[試乗]フォルクスワーゲン パサート・パサートヴァリアント「2.0TSI R-Line」 ~ジェントルなパサートが”スポーツ”を手に入れた~(4/4)
- 筆者: 嶋田 智之
- カメラマン:和田清志
サーキットの全開走行でも盤石の安定感
今回はサーキットのコースを全開で走れるチャンスにも恵まれたのだが、基本的なフィーリングとしてはとても素直。ステアリングを素早く操作してもノーズの動きが見事についてくるし、ロール感もとても自然。ギリギリまで攻め込んで走るタイプのクルマではないけれど、コーナーを素早く駆け抜けていくことに関しては他のフォルクスワーゲン同様まったく苦にしないし、235/40R19の太めのタイヤが鳴き声をあげるくらいまで速度域を引き上げても、不穏な動きなど見せることなく盤石といえる安定っぷり。
こうした場所で余計なことを気にせずコーナーをひとつひとつクリアしていくことができるのは、やはり楽しいし気持ちいい。
「1.4TSI」と「2.0TSI」、そしてPHEV「GTE」・・・実に悩ましい選択肢だ
もとよりパサートというクルマは、フォルクスワーゲンのフラッグシップとしての快適な乗り味や、数々の技術やシステムを惜しみなく投入していることも含めた安全性などを重視した、極めて優等生的なセダン/ワゴンである。
その部分をしっかりとキープしたうえで、心地好い汗をかける楽しさまで手に入れたのが2.0TSI Rライン。セダンで499万円、ヴァリアントで519.9万円という価格は他のパサートと比較して高価だけれど、安全装備類の充実ぶりなどを考えると、欧州の他のライバル達と較べるとお買い得といえるところにあるといえるだろう。
ただひとつ気になるのは、プラグインハイブリッド(PHEV)の「パサート GTE/パサートヴァリアント GTE」との価格差が20万円ほどに過ぎない、ということだ。これはちょっとばかり悩ましい。敵は身内にあり、かも知れない。
[レポート:嶋田智之/Photo:和田清志]
Volkswagen Passat 2.0TSI R-Line[FF] 主要諸元
全長x全幅x全高:4785x1830x1460mm/ホイールベース:2790mm/車両重量:1510kg/駆動方式:前輪駆動(FF)/乗車定員:5名/ステアリング位置:右/エンジン種類:「TSI」インタークーラー付ターボチャージャー 直列4気筒 DOHC 16V ガソリン直噴エンジン/最高出力:220ps(162kW)/4500-6200rpm/最大トルク:35.7kgf-m(350N・m)/1500-4400rpm/トランスミッション:6速DSG デュアルクラッチトランスミッション/燃料消費率:15.6km/L[JC08モード燃費]/サスペンション形式:(前)マクファーソンストラット(後)4リンク/タイヤサイズ:235/40R19(モビリティタイヤ+10ダブルスポーク 8Jx19インチアルミホイール)/メーカー希望小売価格:4,999,000円[消費税込]
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