エンジンもマニュアルも“専用チューニング”、新型「アルトワークス」は“買い”か [徹底解説](1/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
東京モーターショーでも大いに人気を集めた新型「アルトワークス」
先ごろ開催された第44回東京モーターショー2015のスズキブースで、意外なほど注目を集めていたのが参考出品車の「アルトワークス」だった。
この車名は、中高年齢層のクルマ好きには懐かしいだろう。初代アルトワークスは1987年に2代目アルトに設定されて人気車となった。
当時、エンジンは直列3気筒550cc(今日の660ccになったのは1990年から)のツインカムターボを搭載。軽自動車では最初のツインカムターボとあって、最高出力は64馬力を達成した。
だが、運輸省(現在の国土交通省)がこの数値に難色を示して自主規制の対象になり、30年近くを経た今でも、軽自動車の最高出力は64馬力が上限になる。
この後、アルトワークスは1998年に登場した5代目アルトまで合計4世代にわたって設定されたが、2000年代に入るとワゴンRのRRやスティングレーがスポーティな軽自動車として定着。2004年登場の6代目、2009年登場の7代目アルトには、ターボを装着したスポーティグレードは設定されなかった。
「アルトターボRS」が発売されたものの・・・
ところが、2014年12月にアルトが8代目の現行型に一新され、2015年3月には「アルトターボRS」が追加された。
現行アルトはプラットフォームや足まわりの一新によって徹底的な軽量化が施され、車両重量は先代型に比べると60kg(比率に換算すると約9%)軽い。
その一方でボディ剛性を曲げと捩りともに約30%向上させたから、足まわりの一新と相まって走行性能が大幅に高まった。となればスポーツモデルも成立させやすく、久々のターボ搭載車としてアルトターボRSが用意された。ただし、車名はワークスではない。
[参考] スズキ アルト ターボRS 試乗レポート [2015年3月19日]
トランスミッションはシングルクラッチを使う自動変速も可能な5速AGS(オートギヤシフト)のみだ。
2代目アルトに遡るとツインカム12RSが登場した後にワークスに至った経緯もあり、一部のユーザーからは「5速MTを選べるさらに高性能なワークスが欲しい」という声が高まっていた。
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