3輪モーターサイクル「カンナムライカー」公道試乗｜“新感覚”の乗り物が持つ実力とは(2/2)
- 筆者： 岡本 幸一郎
- カメラマン：和田 清志
バイクのような感覚で“安全”に乗れる3輪モーターサイクル
試乗したのは、より刺激的なライディングを楽しめるというライカー ラリーエディションのほうだ。筆者は大型自動二輪免許も保有しているほどで、若い頃はバイクで走り回っていたものだが、最近ではすっかりご無沙汰。
そんな筆者にとってもかつてを思い出すバイク的なライディング感覚を、クルマのように安定した中で味わえるというのは他にはない。
簡単に乗れて、加速性能も高い
今回は、他のメディアと合同の隊列走行での試乗となったがライカー 900の加速性能は、かなり期待できそうなものを持っていることが伺えた。右手を軽くひねると、けっこうな瞬発力だ。
一方で、エンジンサウンドは意外と静か。見た目からすると、もっと音が出そうな気がしたのだが、そうでもなかったということは、ごく普通に使って欲しいという配慮なのだろう。
またCVTの採用によりギアチェンジが不要となったのもありがたい。逆にCVTを物足りなく感じる人もいるだろうが、よりイージーに乗れることには違いない。
運転感覚はクルマ寄り？ 安全装備は全車標準装備
コーナリングの感覚は、バイクとはまったく違ってリーンさせるのではなく、あくまでハンドルを切って曲がっていくことになり、Gのかかり方もクルマと同じように横Gで体が持っていかれる感じ。ハンドルは押すよりも引いたほうが操作しやすい。
前作のスパイダーに比べると、車両重量が圧倒的に軽く重心が低いおかげでハンドリング性能が向上していて、身のこなしがずっと軽やかなのもライカーならではの特長と言える。もっと攻めた走り方をしても、しっかり応えてくれることに違いない。
さらに足まわりにはストローク感があり、乗り心地が意外なほど快適であることにも感心した。走りながらフロントサスペンションの動く様子が視野に入るのだが、路面にしなやかに追従しているのがよくわかる。
ブレーキはバイクのように前後が分かれていなくて、右手のアクセルスロットルの前方には何もなく、クルマと同じように右足のフットブレーキ操作のみで3輪すべてにブレーキがかかる。
スタビリティコントロール、トラクションコントロール、ABSで構成されるビークルスタビリティシステムが全車に標準装備されるのも心強い。
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価格もライカー 600が135万9000円、ライカー 900が159万9000円、ライカー ラリーエディションが176万4000円と、スパイダーよりもだいぶ控えめとなっており、BRPジャパンではライカーを若い人や女性など、より幅広い層の人に体験して欲しいとしている。とにかくこんなに楽しい乗り物があることを、ぜひ多くの人に知らせたい。
※いずれも消費税込み
[筆者：岡本 幸一郎/撮影：和田 清志]
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