ダンロップ VEURO VE303 試乗会レポート(2/2)

ダンロップ VEURO VE303 試乗会レポート
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先代よりさらなる向上が図られた、VEURO VE303の操縦安定性

そして、先代VE302で静粛性と共に評判が高かった操縦安定性についても、ハンドリングを重視するユーザーの期待に応える向上を遂げています。

まずはタイヤのサイド部分の剛性を高めるストリップエイペックスによりコーナリング時のタイヤのヨレ(変形)を抑制。トレッド面の外側の接地面積の割合を53%、内側を47%と配分を最適化した新パターンにより、従来通りキレのある操縦安定性を確保しました。

開発テストドライバー氏によると開発段階でもっとも苦労したのがこの部分だそうで、操縦安定性と騒音面においては、接地面の外側の剛性をより高くして溝を減らすという方向性は一致するものの、その一方では乗り心地がやや硬くなる面があり、トータルバランスを決定するのに大変悩んだとのこと。試行錯誤の結果、開発テストドライバーの感性を重視した内容でまとまったそうです。

VEURO VE303なら、シルキーシックスの「快音」も存分に楽しめる

今回はメルセデスベンツE250アバンギャルド、BMW535i、アウディA6クワトロ、レクサスLS460、トヨタクラウンロイヤル、トヨタアルファード、日産フーガハイブリッドの7車種で試走。

いずれのクルマでも強く感じたのは、VEURO VE303には「プレミアムカー各車の個性を際立たせ、美点をさらに引き出す効能がある」ということでした。

特に印象深かったのはBMW535i。

一般道にて試乗しましたが、シルキーシックスが発する「快音」が直接脳髄に響くかのようであり、他の雑音にまったく邪魔されないため、エンジンの官能性をより一層堪能できて感動しました。BMWのさらなる甘美なポイントである切れ味するどいハンドリングはコンフォートタイヤを履いてるとは思えないほどソリッドで、コントロール性はいつもに増して抜群。

BMW535iはたまたまひと月ほど前に試乗する機会があったのですが、標準装着のタイヤよりも明らかに気持ち良さ度が増しており、運転に没頭してしまいました。

新作VE303は、極上の素材の味を引き出す絶妙なスパイスといった感じでしょうか。

アウディA6ではテストコース内の周回路を走行。

クワトロシステムによる鉄壁の高速スタビリティがさらに凄まじく、200km/hでのレーンチェンジも鼻歌まじりで行えました。

VE303は国内市場にあわせて60~100km/hあたりの領域での性能にスイートスポットを定めながら、欧州市場での速度域での性能も入念にチェックされたようですが、これならアウトバーンでも不満はでないでしょう。

レクサスLS460やクラウンロイヤルでは、ソフトな乗り心地がさらに印象深く感じれます。

クラウンロイヤルでは、先代VE302が装着された個体も用意され、振動騒音路とスキッドパッドで新旧タイヤの乗り比べを実施。

振動騒音路面では、乗り心地は新作VE303のほうが硬質に感じられましたが、個人的にはこのほうがより安心感が高くて好ましく思いました。ステアリングフィールも明らかしっかり感が増しています。後席での感覚も、やはり新作VE303のほうが硬質ながら、無駄な揺れが少ないためより好印象でした。

スキッドパッドでのウエット性能は、無謀にも定常旋回にて試したところ、新作VE303のほうがより難しく、より上手く決まらないことを実感(苦笑)。これは、新作VE303のほうがウエットグリップがより高いことを意味しています。

アルファードでは、245/40R19というひと昔前のスーパーカー並みの扁平大径サイズを履いていましたが、その弊害として予想されるバネ下のバタつき感はほぼ皆無。衝撃の吸収性の良さに加え、タイヤ単体の重量が先代よりも軽くなっていることも乗り心地の良さに貢献しているはずです。

タイヤの剛性が高いため、大型ミニバン特有の重心高やふらつき感が低減していることも実感できました。

このように、新作VEURO VE303はプレミアムカーの美点を際だたせる効能を発揮するタイヤです。新しめのクルマでもここまで良さを実感できるので、少しお疲れ気味のプレミアムカーには回春効果が得られることでしょう。

“タイヤを換えるとクルマが変わる” 広く知られているようで、実はあまり意識されていない大切な事実を実感するチャンスでもありますね。

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マリオ 高野
筆者マリオ 高野

1973年大阪生まれ。免許取得後にクルマの楽しさに目覚め、ヴィヴィオとインプレッサWRXを立て続けに新車で購入。弱冠ハタチでクルマローン地獄に陥るも、クルマへの愛情や関心は深まるばかりとなり、ホンダの新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、ダイハツ期間工(アンダーボディ組立て)などを経験。2001年に自動車雑誌の編集部員を目指し上京。新車情報誌やアメ車雑誌の編集部員を経てフリーライターとなる。編集プロダクション「フォッケウルフ」での階級は「二等兵」。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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