コンパクトミニバン 徹底比較(2/4)

コンパクトミニバン 徹底比較
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周囲から視線を浴びる存在

フロントスタイルリアスタイル

2003年秋にデビューしたシエンタは、ヴィッツ・ファミリーの中で、もっとも大きく、唯一3列シートを備えるモデル。ご覧のとおりの愛嬌あるルックスが特徴だ。

このほどマイナーチェンジが実施され、フロントバンパーおよびグリル、ヘッドランプ、リアコンビランプ、ホイールキャップの意匠や、ウインカーがドアミラー内蔵タイプとなるなどの変更が行なわれた。

印象としては、従来に比べて微妙に普通になった感があるが、これは男性ユーザーにとってあまり抵抗感なく乗れることを狙ったものだろう。

今回の3台の中では、Aピラーがかなり寝ているのも特徴。ちなみに、このボディカラーとスタイルの組み合わせとなると異様な存在感があるようで、試乗時にもどんな人が乗っているのかと周囲から注目された。

走りについても、日常の足として使うには概ねそつなくまとまっている。この大きさのボディともなると、排気量1.5Lのエンジンでは役不足なのではと思えなくもないが、実際にはトルク特性に優れるため、大きな不満もなく加速してくれる。ただし、CVT の制御にやや引っかかり感が見受けられる。

電動パワステの操舵力は全体的に軽く、高速走行時にはもう少し重いほうが好ましいが、車庫入れ時など速度が低く操舵量の大きい状況では実に取り回しの良い印象を受ける。

足まわりは適度な硬さで乗り心地も悪くないし、ロールの姿勢も不快なものではない。全体のフィーリングとしては、良い意味でもう少し大きいクルマに乗っているような感覚がある。

フロントビューリアビューサイドビュードアオープンエンジン

まるでパイクカーのようなデザイン

フロントスタイルリアスタイル

かつてバブル期に日産が世に送り出して一時代を築いたパイクカーシリーズに通じるデザインが特徴。 2002年秋のキューブのデビュー時には、本当にこのまま売ってくれるのだと驚いたほどだったが、今ではまったく違和感なく町の風景に溶け込んでしまった感がある。

約1年後にデビューしたキュービックは、キューブのボディとホイールベースを延長し、3列シートを与えたモデル。スタイル的に間延びした印象もなく、キューブの愛らしい内外装デザインをそのまま受け継いでいる。今回の3車の中では、ボディサイズがやや小さめで、アイポイントも低い。

昨年夏にマイナーチェンジを受け、エンジンは従来の1.4L のほかに新開発の1.5Lユニットが追加されるととに、電動パワステやCVTのチューニングも改善された。

このCVTの完成度が非常に高い。CVT特有の違和感がほとんど感じらせず、エンジン特性との好マッチングが図られている。その加速感は、1.5Lエンジンとの組み合わせとなると「余裕」すら感じられるほどだ。

電動パワステのフィーリングも従来モデルに比べて格段に良くなり、自然な操舵フィールを実現している。結果として、昨年のマイナーチェンジ後のキュービックは大幅に良くなったと太鼓判を押せる。

走りは実に軽快で、腰高な感覚もあまりない。ブレーキの初期タッチにやや過敏なところはあるが、今回の3車で比較すると、背の低い乗用車から乗り換えた場合の違和感はもっとも小さいはずだ。

フロントビューリアビューサイドビュードアオープンエンジン

男性的イメージとスポーティな走りがウリ

フロントスタイルリアスタイル

大ヒットした SM-X の後継的な位置づけのモデル。直立した大きなウインドウを強調したスタイルが特徴だ。デビュー当初のデザインは凡庸な印象だったが、2004年初めのマイナーチェンジでフェイスリフトされてグッと精悍になった。さらに、2005年末のマイナーチェンジで新ボディカラー追加、装備、グレードバリエーションの見直しが行なわれた。

デザイン的には、今回の3台の中で唯一、男性的なイメージを持っている。こうして並べてみると、似たようなパッケージのシエンタとちょうど好対称という印象だ。

今回の「X」グレードにはVTECエンジンが搭載され、さらにCVTのホンダマルチマチックSには7スピードモードが付く。これらにより期待どおりのエンジンパフォーマンスを楽しませてくれる。

走りのフィーリングは、いかにもホンダらしくスポーティな味付けとなっている。ステアリングフィールがリニアで、引き締まった足まわりも手伝って、キビキビとした走りが楽しめる。コントロール性に優れるブレーキにも好感が持てる。

ただし、スポーティな足まわりはギャップを乗り越えるとリアが跳ねる傾向が見受けられ、後席の乗り心地においては少し快適性がスポイルされている面もなくはない。あくまでもドライバー主体にチューニングされているのだろう。随所に「らしさ」を盛り込んでいるあたり、ホンダの譲れないポリシーを感じる。

フロントビューリアビューサイドビュードアオープンエンジン

デザイン・スペックの総評

この3台では、スタイルの好みが選択肢を大きく左右するはずだ。走りについては、アラを探せば出てくるものの、このようにコンパクトで背の高いクルマでありながら、各車よくぞここまで仕上げたものだという印象が大きい。 いずれも 1.5Lエンジンを搭載するが、シエンタに大きな不満はなく、キュービックはキャパシティ的に余裕が感じられ、モビリオはVTECのパワフルな吹け上がりが楽しめるという印象。CVTの完成度はキュービックが一歩リード、走りのスポーティさではモビリオにアドバンテージがある。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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