トヨタ 新型カローラアクシオ 試乗レポート/渡辺陽一郎(2/2)

トヨタ 新型カローラアクシオ 試乗レポート/渡辺陽一郎
新型 カローラアクシ 1.3X ''G EDITION'' 新型 カローラアクシ 1.3X ''G EDITION'' 新型 カローラアクシ 1.3X ''G EDITION'' 新型 カローラアクシ 1.3X ''G EDITION'' 新型 カローラアクシ 1.3X ''G EDITION'' 新型 カローラアクシ 1.3X ''G EDITION'' 新型 カローラアクシ 1.3X ''G EDITION'' 新型 カローラアクシ 1.3X ''G EDITION'' 新型 カローラアクシ 1.3X ''G EDITION'' 新型 カローラアクシ 1.3X ''G EDITION'' 新型 カローラアクシ 1.3X ''G EDITION'' 画像ギャラリーはこちら

コンパクトカーにも負けない居住空間の上、セダンの長所であるリアシートが快適化

新型 カローラアクシ 1.3X ''G EDITION''
新型 カローラアクシ 1.3X ''G EDITION''新型 カローラアクシ 1.3X ''G EDITION''

エンジンは従来からカローラの主役だった1.5リッターと、新たに設定された1.3リッターを設定。ラグゼール専用だった1.8リッターは廃止され、このグレードは1.5リッターの最上級に位置付けられる。

1.3リッターを加えた理由は、開発者によれば「車両重量が軽くなって燃費性能も向上するから」とのこと。コンパクトカーの売れ筋が1.3リッターで、今や5ナンバー車の標準的な排気量になったこともあるだろう。

試乗車は1.3リッターを搭載した上級グレードの1.3X・Gエディション。5月23日に試乗記をアップしたカローラフィールダーでも触れたように、1.5リッターは発売が1か月遅い6月11日になる。今回のカローラアクシオの試乗は1.3リッターモデルのみだ。

車内に入ったら内装をチェック。

先代型に比べると、インパネの中央から助手席付近の質感が微妙だ。助手席の前側は布を貼ったが、少し安っぽい。それでもコンパクトカーよりは上質で、セダンの面目は保ってはいる。

スイッチ類の操作性は、前述のように大幅に向上。機能的な配置になっている。

運転席に座ると、床と座面の間隔が23mm拡大し、着座姿勢が最適化された。プラットフォームの変更で前側の床が13mm下がり、室内を拡大した効果が大きい。シートのサイズも十分。体が座面に少し沈んだ部分でしっかりと支え、腰の収まりも良い。

リヤシートは、先代型に比べると大幅に改善された。空間効率の優れたプラットフォームだからフロントシートの位置が前に寄り、前後席のヒップポイント間隔を15mm、足元空間は25mm広げている。床と座面の間隔も29mm拡大し、腰が落ち込まないのだ。

リヤシートに座った乗員の足がフロントシートの下に収まりやすいこともあり、リラックス感覚を強めた。

身長170cmの大人4名が乗車した時、リヤシートに座る乗員の膝先空間は先代型では握りコブシ1つ半だったが、新型なら2つ収まり、車内の広いコンパクトカーと比べても遜色はない。

座面はセダンとあって固定式だから、座り心地は多彩なアレンジを可能とするコンパクトカーよりも上質だ。唯一、注意したい点は頭上の空間。身長170cmの乗員が座って、天井と頭部の間隔は掌が入る程度だ。長身の同乗者を頻繁に乗せる場合は、居住性を確認したい。

1.3リッターと1.5リッターの価格差は、わずか4万円程

新型 カローラアクシ 1.3X ''G EDITION''
新型 カローラアクシ 1.3X ''G EDITION''新型 カローラアクシ 1.3X ''G EDITION''

運転感覚はどうか。

車両重量は1050kgだから、ヴィッツの1.3リッターモデルよりも約50kg重い。平坦路では力不足を感じないが、発進直後の2000回転付近は反応が少し鈍い。2300回転付近、発進後の時速30kmくらいから活発な加速を開始する。

登坂路ではエンジンノイズも大きめ。走りの質も重視されるカローラとしては、やはり1.5リッターモデルが欲しい。

乗り心地にも注意したい。1.3リッターモデルが装着するタイヤは14インチで、試乗車はブリヂストン・エコピアEP25(175/70R14)を履くが、指定空気圧は転がり抵抗を抑えるために250kPaと高い。一般的には200~230kPaだ。これにプラットフォームの素性も加わり、さらに硬く感じる。1.5リッターモデルは15インチで230kPaだから、もう少し柔軟な乗り心地になるだろう。

走行安定性はセダンとして十分に満足できる。ハンドルを通じて掌に伝わる路面の感触は少し希薄だが、コーナリング時の前輪の踏ん張り感に不満はなく、後輪はそれ以上に接地性が高いから挙動が不安定になりにくい。

環境性能を重視したクルマでスポーティな走り方は想定していないが、運転中の安心感は確保されている。このあたりは、ホイールベースを2600mmと長めに設定しながら、全高を1460mmに抑えたセダンのメリット。背の高いコンパクトカーに差を付ける部分でもある。

横滑り防止装置(VSC)は1.3リッターモデルを含めて全車に標準装着され、挙動が乱れ始めた段階から確実に作動する。

サイド&カーテンエアバッグも全車に備わる。1.3X・Gエディションの価格は160.5万円。1.5Gは165万円だから差額は4.5万円だ。タイヤサイズの違いも含めると、実質4万円の差になる。

この差額なら一般的な選択肢は1.5Gだが、1.3X・Gエディションにも40kg軽い車両重量に基づく走りの軽快感、JC08モードが0.6km/L上まわる燃費性能など、相応の魅力がある。価格ではなく走行距離や好みに応じて選べば良いだろう。

なお、1.5Gにはアイドリングストップがオプション設定される。地域によって使用頻度が異なるので、オプション設定としたのは良心的だが、5万4600円の価格は高めだ。今は3万円前後が相場。

実用燃費をJC08モード数値の85%、ガソリン価格を1リッター当たり155円として、アイドリングストップのオプション価格をガソリン代の差額で埋めるには、1年に1万kmの走行として約9年を要する。

加えてアイドリングストップ仕様に装着されるバッテリー(GSユアサQ-55)は、販売会社によればノーマル仕様に対して価格が約2万円高く、3万8000円前後に達する。この点も踏まえて装着を判断したいところ。

新型カローラアクシオはセダンの市場環境が厳しい時代に投入されたが、ユーザーのクルマ選びの変化を的確にとらえ、実直に指向性を変えてきた。

従来は国内販売のベストセラーとして追われる立場だったが、今は追う側だ。今後も特別仕様車の投入などで、新しい展開を見せるだろう。日本のセダンを背負うカローラの健闘に期待したい。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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