e-POWERの搭載により国産乗用車トップレベル低燃費を実現した日産 新型ノートを徹底解説!(1/2)

e-POWERの搭載により国産乗用車トップレベル低燃費を実現した日産 新型ノートを徹底解説!
日産 ノート/2016年11月マイナーチェンジモデル 日産 ノート/2016年11月マイナーチェンジモデル 日産 ノート/2016年11月マイナーチェンジモデル 日産 ノート/2016年11月マイナーチェンジモデル 日産 ノート/2016年11月マイナーチェンジモデル 日産 ノート/2016年11月マイナーチェンジモデル 日産 ノート/2016年11月マイナーチェンジモデル 日産 ノート/2016年11月マイナーチェンジモデル 日産 ノート/2016年11月マイナーチェンジモデル 日産 ノート/2016年11月マイナーチェンジモデル 日産 ノート/2016年11月マイナーチェンジモデル 画像ギャラリーはこちら

ハイブリッド仕様の“e-POWER”により、ノートも国産乗用車トップレベルの低燃費を達成

日産 ノート/2016年11月マイナーチェンジモデル・10月24日に開催されたラインオフ式

今の日本車で売れ行きが好調なカテゴリーは、軽自動車を除いた小型&普通車ではコンパクトカーになる。居住性、走行性能、安全装備などが進化して、以前に比べると不満を感じにくい。

装備やメカニズムの充実によって、カテゴリーを問わずクルマの価格が全般的に高まった事情もある。以前はホンダ アコードなど1.8リッタークラスのミドルサイズセダンが180万円前後で買えたが、今は200万円以下のセダンは少数に限られる。

クルマの価格が高まる一方で、日本人の平均所得は1990年代の中盤をピークに一貫して下がり続けているから、小さなクルマに代替えする「ダウンサイジング」が生じるのは当然だ。

日産 ノート/2016年11月マイナーチェンジモデル・10月24日に開催されたラインオフ式

この市場動向からも注目されるのが、2016年11月2日に発売された日産 ノートe-POWER。ノートのハイブリッド仕様で、JC08モード燃費は、売れ筋のe-POWER・Xと同メダリストが34km/L、軽量化を図って数値を向上させたe-POWER・Sが37.2km/Lになる。

ちなみにトヨタ プリウスの燃費は、ミドルサイズの3ナンバー車でありながら売れ筋グレードが37.2km/L、燃費スペシャル的なEは40.8km/Lだ。トヨタ アクアは全グレードが37km/L。ホンダ フィットハイブリッドは売れ筋グレードが33.6km/Lになる。

トヨタ プリウスの優れた燃費効率は別格だが、ノートe-POWERも国産乗用車ではトップレベルの低燃費を達成した。

直列3気筒1.2Lのガソリンエンジンに、リーフと共通のモーター・インバーターを搭載

日産 ノート/2016年11月マイナーチェンジモデル・10月24日に開催されたラインオフ式

ノートe-POWERのパワーユニットは、直列3気筒1.2Lのガソリンエンジンがベースになる。これと発電機、直流電流を交流に変換してモーターの出力を制御するインバーター、駆動用モーターなどで成り立つ。

そしてノートe-POWERの作動は、エンジンの力で発電機を作動させ、生み出された電気を1.5kWhのリチウムイオン電池に蓄えてモーターを駆動するものだ。

日産 ノート/2016年11月マイナーチェンジモデル

アクセルペダルを踏み増した負荷の大きな時は、発電機からインバーターに電気を直接送ることもあるが(同時に通常通り駆動用電池からも供給する)、トヨタのハイブリッドやホンダの1.5Lモデルとは違って、エンジンがホイールを直接駆動することはない。駆動を担当するのはモーターだけだ。

この方式では、エンジンは発電機の作動、モーターはホイールの駆動と役割を明確に分担するため、効率を高められる。エンジンは発電に専念できるから、加減速や負荷の変化に影響されにくく、効率の良い回転域を保てる。その分だけ燃料の消費量も抑えられるわけだ。

日産 ノート/2016年11月マイナーチェンジモデル

モーターとインバーターはリーフと共通化した。大雑把にいえば、リーフが搭載する24kWh/30kWhの駆動用リチウムイオン電池と充電機能を、1.2リッターのガソリンエンジンと1.5kWhのリチウムイオン電池に変更したのがe-POWERユニットと考えれば良い。

従って駆動用モーターの最高出力は109馬力、最大トルクは25.9kg-mとなり、動力性能はリーフと同程度。車両重量はe-POWER・Xが1210kgだから、リーフX(24kWh)に比べて230kg軽い。

動力性能はリーフでも十分と感じさせるから、ノートe-POWERはさらにパワフルになる。

アクセル操作だけで速度調整が幅広く行え、ブレーキペダルヘの踏み換え回数は約70%減

日産 ノート/2016年11月マイナーチェンジモデル

走行モードの切り替え機能も備わる。丸型のATレバーには通常の走行で使うDレンジと、アクセルペダルを戻した時の回生(駆動用モーターで発電して駆動用電池に蓄える)と減速力が強まるBレンジを設定した。

さらにスイッチ操作で、ノーマル/S/ECOの走行モードを切り替えられる。Sモードでは加速が力強く、アクセルペダルを戻した時の回生と減速力も、ノーマルモードのBレンジ以上に高い。

ECOモードは加速を穏やかにして電力消費を抑え、アクセルを戻した時の回生と減速力はSモードと同様に強い。

そしてS/ECOモードでは、回生と減速力が強いので、アクセル操作だけで速度調節が幅広く行える。

日産 ノート/2016年11月マイナーチェンジモデル

例えば信号で止まる時、通常のクルマではアクセルペダルを完全に戻し、ブレーキペダルを踏んで停車する。それがe-POWERでは、アクセルペダルを戻しただけで大きな減速力(最大では通常のエンジンブレーキの約3倍)が働くから、ブレーキペダルへの踏み換え操作は停止寸前に行う感覚だ。

アクセル操作をデリケートに行う必要はあるが、慣れると運転しやすく、減速エネルギーを熱に変換して大気に放出するディスク/ドラムブレーキをほとんど使わないから効率が高い。ブレーキパッドの摩耗も抑えられる。市街地走行を想定したテストデータによると、ブレーキペダルの踏み換え回数が約70%減ったという。

安全確保のために、減速度が0.1Gを超えると、フットブレーキを使わなくてもブレーキランプが点灯する。なお同様の運転は、三菱 アウトランダーPHEVやBMW i3などでも可能だ。

エンジンが発電機を作動させ、モーターを駆動して走るe-POWERの機能は、シリーズハイブリッドに位置付けられる。日本車ではホンダ アコード/オデッセイハイブリッド、三菱 アウトランダーPHEVが同様の方式になる。

この3車種では、高速巡航時には効率を高めるためにエンジンがホイールを直接駆動する場面もあるが(直結式でトランスミッションは備わらない)、e-POWERはこの機能を省いた。直接駆動を設けると燃費は向上するが、価格も高まるからだ。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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