズの総合力に飲み込まれそうにもなったし、ランドローバー ディフェンダーのライフスタイルをガラッと変えたくなるような存在としての楽しさにも気持ちを持っていかれました。

というか、印象的だからこそ10ベストカーに残ったわけで、1台1台のすべてが大きな美点を感じさせてくれたのです。

今年は新型コロナウイルスのおかげで自動車業界大小様々な問題に直面しましたが、そんな中でもこんなに悩ませてくれるクルマ達が勢揃いしたことを、何よりも心から喜びたいところです。」

第41回 日本カー・オブ・ザ・イヤー2020-2021 各賞 受賞車

■日本カー・オブ・ザ・イヤー:スバル レヴォーグ

■インポート・カー・オブ・ザ・イヤー:プジョー 208/e-208

■デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー:マツダ MX-30

■テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー:アウディ e-tron Sportback

■パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤー:アルピナ BMW ALPINA B3

■K CAR オブ・ザ・イヤー:ニッサン ルークス/ミツビシ eKクロス スペース/eKスペース

[インタビューまとめ:トクダトオル(MOTA編集部)]

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▼惜しくも2020-2021 日本カー・オブ・ザ・イヤーを逃したフィットとヤリスを動画でチェック!▼

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筆者トクダ トオル(MOTA)

昭和44年生まれ。週末は愛車に乗って(時に鉄道に乗って)家族とともにドライブやキャンプを楽しむ1児のパパ。自動車メディアに携わるようになってから15年余りが経過。乗り換えに悩むユーザーの目線に立った平易なコンテンツ作りを常に意識し続けている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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