CX-8からデミオまでマツダ車イッキ乗り! 全車に共通する”人馬一体”を生み出す魂とは【マツダ体験会レポート 後編】(1/2)

  • 筆者: 松田 タクヤ
  • カメラマン:MAZDA

始めてクルマを走らせた時のワクワク、あなたはまだ思い出せますか?

「ブーブー!」と声を出し、おもちゃの車を走らせる。子供の頃、そんな風にして遊んだ経験が誰にでもあるだろう。車を運転する親の姿に目をキラキラさせ「僕も(私も)大きくなったら車を運転するんだ!」と思い描き、車の運転ができない代わりにおもちゃの車を走らせていた。

大人になり免許を取得したいまの私たちは、子供のころ車に対して持っていたキラキラした感情はあるだろうか? もし忘れてしまっているならば、“そんな気持ちをまた想い出して欲しい“という願いこそが、マツダのブランドメッセージである「ZOOM-ZOOM」(英語圏ではブーブーのこと)なのだ。

今回の記事は前回に続いてマツダ体験会のレポートである。1日目はマツダ防府工場の見学だったが、2日目はマツダ美祢試験場でさまざまなマツダ車を試乗し「人馬一体」を体験してきたのでその模様をお届けしたい。

さて、特別「マツダ推し」でもない筆者だが、一度だけマツダ車を所有したことがある。フォード傘下だった時代に製造されたLW5W型MPVだ。知り合いの“ツテ”で安く手に入れられたことが購入の決め手だったが、所有している間も正直良いイメージは無かった。

走行距離が少し多めだったとはいえ、搭載されていたフォード製の排気量2.5リッターのV6エンジンは、トヨタ エスティマに積まれた2.4リッターと比べても明らかに“かったるい”し、燃費も悪い。オイルも良く消費するので、正直ネガティブなイメージしかなかったが「安かったからしょうがない」と自分に言い聞かせてしばらく乗っていた。ボディやパッケージングは中々に良い車だっただけに「なぜこのエンジンを積んだのだろう、なぜこれで世にリリースしたのだろう…」と不思議に思い、マツダに対してはネガティブな印象を持っていたのだ。

事前にお伝えしておくが、今回の記事には良い感想が多い。しかし、「提灯記事だ!」とか「いくら貰った?」などとは思わずに澄んだ気持ちで読んで欲しい。もう一度言うが、筆者は今でも特別「マツダ推し」になったわけではない。

この記事では筆者が感じたまま、思ったままをそのまま綴っているので、もしかしたら批判的な意見もあるかもしれないが、ぜひ生暖かい目で記事を読んでいただきたい(笑)。

>>【記事前編】マツダ防府工場にメディア初潜入! 編集者が見た革新的なモノづくり現場

>>マツダ 美祢試験場体験会の写真を見る【画像47枚】

クルマとヒトの”人馬一体”を実現する為にマツダが拘ったこと

まず、「人馬一体」とは何かについて触れておこう。辞書には「人馬一体:乗馬において乗り手(騎手)と馬が一つになったかのように、なだらかで巧みな連携が行われること。」と記載されている。

マツダの考え方と辞書は概ね合っているが、マツダが考える「人馬一体」とは、高速・限界走行時の性能よりも、日常ユースで意のままに操れる安心安全で楽しい運転感覚のこと。

「0-100キロ加速が〇〇秒です!」「〇〇秒でニュル最速を更新!」など、自動車の性能を数字で表すのは至極簡単ではあるが、一般のユーザーではその性能を体感しにくい。もしその限界性能を公道で試そうとするならば、免許が何枚あっても足りないと思う…。

マツダは一部の人しか体感できない限界性能よりも、誰もが乗って楽しいと素直に感じられる車作りをする為に、人がストレスを感じない動き方や歩行を研究し、自然に車を操れるよう人間中心の車作りを大切にしているのだ。

