トヨタ 新型ランクルプラド燃費レポート|怖いもの見たさ!?ディーゼルモデルの燃費を徹底検証!(2/3)

  • 筆者: 永田 恵一
  • カメラマン:永田恵一/和田清志
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トヨタ ランドクルーザープラドとは

高級本格SUVであるランドクルーザーは、日本車ではトヨタ クラウンや日産 スカイラインと並ぶ長い歴史を持つモデルで、特に中東などでは絶大な支持を集めている。日本仕様では2つの系統に分かれる。

1つはV8エンジンを搭載し、車重は2.5トン級、全長5m、全幅2mに迫るボディサイズを持ち、コアなSUVファンにとってはレンジローバーと並ぶゴールの1つといえる存在で、現行モデルは俗に200系と呼ばれる“ランドクルーザー”。もう1つがスパルタンな70系を起源に、三菱 パジェロやランドローバーディスカバリーのような、ランドクルーザーよりは一回り小さいサイズで乗用車としても使える高級SUVを目指した“ランドクルーザープラド”である。

1990年に初代モデルが登場したランドクルーザープラドは、2009年に登場した現行モデルで4代目となる。ランドクルーザープラドは、現行モデルでも変わらず強靭なラダーフレーム(梯子型フレーム)を持つ本格的なSUVであることは歴代モデルと同様だ。しかし、ランドクルーザープラドは海外のレクサスチャンネルではV8エンジンを搭載するGX(現行モデルはGX460)として販売されることもあり、モデルチェンジを重ねるごとにインテリアの質感、乗り心地や静粛性といった快適性といった高級感の向上が進められている。

しかし、プラドもランドクルーザーファミリーの一員である以上、ランドクルーザーにとって生命線となる高い信頼性、耐久性、悪路走破性は世界トップレベルのものを備えている。

悪路走破性に関しては、まず4WDシステムはセンターデフにトルセンLSDを備え、通常走行時の前後トルク配分を前40:後60とし、ダイヤルで4WDの通常使う高速側(H4)と低速側(L4)を選べるフルタイム4WDを採用。さらにグレードによって異なるが、条件の厳しい悪路を走破するためのアシストやデバイスも覚えきれないほど設定されており、悪路では無敵と断言できる。

搭載されるエンジン、トランスミッションといったパワートレーンはしばらく前まで4リッターV6も設定されていたが現在は廃止となっており、最新モデルは4リッターV6の後継的な存在となる2.8リッター直4ディーゼルターボ(最高出力177馬力&最大トルク45.9kgm、JC08モード燃費11.2~11.8km/L)と2.7リッター直4ガソリン(最高出力163馬力&最大トルク25.1kgm、JC08モード燃費8.8~9.0km/L)の2つ。トランスミッションはどちらも6速ATが組み合わされる。

2.7リッターガソリンはこれといた特徴のないエンジンであるが、2.8リッターディーゼルターボは同系統のものが新型ハイラックスとハイエースバン&レジアスエースの最新モデルに搭載される新世代のもので、ディーゼルエンジンの大きな課題となるNOx(窒素酸化物)の処理はアドブルーとも呼ばれる尿素水を使うタイプとなる。そのため12.1リッターのアドブルーのタンクがある。アドブルーは通常1000kmで1リッター消費するので、使い方や警告表示に応じた補充が必要となる。

エコカー減税に関しては、2.7リッターガソリンは適応とならないが、2.8リッターディーゼルターボは重量税、取得税の免税、登録翌年度の自動車税の75%軽減に加え、クリーンディーゼル車の購入補助金(4万6000円)も対象となる。

2017年9月に行われたマイナーチェンジでは、内外装の変更、機能面では19インチホイールの設定、最上級グレードのTZ-GにリアのトルセンLSDが装備されるようになったほか、安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンスP」が全グレードに標準装備された。

ミリ波レーダーと単眼カメラからの情報を基盤とするトヨタセーフティセンスPは、ランドクルーザープラド用では緊急ブレーキ機能、時速50キロ以上の速度域で作動する先行車追従型のアダプティブクルーズコントロール(以下ACC)、車線逸脱を警報するレーンデパーチャーアラート、夜間遠くまで見通せるオートマチックハイビームという4つの機能から構成される。

緊急自動ブレーキ機能に関しては、ランドクルーザープラド自体は国が行うJNCAPのテストを受けていないが、同等の性能を持つと思われるランドクルーザー200系がテストでは、対車両に対して時速50キロで停止、歩行者に対しても単純な飛び出しに対しては時速50キロ、駐車車両のような遮蔽物からの飛び出しに対しても時速25~30キロでの停止が確認されている(他のセーフティセンスP搭載車の場合)。以上のように、ランドクルーザープラドの価格に対しても、まずまずの性能を備えているといえるだろう。

グレードは標準グレードのTX、上級グレードのTX Lパッケージ、最上級グレードのTZ-Gの3つがあり、TZ-Gは2.8リッターディーゼルターボに3列シートの7人乗りのみの設定となるが、TXとTX Lパッケージには2.8リッターディーゼルターボと2.7リッターガソリン、2列シートの5人乗りと3列シートの7人乗りそれぞれが設定される。

[Text:永田恵一 Photo:永田恵一/和田清志]

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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