スバル フォレスター 試乗レポート

スバル フォレスター 試乗レポート
フロントスタイリング リアスタイリング エンジン タイヤ&アルミホイール フロントシート リアシート ラゲッジスペース 収納部分 試乗 試乗 画像ギャラリーはこちら

キープコンセプトで正当進化。二代目がクロスオーバーSUVを極める。

リアスタイリングエンジン

初代モデルの誕生以来、丸5年ぶりで初のフルモデルチェンジを行なったのがスバル・フォレスター。ヒット作であった初代のモデルが「実はインプレッサをベースに生まれていた」というのはクルマ好きには良く知られているハナシだが、今度のモデルも実はハードウェアのベースはインプレッサ。フォレスターというクルマが、インプレッサの後を追うように世に姿を現すのには、実はこうした秘密があったのである。

よりたくましい印象を増したフロントマスク。六角形型テールゲートに三角テールランプが特徴のリアビューは、従来型と並べてみるとなかなか大胆に変わったイメージを受ける。が、真横から眺めてみると、新型のプロポーションは従来型のそれにうりふたつ!

「日本と共に主要なマーケットであるアメリカでは、まだまだ認知度が高いとは言えない。ここであまりに見た目の印象を変えてしまうのは得策ではないと考えた」と、スバルの開発者は述べている。

パワーよりも低中速域のトルクを重視。乗り味も扱いやすさに力が注がれた。

タイヤ&アルミホイールフロントシート

従来型と同様、4WDのシャシーにターボとノンターボのエンジンを組み合わせる新型フォレスター。中でもターボエンジンは、その出力特性の考え方を従来型とは少々変えている。具体的にはターボチャージャーをより小型化。「より扱いやすいターボエンジン」を狙っていることがわかる。

カタログ上では30psダウンの新型だが、実際にアクセルペダルを踏み込んでその速さと力強さを体感すると、そうしたデータがいかに現実離れをした領域でのハナシかを知らされる。実は、前述の最高出力値の変化は「4000rpm付近までのトルクを大幅に盛り上げるために生じた現象」。実際、 2000~3000rpm付近でのアクセル操作に対する応答性は特に頼もしいものだった。

ハンドリングは、従来型では少々気になった中立付近での舵の曖昧さを大幅改善。ただし、相変らずのオールシーズン・タイヤの装着で、コーナリング限界は従来型に「プラスα」という印象だ。今後はサマータイヤの装着も検討して欲しい。そうなれば、いよいよオンロードでの走りが光りそうな新型である。

自慢のパッケージングだからこそ、ほとんど手が加えられなかった。

リアシートラゲッジスペース

新型フォレスターのパッケージングデザインは、実は従来型のそれをほぼ踏襲している。地上からおよそ600mmというフロントシートのヒップポイントや、ドライビングポジションもほとんど従来通りということだ。そこではベースとなった新旧インプレッサのパッケージングが大きく変化をしていないという理由も関係がありそう。が、それ以上に「スバルが初代フォレスターのパッケージングに強い自信を持っていた」という事柄が大きく影響をおよぼしていそうである。

ボディのサイズやホイールベースに従来型からの大きな変更がないこともあり、新型フォレスターの居住空間やラゲッジスペースの広がりも、基本的には従来型から大きく変わってはいない。少々タイトだった後席での膝元スペースは、フロントシート後面のデザイン変更で多少拡大されてはいるが、それでも正直なところ、「大きく改善された」という印象ではない。

ただし、より大きな後席スペースや、より広大なラゲッジスペースを望むのであれば、『レガシィ・ランカスター』という選択肢もある。このあたりがスバルの強みといえそうだ。

妥協を許さないスバルイズムの結晶。地道な努力は、確実にユーザーに伝わる。

収納部分試乗

スバルというのはつくづく真面目なメーカーだと、新しいフォレスターを前にするとそう思う。従来型をベースにしながら、それをあらゆる面で超える努力を徹底して行なう――と、新型フォレスターで見られたこのような手法は、すでに現在のレガシィやインプレッサでも採り入れられたものだ。

確かに新型フォレスターの仕上がりは、どこをとっても高い水準にある。走りのクオリティも高いし、各部の見た目、質感も上々。燃費性能を大幅に高めていることも見逃せない。ぼく個人が考える「自信を持って推薦の出来る日本車」の中の一台に、このクルマは十分名を連ねる資格がある。

そうした一方で、「新鮮さの演出」ということになると、こうした真面目なやり方は必ずしも有利とはいえないかもしれない。たとえば、従来型フォレスターのユーザーが新型に触れた場合、「何かあまり変わっていないナ…」と、こうした印象を持たれる可能性も少なくはないということだ。このあたりをどのようにブレークスルーしていくか。それが、これからのスバルというメーカーの大きな課題ではないだろうか。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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