ソリオバンディット(スズキ) 試乗レポート/安藤修也(2/2)

  • 筆者: 安藤 修也
  • カメラマン:茂呂幸正/オートックワン編集部
ソリオバンディット(スズキ) 試乗レポート/安藤修也
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トールワゴンとは思えないほど、コーナリングで高い「剛性感」が味わえるソリオバンディット

ソリオバンディット 試乗イメージ4ソリオバンディット 試乗イメージ3

さて、そんなソリオバンディットを試乗したわけだが、率直に言って剛性感の高いクルマである。

従来のトールワゴン型コンパクトにみられたコーナリング時のボディの脆弱さは感じられず、ソリッドなボディ剛性がコーナリング中も機能している。ステアフィールもしっかりと安定感があるので、急なレーンチェンジにも動じない粘り強い走りを味わわせてくれる。やっぱり「しょうゆ(顔)」と「納豆(のような走り)」は良く合う。

搭載されるエンジンはスイフトと同じ1.2L直4で、箱形の大きなボディを牽引するには十分なパワーを持つ。とはいえ、決してどんなシチュエーションでも楽に走れるわけではなく、やはり高速域での加速や急勾配の坂道では力不足を感じることも。

一方で、アイドリングストップシステム搭載グレード(2WD)では、CVTの改良によってJC08モード燃費を(従来の同エンジンを積むソリオの)21.1km/Lから21.8km/Lへと向上させている。

改良ポイントはクルマの使用シーンで重宝される部分から。とりあえずスギちゃんのものまねをすればウケると思っているオヤジではダメ。常に新しい話題を身につけていかなければ部下のOLたちからは好かれないのだ。

ソリオバンディット センターコンソール付近

室内スペースの広さについては、リアシートに座っただけで、まぎれもなく商品力の高いクルマであると確信させられる。もちろんアクティブな使い勝手についても、リアドア開口部横にグリップを新搭載するなどして、さらに向上させている。

ソリオとの違いは、インパネやドアトリムをブラック基調でまとめているほか、ストライプ柄の専用ファブリックシート表皮を採用していることなど。全体的にインテリアは引き締まった印象を受ける。

トヨタ ラクティスや日産 キューブなど商品力の高いクルマが居並ぶトールワゴン型コンパクト。このジャンルは、ただ室内が広いだけでも良くないし、実用性が高いだけでもダメ。さらにいえば、高い全長を持つだけに走行安定性の高さも、オッサンにとっての油ものを食べた後の黒ウーロン茶くらい必要とされてくる。

ソリオバンディットはこれら三点を高い次元で保持しながら、フレッシュで精悍な「しょうゆ顔」を手に入れた。

ただ、プライオリティの高さをデザインだけに持ってきたのではなく、優れた基本性能を(ソリオのマイナーチェンジとともに)向上させながら、さらにトライする姿勢をみせた。

そういう意味でも、自らを「悪党(バンディットの意味)」と名乗るこの派生車は、ギラギラした野心とドライバーへの配慮が同居する希有なモデルであるといえよう。

ソリオバンディット 専用シート柄(ストライプ)ソリオバンディット インテリアソリオバンディット フロントシートソリオバンディット リアシートソリオバンディット ラゲッジルーム
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安藤 修也
筆者安藤 修也

1976年生まれ。埼玉県出身。ベストカー、CARトップ、GetNaviの各編集部勤務を経て、2010年より清水草一率いるフリーランス集団『フォッケウルフ』に所属。現在は、素浪人エディター&ライターとして、自動車専門誌、一般誌、Webなどで幅広く活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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