廉価版追加で価格を大幅値下げ!日産 リーフ 新型車解説 [2012年マイナーチェンジモデル](2/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
電費に大きな影響を及ぼす「ヒーター」もメカニズムを一新
「G」と「X」ではヒーターも改善された。
ヒーターの使用に伴う電力消費量の増加が解決すべき課題になっていたからだ。ちなみに従来型のリーフでは、カタログに記載されるJC08モード走行による航続可能距離は200kmだが、都市部を中心に試乗したところ、安心して走れる距離は140km前後。ヒーターを使うと100kmくらいまで短縮されてしまう。電費が30%も悪化するのだから効率は悪い。
電気の消費量が増える理由は「PTCヒーター」にあった。
電気湯沸し器で温水を作り、その熱を使って車内に温風を送る。温水を使うことはエンジン車と同じだが、モーターはエンジンと違って発熱量が少ない。わざわざヒーターで温水を作るから電費が悪くなる。なのでメカニズムを一新させ、新しいヒーターは「ヒートポンプ式」。コンプレッサーによる圧縮を利用して熱を作り出す。
家庭用のエアコンには冷房と併せて暖房の機能もあるが、基本的には同じ仕組みと考えれば良い。
冷暖房の効率を高めるために、遮熱天井も採用。ルーフパネルと内張りの間にアルミ製のフィルムを挟み、車内の暖気や冷気が車外に逃げにくくした。このほか、普通充電を行っている時に充電ポートとコネクターをロックする機能を設けたり、充電ポートに照明を装着するなど使い勝手を向上させている。
外観では、専用デザインの17インチアルミホイールなどを加えた。
最廉価の「S」グレードが新たに加わる
グレード構成の変更にも注目したい。
従来型では上級の「G」とベーシックな「X」という2種類だったが、マイナーチェンジ後は「G」「X」「S」の3グレードになった。
グレード名 | 新価格(税込) |
---|---|
リーフ S(最廉価) | 3,349,500円 |
リーフ X | 3,757,950円 |
リーフ G | 3,684,450円 |
注意したいのは、以前は標準装着されていたいくつかの装備がオプション設定に変わっていることだ。最も目立つのはサイド&カーテンエアバッグ。マイナーチェンジ後は、「X」の場合で7万3,500円の上乗せになる。「X」ではアルミホイールなども標準装着ではなくなった。
「X」のサイドエアバッグ装着車の価格は375万7,950円。従来型とほぼ同額だが、装備内容が違う。
その代わり、前述のような数々の改善が施され、燃費性能、動力性能、ヒーター使用時の航続可能距離と燃費、充電する時の使い勝手や安心感を高めている。新たに加わった最廉価の「S」は、「G」や「X」と違ってカーナビが非装着。ヒートポンプシステム、ATのBレンジとステアリングのECOモードなどもセットされない。
その分だけ価格が安く、サイド&カーテンエアバッグを装着して334万9,500円だ。
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