トヨタ シエンタVSホンダ フリード! 5ナンバーサイズのコンパクトミニバンで3列目も快適に過ごせるのはドッチ?

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3列シートのミニバンが欲しい。でも、大きなミニバンは嫌だ。そんなユーザーにうってつけなのが、5ナンバーサイズのコンパクトミニバンだ。

具体的には、2016年デビューの2代目ホンダ フリード、2015年登場の2代目トヨタ シエンタの二択となる。両車には2列シートモデルも存在するが、今回は3列シートモデルを購入するとして、3列目も快適に過ごせる車はどちらなのか、解説したい。

目次[開く][閉じる]
  1. 全長、全幅、ホイールベースはほぼ同一! 全高はフリードがやや高い
  2. 頭上に余裕があるのはシエンタ! 膝周りにゆとりがあるのはフリードだ
  3. 大人が自然な椅子感覚で快適に座れるのはシエンタだ
  4. 視界の広さも重要! 3列目は2列目に対して座面の高さを上げる傾向にある

全長、全幅、ホイールベースはほぼ同一! 全高はフリードがやや高い

両車のボディサイズは、フリードが全長4215mm×全幅1695mm×全高1715mm。ホイールベース2740mm。シエンタは全長4235mm×全幅1695mm×全高1675mm。ホイールベース2750mmである。全長、全幅、ホイールベースはほぼ同一。全高だけフリードのほうが40mm高い。

エクステリアは好みだが、インテリアはすっきりとしたフリード、ややこってりとしたデザインのシエンタという違いがあるものの、1/2列目席の居住空間はどちらも余裕しゃくしゃく。

大柄な大人が座っても、コンパクトなボディサイズからは想像もできないほどのくつろぎ感がある。ただし、2列目席の膝周り空間により余裕があるのはフリードのほう。

具体的には、身長172cmの筆者のドライビングポジション背後に座ると、頭上に210~230mm、膝周りに380mm(キャプテンシート)と、ステップワゴンの同240mmを大きく凌ぐゆとりがある。シエンタは同200mm、220mmである。

ところで、フリードならフリード+、シエンタならシエンタFUNBASEという2列シートモデルがあるにもかかわらず、3列シートのフリード、シエンタを選ぶということは、やはり3列目席への期待も小さくないはずだ。

めったには使わないけれど、いざというときに誰かを乗せることもある……ということだろう。

頭上に余裕があるのはシエンタ! 膝周りにゆとりがあるのはフリードだ

3列目席として実用的なのはシエンタ!

では、フリードとシエンタの3列目席、どちらが実用的なのだろうか。最初に言ってしまえば、ズバリ、乗り込んでしまえばシエンタが優勢だ。

というのも、身長172cmの筆者が座ったとすると、フリードは頭上に120mm、膝周りは2列目席スライド最後端位置だと0mm、2列目席の膝周り空間をシートスライドによって前に出し、筆者が座って十分な膝周り空間200mmにセットすれば95mmになる。これなら筆者でも座れないでもない。

座り心地や居心地を左右するシートサイズはフリードが有利

一方、シエンタはと言えば、頭上に140mm、膝周り空間に最小30mm、2列目席を前端までスライドさせれば(筆者が無理なく座れる)75mmになる。

では、3列目席の居心地、座り心地を左右するシートサイズはどうか。フリードは座面長440mm、シート幅1210mm、シートバック高485mm。シエンタは座面長390mm、シート幅915mm、シートバック高540mm。

と、その数値だけ見れば、頭上方向に余裕があるのはシエンタ、膝周り方向に余裕があるのはフリードということになるものの、数値的にはそれほど大きな違いはないように思える。が、シートサイズ、特に座面長、シート幅ではフリードが有利に思える。

大人が自然な椅子感覚で快適に座れるのはシエンタだ

しかし、先に「乗り込んでしまえばシエンタが優勢」と報告したのは、実はそうしたスペース、シートサイズとは別の理由がある。それは着座姿勢である。

フロアからシート座面先端までの高さ=ヒール段差にけっこうな違いがあり、その高さが十分にあると、ダイニングの椅子のように、腰掛けやすく、立ち上がりやすくなる。

逆に、ヒール段差が小さいと、ローソファのように、腰掛けるのも、立ち上がるのも、けっこう大変になるのである(腹筋も使う!!)。

その点を踏まえると、フリードの3列目席のヒール段差は280mmと、3列目席はフロアに対してかなり低めにセットされていることになる(膝を立てた体育座り的になる)。

一方、シエンタの3列目席のヒール段差は350mmと高く、あくまで大人の着座という条件では、シエンタのほうがシートサイズこそ小ぶりなものの、より自然な椅子感覚の姿勢で座ることができ、腰掛ける、立ち上がる、その両方の動作もより楽になるというわけだ(小さな子供の場合は、その優劣は当てはまらない)。

視界の広さも重要! 3列目は2列目に対して座面の高さを上げる傾向にある

また、コンパクトミニバンの3列目席は、ギリギリの空間もさることながら、視界も制限される傾向にある。そこでチェックすべきは、2列目席と3列目席の座面の高さ。多くのクルマの後席(またはミニバンの3列目席)では、シアターフロアと言って、前方視界、見通し性を確保するため、映画館の客席のように、後ろの席のほうを高くセットしているのが一般的だ。

それをフリードとシエンタで検証すると、フリードの3列目席は2列目席に対して25mm高く、シエンタの3列目席も2列目席に対して20mm高くセットされているから、大きな違いはないのだが、近距離ならともかく、ある程度の距離、時間を3列目席で過ごすとなれば、筆者の経験上、快適感では人の座らせ方(ここではヒール段差の違い)がモノを言うのである。

もちろん、ここでは1/2列目席の快適性、走り、静粛性、燃費性能、先進運転支援機能などについてはまったく考慮していなので、両車を比較検討している場合は、実際に各席に座り、試乗し、装備表などをじっくりと比較して吟味するべきだろう。人によっては、3列目席のヒール段差の違いより、もっと重要な選択のポイント、決め手があるかもしれない……。

そして、両車の3列目席の居心地については、あくまで身長172cm、体重65kgの筆者の印象であり、感じ方には個人差があることを付け加えておきたい。

【筆者:青山尚暉】

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青山 尚暉
筆者青山 尚暉

学生時代はプロミュージシャン、その後自動車専門誌2誌の編集を経てフリーのモータージャーナリストに。現在は自動車業界だけでなく、愛犬のラブラドールとジャックラッセルとともに、愛犬との快適で安全なクルマ旅を提案するドッグライフプロデューサーとしても活動中。また、クルマのパッケージを寸法で比較するため、独自の計測ツールを開発。1台につき25項目以上を詳密計測。実用性の目安として、記事中で展開している。現在、自動車用純正ペット用アクセサリーの企画、開発も行う。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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