BMW MINIクラブマン 試乗レポート(1/3)
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:オートックワン編集部
まるでブルーチーズのよう
乗る度に、いや乗れば乗るほどその印象を強くするが、ミニはある意味、現代の奇跡だと思う。なぜってこれだけ走りが個性的で“濃い”クルマも珍しいからだ。
例えるならばまるでブルーチーズだ。運転席に座り、5m走っただけで分かるシャープなステアリングやダイレクトな乗り心地は、国産車しか乗った事がない人なら度肝を抜かれると思う。特に足が硬めのクーパーやクーパーSはそうだろう。
それは今までプロセスチーズしか食べたことがない人が、初めて青カビたっぷりのブルーチーズを食べた時の衝撃に近く、当初は違和感すら覚えるかも知れない。だが、食べ続けるとその味から離れがたくなり、文字通り“ハマる”。それがすなわちMINIというブランドの凄さなのだ。
今やクルマは実用性やファッション性、ブランドイメージが大切で、もちろんミニはそれらも十分備えているが、本当の魅力の核は「走り」だったりする。
他にはない長い歴史や個性的な見た目にまず引っかけられ、それ以上に“濃い”走りにガブリとやられるのだ。
日本でも今月、新型VWポロが発売され、確かにクラス的にも値段的にもライバルだし、実際比べる人もいるとは思うが、本質的にはあまり似てない気がする。
もちろんポロの走り、質感は素晴らしいし、ドイツ車ならではの魅力的に溢れているが、やはり八方美人的。一方、MINIはどう考えても個性派美人であり、ブルーチーズ的なのだ。2代目BMW MINIが出てきて既に2年が経ち、確かに多少見慣れた感はあるが、味の濃さは相変わらず。ホントに強烈だった。
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