プリウスの年間販売台数1位がほぼ確実に/松下宏のコラム
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:茂呂幸正/原田淳
プリウスの年間販売台数1位がほぼ確実に/松下宏のコラム
11月の新車販売ランキングも、引き続きプリウスの独走となった。
10月に続いて27,000台近い台数を登録しており、1月からの累計ではまだワゴンRに4,000台ほど及ばないが、このところ毎月1万台以上の差を付けていることから考えると、12月に逆転して年間販売でも首位に立つのは確実になった。
軽自動車ではなく、登録車が年間販売の首位に立つのは何年振りになるのか。かなり年数を遡らないといけないくらいに、久し振りのことだ。
それほど、プリウスは良く売れている。トヨタの全チャンネルで販売しているとはいえ、化け物のような売れ行きだ。2位はフィットで、プリウスに1万台近い差を付けられている。
フィット自体は、マイナーチェンジの効果もあって、前年に比べ65%もの大幅な伸びを記録しているのだが、それでもプリウスには大きく及ばなかった。
3位はワゴンRで、さらにムーヴ、ヴィッツと続き、上位5車種は10月と同じ順位になった。
6位にはカローラが前月の11位から大幅にランクアップ。軽自動車を含めてのランキングとはいえ、カローラがベスト10から外れるのが異常な事態であり、これくらいは確保して当然だ。
7位、8位は、タントとミラが安定した売れ行きを見せてランクインし、ここまでが1万台を超える台数を販売したモデル。また、台数は1万台に届かなかったものの、インサイトも健闘して9位に入った。インサイトは、販売目標台数を大きく上回っている。
さらに、特別仕様車などの設定が効果を発揮したのか、セレナが10位に滑り込んでいる。セレナはすでにモデル末期が近いが、新型になったばかりのステップワゴンをも大きく上回っており、意外と良く売れている印象だ。
11位から20位ではフリード、ヴォクシー、ステップワゴン、ヴェルファイア、ノアと、さまざまなミニバンが入っていることに注目。これらのミニバンは、エコカー減税が適用されるので、それが追い風になった面もある。
21位から30位もミニバンかコンパクトカーが多いが、28位と29位にはマークXとプレミオが入っている。
新型になったばかりのマークXは、目標を上回る4,038台を登録したが、売れ行きの8割近くがリラックスセレクション装着車とのこと。エコカー減税が適用されるのはこの仕様だけなので、人気が集中するのが当然といえば当然だが、ベース車に対して燃費が悪くなるというのに、減税対象になるというのが分かりにくいところ。
メーカー別の販売台数を見ると、トヨタがプリウスの好調に加えて他の車種も良く売れたため、147,513台と登録車全体の半分以上を占める結果となった。
トヨタブランドだけでシェアが50.2%に達しており、レクサスブランドを加えるとシェアはさらに高まる。
軽自動車を含めれば数字的には大きく下がるものの、不況からの立ち直り気配が見えてきた中で、素早く立ち直るのはやはりトヨタということになる。
これまでも、自動車販売に大きな波があったときには、必ずトヨタがシェアの拡大を果たしてきたが、今回もそうした過去の事例と同じような結果になっている。
登録車でのシェア50%超が、直ちに独占禁止法に抵触して会社分割なんて話になることはないだろうが・・・。
■ 11月の新車販売ベスト30
1位:プリウス 26,815台 / 2位:フィット 17,178台 / 3位:ワゴンR 13,704台
4位:ムーヴ 13,517台 / 5位:ヴィッツ 13,429台 / 6位:カローラ 11,193台
7位:タント 10,507台 / 8位:ミラ 10,285台 / 9位:インサイト 9,412台
10位:セレナ 9,331台 / 11位:フリード 9,239台 / 12位:パッソ 8,684台
13位:ヴォクシー 8,198台 / 14位:パレット 7,550台 / 15位:ステップワゴン 7,501台
16位:アルト 6,912台 / 17位:ラクティス 6,739台 / 18位:ヴェルファイア 6,358台
19位:ライフ 5,943台 / 20位:ノア 5,845台 / 21位:ウィッシュ 5,750台
22位:ノート 5,438台 / 23位:キューブ 5,380台 / 24位:エスティマ 5,205台
25位:ティーダ 4,836台 / 26位:モコ 4,274台 / 27位:デミオ 4,157台
28位:マークX 4,038台 / 29位:プレミオ 3,825台 / 30位:アルファード 3,803台
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