中国のイメージが180度変わった! 日本人高校生が上海ショーで経験「日本よりすごい!感動ストーリー」
- 筆者: 加藤 久美子
- カメラマン:Hiroto.Kato
上海モーターショー会場で忘れ物をしてしまった! どうしよう!?
今回の上海モーターショーにはカメラマン兼通訳として高校生の息子を帯同した。3日間は出展車の撮影と取材に奔走し、一般公開2日目となる22日に息子は単独でまた会場に向かった。ちなみに、一般公開日のチケットは100元(日本円で1700円)。裏は車の写真が入っており、様々な車種がここに掲載されている。この日はシュコダだった。
私はホテルの部屋でひたすら原稿を書いていたのだが、18時も過ぎそろそろ帰ってくるかな?と思って息子にメッセージを送ったところ。。。
物を無くしたとのこと。私は思わず「ここは日本じゃないからね(中国だから無くしたものが出てくるわけない、というニュアンスを込めて)」と送ってみた。息子もそのあたりは承知していたようで、まあ、出てこなくてもしょうがない、位に思っていた様子。
ちょっと置いたつもりが・・・って認識甘過ぎ(涙)!
忘れてきたのはなんとHAVALという中国の高級SUVブランドのミニカー。中国としては かなり高級で作りの素晴らしいミニカーらしい。値段は日本円で2台で8000円位と高価。ラゲッジのフロアがなんと!ファブリック製で、シートも本革のような手触り。ドアミラーもたためて、エンジンルームの作りもかなり細かく、それはそれは素晴らしい買いものができた! と喜んでいたのだ。
しかし、このミニカー、1/18と大きめのサイズで、さらに桐箱のような立派な箱に入っており結構重く・・・。撮影の間にちょっと、人目につかない場所に置いていたとのこと。認識が甘すぎる!(涙)
ちょっと目を離したすきに無くなったということは、置き引きされたのだろう。まず出てこないね。そう思った。
わずか1時間半のスピード解決に感激! 感動!
これはもう感激! 感動!
実際、なくしたことに気づいて遺失物センターを案内されて防犯カメラを確認し、持って行った人の特定からミニカー発見まで、わずか1時間半というスピード解決もすごい。
最後には、特勤(警察の一部隊)の人が息子をタクシー乗り場まで室内カートみたいなのに乗せて送ってくれたという・・・なんて親切なんだ!!!!(大粒涙)
正直なところ、あまり良いイメージを持っていなかった息子だったが・・・
正直、息子はそれまで中国には良いイメージがほとんどなかった。しかし、こんなことを体験してしまうと、一転して親中派にならざるを得ないだろう。
実は筆者も良く忘れ物をするダメ母なのだが・・・5年くらい前、茨城県にあるアウトレットモールのトイレで財布を無くしたことがある。トイレを出て1分後、すぐに気づいて取りに戻ったが、なんともう財布はなかった。これは次にトイレに入った人が気づいて届けてくれたのだろうと思っていたら、掃除の人がいたので、聞いてみたところ「財布は見ていない」といわれた。それから警備室に足を運んだが、財布は届いていない、届いたら連絡する、という程度の対応だった。私は現金だけ抜いてゴミ箱に捨てられている可能性もあると思い館内のごみ箱など探しまくったが出てこなかった。防犯カメラも近辺にはあったと思うが、確認などしてくれなかったと思う。駐車場で閉館まで3時間以上待ったが結局出てこなかった。今思うと、トイレの掃除の人が持って行ったのかなあ・・・。
だから・・・今回もきっとなくしものは出てこないと覚悟していた。ましてや場所は中国だし・・・。
一転! すっかり”親中派”の我が息子
ところがどっこい! この丁寧で誠実で一所懸命な”神”対応は何なのだ!
プレスデーでもない、しかも、一般公開日に自分の認識不足で荷物を無くした日本人の若者のために、中国はこんなに素晴らしい対応をしてくれる国になったのか! 感動。見つかったことにまたまた感動・・・。
今回、私は18年ぶりの中国で、息子は初めて。18年前とは何かすべてが大きく変わったように思う。もちろん、今回のミニカーの件は運がよかったということもあるだろう。しかし、モーターショー会場や出展ブースの雰囲気もそうだが、街の人たち、レストランの人、ホテルのスタッフなど、とにかく「中国のイメージを良くしよう!」という感じの努力というか、その頑張りようがすごく伝わってくる。上海モーターショーの出展車も同じ。もちろんパクリなのかオマージュなのかわからない車もたくさんあるのは事実だけれど、中国独自車のすさまじくパワフルな進化をあちこちのブースで感じることができた。
さて、ミニカー研究家の息子。会場で買ったHAVALのミニカーがすっかりお気に入りで、なんと翌日も撮り残した車の撮影を兼ねて一人で会場まで買いに出かけて行った。今度はキャスター付きスーツケースを持って(笑)・・・。
[レポート:加藤久美子]
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