そして、マツダが車を作るにあたって大事にしていることは、「理想のドライビングポジション」作りだ。

マツダの新世代商品群は、デミオをはじめとする全ての車種で理想のドライビングポジションをとれるようになっているが、実はそれって簡単なことではない。小さい車であればあるほど、フロントタイヤのフェンダーハウスが運転席にせり出してきてしまうため、全てのペダルを左へオフセットしなければならなくなる。結果、運転席に座ると下半身だけが微妙に左へズレた違和感のあるドライビングポジションになってしまう。

これを回避するために、マツダ車はフロントタイヤのフェンダーハウスを最大で80ミリ前方へ配置している。その結果、マツダ車のラインナップでは最もスモールなデミオでさえ、足を自然に開いた位置にペダルが来る理想的なドライビングポジションを実現した。

また、ロードスターを除く全ての車種にステアリングのチルト・テレスコピック機能とシートリフターを設定することで、ほとんどの人が最もリラックスした姿勢でドライビングポジションをとれるようになっているのも特徴だ。

この他にも、疲れにくく操作がしやすいオルガン式ペダルを全ての車種で採用している。オルガン式ペダルやテレスコピック機能は製造コストが上がってしまうために、一般的にスモールカーでは装備されないことの方が多いが、コスト増よりも理想のドライビングポジションを追求するあたりにマツダの拘りが感じられる。

どのモデルも「超」楽しい! マツダの歴代ロードスターでオープンドライブ

理想のドライビングポジションについて学んだ後は、いよいよコースに出てドライブを開始! まずは用意された歴代ロードスターで、美祢試験場のワインディングコース走行と広場でパイロンを使用した走行を試した。

まずはNA型ロードスターだ。天気が良いので、せっかくなのでオープンにして走行する。このNA型ロードスターはマツダのレストアサービスにより各部をリフレッシュされた個体で、ヴィンテージ感は覚えるものの“ボロ”さは一切感じない。

「ヘッドライトを点灯して走行をお願いします」とアナウンスがあったので、ヘッドライトのスイッチをONにする。すると「ウィン!」とボンネットからヘッドライトが飛び出てくる。「そうだ、NA型ロードスターはリトラクタブルヘッドライトだった…。」久しぶりの感覚で少しびっくりしてしまった。やっぱりリトラクタブルヘッドライトは男心をくすぐるものがある(笑)

クラッチを踏み、ギアを1速に入れる。たったこれだけの操作だが、もう既にしっかりレストアされていることが良くわかる。アクセルをそっと煽り、クラッチをミートさせる。スッキリと晴れた空の下、オープンにした初代ロードスターのマニュアル車でワインディングを駆け抜ける。

肌で感じる風と、ボンネットから漂ってくる熱気の匂い。コーナー手前で減速をし、ヒールアンドトゥで軽いブリッピングを当てながらギアを3速から2速に落とす。後方から聞こえてくる乾いた排気音に胸が高鳴る。あぁ、これですよ…(どれ)。

ちなみに、すべてのロードスターを試乗したが一番完成度が高いと感じたのは当然ながらND型のロードスターだ。歴代で一番自然なドライビングポジションと、意のままに操れる感覚はシリーズの中でも特筆するものがあるし、オープンにしていても風の巻き込みが少なく快適そのもので、これならばどんな人でも“ZOOM-ZOOM”を感じることができると思う。

「最近のクルマはつまらなくなった」なんて言う人がいるけれど、筆者はそうは思わない。面白くないクルマを選んでしまっている、若しくは面白くないクルマばかりを乗り継いできて「最近のクルマはつまらない」と思い込んでしまっているだけなのではないだろうか?

つまらないと感じている原因は、クルマに対する自分自身の気持ちそのものなのだと断言したいし、そんな人こそ一度マツダのロードスターに乗ってみて欲しい。楽しいクルマはここにあります!

マツダ/CX-3
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新車価格:
227.9万円343.4万円
中古価格:
69万円302.3万円
マツダ/CX-5
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新車価格:
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マツダ/CX-8
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筆者松田 タクヤ
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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