ボルボ 2013年モデル オールラインナップ試乗レポート Vol.1 「ボルボ XC60・XC90」編/今井優杏(1/3)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:オートックワン編集部
紅葉真っ只中の会津・裏磐梯でボルボの魅力を再発見
自動車ジャーナリスト 今井 優杏がお届けするボルボ 2013年モデル オールラインナップ試乗レポート、第一弾はSUVからスタート! まずは都会派「XC60」と、3列シートのファミリー派「XC90」のインプレッションからお届けしよう!
先日、会津・裏磐梯にて、ボルボ・オールラインナップ試乗会が開催された。試乗会当日はまさに紅葉のベストシーズン。来るべき冬に備えて、最期の色彩を放つ山々の目にしみるような鮮やかさといったら!
もう息を飲むばかりでまったく筆舌に尽くしがたい。今こうしてパソコンに向かいながらも記憶を会津に飛ばせば、ぽわわ~んと夢想の紅葉世界にトリップしてしまうほどの夢々しい美しさであった。
と、ここで述べたいのは会津の素晴らしすぎる自然や、取材陣みんなで違う味を交換し合って食べた喜多方ラーメンの美味しさについて、ではない(超美味しかったけど)。
シックなカラーラインナップを纏う先進的なデザインのボルボと紅葉との、ドラマチックなコントラストである。こうして自然の中に置くとよくわかる。ボルボは決して官能的というのではない。ギラギラもしてないし有機的すぎるわけでもないから目を惹くような存在感があるわけではない。だけど見つめている方の心がどこかすっと澄んでしまうような、清い佇まいなのであった。
そのくせちゃんとトレンド風なのだ。どの写真を見てもまるでシャレオツな洋雑誌のような仕上がりである。
清く美しいデザインや優しい乗り味に、いつしか惹かれ始める・・・
ボルボがあの、誰もがボルボと言えば思い浮かべるであろう四角い箱型のボディを捨ててから、早いモノでは3代目のモデルチェンジを果たしている。
今や最新型はメルセデス・ベンツを彷彿とさせるような、それぞれが隔離された四つの目があしらわれたマッシブなフロントマスクを持つものさえあって、ああ、時代は変わったのだなと紅茶にマドレーヌを浸して回顧せずには居れない。
その変遷については賛否両論あろうが、何を隠そう私はその“否”論者であった。
かつて花も恥じらう女子高生時代(そんな頃もありました…)、某カー雑誌をめくって一目惚れして以来、いつかは乗ろうと決めていた赤い740エステート。大きなデザイン転換期を迎えた時は、「さよならだけが人生なのね、くすん」と五言絶句めいた感傷に浸ったほどであった。
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