日本版コンシューマレポート-トヨタ アクア ユーザー試乗レビュー-(2/5)
- 筆者: 桃田 健史
「納期」か、「価格」か。
買いたくても買えない、のかもしれない。
本稿の冒頭ご紹介したように、現在の「アクア」は新車6ヶ月待ちなのだから。「500人アンケート」では「納期をどのくらい待てるか?」と聞いている。
その回答は、以下の通りだ。
このように、現在の納期“6ヶ月”以上待てると答えた人は22.5%に過ぎない。
ただし、発売直後の2011年12月末~2012年1月上旬時点では、納期は3ヶ月程度だった。そのため、実際にディーラーに出向いた時点で、納期6ヶ月以上を渋々納得するひとの数も増えていると思われる。
納期について、前述のトヨタカローラ栃木・林さんは
「(3月2日時点で)納期は8月後半です。納期を気にするお客様はかなり多いです。車検がもうすぐ切れるので買い換えたい、という方も多いので。その場合弊社では、『パッソ』や『ラクティス』などを『アクア』の代わりとしてお勧めしています」
という。価格について、500人アンケートの結果は以下の通り。
169万円からという、ハイブリッド車としては低価格が自慢の「アクア」。
ただし、筆者がユーザーの立場として訪問した別のトヨタディーラーで実際に聞いてみると、カーナビなどのオプションをつけたりするとそれなりに値段が上がり、値引きもないので、15万円程度の値引きのあるプリウスとの差が少なくなる、とのこと。
ただ、「プリウスを買いに来て、実物は車幅が結構大きくて運転が大変そうかも、と感じられる方もいて。そうした方は『アクア』に興味を示してくれます」(トヨタカローラ栃木・林さん)
コンシューマレポートでは「試乗後、アクアを購入しない」と思った人でも、納期、価格に関して、以下のコメントがあった。
アクア 価格・納期に関してのコメント
・人気で納車が7月以降とのことであきらめた。魅力的なオプションが多く、欲しいものをつけると思ったよりも金額が高くなった(山口県 fami1002さん)
・オプションをつけていくと価格がプリウス並になってしまうから(福井県 ヒガシタニさん)
・試乗車が来た日にディーラーに行ったのですがカタログは欠品しており、納車は半年以上待ちで値引きゼロと言われ超強気だった。試乗車の平均燃費は20キロを切っており多分プリウスと燃費はほとんど変わらず後席はかなり狭い。値引きも含めるとどのコンパクトカーよりもコスパが悪い。でも売れるんでしょうねぇ(福岡県 はるさん)
「男女比の差」?「年齢の差」?
コンシューマレポートのアンケートの方が、「500人アンケート」より女性比率が倍近く多い。ということは、女性より男性の方が購入意識が高いのか?
ところが、筆者がユーザーの立場として首都圏のとあるディーラーで直接聞いたところ、「女性客が極めて多い」という答えだった。しかも「夫婦やカップルで来ても、購入の最終判断は女性」とか「旦那さんが買っても、普段乗っているのはほとんど奥さんになるようだ」ということだった。
トヨタカローラ栃木・林さんは「女性は確かに多いです。ご夫婦やご家族連れだけでなく、女性一人で来店する方もいます」という。
つまり、今回オートックワンが行なった2つのアンケートは、結果的に男性中心となっていて、現時点での実購入層の女性層の意見と、違いがあるおそれがある。そうなると、アンケートの結果自体が実売に結びつかないように思われてしまうかもしれない。だが、アンケートの結果も現実なのだ。
さらに、今回は現場の声の収集数は少なく、全国各所の現場で多様な状況があるのかもしれない。そうした「現実」を踏まえた上で、現場の声とウェブの声とのギャップを十分に承知した上で、この後、ウェブ上データの現実を深堀していきたい。
では、年齢はどうか?
コンシューマレポートのアンケートでは、40代が「41.2%」と一番多い。500人アンケートでも40代が「41.6%」で、50代も「24.8%」と多い。
ところが、筆者がユーザーの立場としてディーラーで聞いてみると「30代のお客さんが多い」という。またトヨタカローラ栃木・林さんは「60歳以上のご年配の方も多いですし。中年の方も多いです。お客様の幅はとても広いと思います」とも言う。
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