トヨタ・日産・ホンダ・スバルの“4大ワークス”が手がけたチューニングカーを試乗!|vol.2 日産 NISMO/ホンダ 無限(1/3)

日本の“ニュル”でワークスチューナー4社合同試乗!

トヨタの“TRD”、日産の“NISMO”、スバルの“STI”、ホンダの“無限”のワークスチューナーの面白い所は、モータースポーツ活動ではライバルだが、ナンバー付のストリートモデル用ビジネスはノーマルモデルに紐付くため、商売上ではライバル関係ではないと言う。そのため、4社合同によるイベント開催などの協力関係が築けるそうだ。

日本の“ニュル”と呼ばれる群馬サイクルスポーツセンターで開催されたワークスチューナー4社合同による試乗会が開催されたが、前回のTRD&STIに続いて、今回はNISMOと無限をお届けしたいと思う。

vol.1 トヨタ TRD/スバル STI編

NISMOが開発を行なう、よりマニア層に向けたアイテム

日産のワークス部隊である“NISMO”だが、2013年にスタートしたニスモの新コンプリートカーのNISMOロードカーは「ニスモの魅力をより多くの人へ」、「日産車に更なるワクワクを」と言うコンセプトで、限定発売ではなく通常販売、そしてグローバル展開を行なうが、開発はオーテックジャパン内にあるNISMOビジネスオフィスが担当。

その一方、ここで紹介する「NISMOスポーツパーツ」は、神奈川県の鶴見に本社を置くNISMO社が開発を行なう、よりマニア層に向けたアイテムで、機能性重視でスポーツ性をより引き上げるパーツが多い。

今回はノートe-POWER NISMOとR35 GT-R、そしてエクストレイルの3台だ。

“RS”と呼びたいノートe-POWER NISMO

ノートe-POWER NISMOは、走りのバランスの良さに「これがノーマルだったらいいのに」と思う仕上がりだが、昔のNISMOを知る人にとっては、もう少しピリッとしたスパイスが欲しいのも事実。そこで量産の域を超え、ミニサーキットまで視野に入れた本格的なチューニングが施されている。

パワートレイン本体はノーマルだが、現在開発中のECUチューニング「NISMOスポーツリセッティング」によりノーマルよりスポーティな特性に変更。特にスポーツ走行向けにセットアップされたSモードではシャープな加速感はもちろん回生特性も変更され、1ペダルドライブをより活かす制御だ。

フットワークはこちらも開発中となるサーキットユースを踏まえた「オーリンズ製スポーツサスペンション(NISMOオリジナルセット)」と205/45R17サイズのミシュランパイロットスポーツ4+ノートNISMO S用純正アルミホイールの組み合わせだ。

パワートレインはノーマルに対してスタートダッシュからの加速はノーマルより鋭くなっており、そこから時速120キロくらいまで続くシームレスで爽快な加速感はスポーツユニットと呼んでもいいくらいの気持ち良さを持っている。電動化パワートレインは制御一つで様々な性格に変貌することを実感した。

フットワークはフロントの重さを感じさせない前後バランスの良さと無駄な姿勢変化が抑えられているのが印象的。ミシュランパイロットスポーツ4とのマッチングも非常によく面白いくらいグイグイ曲がる上にコーナリングスピードも高い。ノーマルよりも大きくローダウンしながらもストローク感が非常に高くしなやかに路面を捉えてくれるので、路面状況の悪い“群サイ”(群馬サイクルスポーツセンター)でも手に汗握ることなく思いっきり走らせることができた。

スポーツリセッティングで回生特性が強められているため、1ペダルでリズミカルに走れてしまうのはもちろん、減速時も荷重コントロールがしやすいのでクルマの姿勢作りもしやすい。より強烈なマツダのGベクタリングコントロールのようなイメージか!?

もちろんセットアップは硬めではあるが、サスペンションの吸収性の高さと目線がぶれないフラット感の高さにより、逆にノーマルよりも快適に感じたほど。

サーキットまで視野に入っているが、実はオールラウンダーな一台で、個人的にはノートe-POWER NISMO“RS”と呼びたい。

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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

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