スバル 新型アウトバック 試乗|アウトドア派からも支持される本格クロスオーバーが更なる個性を手に入れた(2/2)

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スバルらしさの真骨頂!地道な改善の積み重ねで走行性能もまた一段と向上

視界の良さも大事な安全性能のひとつ

もちろん、走りについても追求の手を緩めないのがスバル流。今回の改良では、サスペンションや電動パワステ、リニアトロニック(CVT)、ブレーキ特性の変更などが行われているそうだが、実際に乗ってみてどう感じられるのか気になるところだ。

運転席に乗り込んで気がつくのはガラスエリアの視界の良さ。フロントガラスを支える柱は寝かせ気味になっているものの、柱とドアミラーの隙間が確保されているので右左折の際に死角になりにくい。全長4820mm、全幅1840mmは街乗りする上では結構大柄なサイズといえるが、運転席からの直接視界が確保しやすいこと、車両周りに対しては、カメラ画像が前方・後方に加えて、助手席サイドをカバーする機能が標準装備されているので、狭い場所の取り回しに自信が持てないドライバーでも安心感が得られそうだ。

フラッグシップならではの高い静粛性、そして優しい乗り心地

走り出してすぐに気づいたのは静粛性の高さ。まるで高級サルーンに乗っているかのように、クルマの外からキャビンに侵入しがちな不快なノイズが聞こえにくい。

そして、ほどよい重厚感とともに、優しいタッチで走り出していく乗り味のよさ。荒れた路面では少しコツコツとした感触を受けるものの、段差やうねりを通過するシーンでは、路面からの入力をフワっとしなやかにいなしていく。

水平対向4気筒 2.5リッター“ボクサー”エンジンが生み出す心地良い走りを堪能

2.5リッターの水平対向4気筒エンジンは1580kgのボディをゆったり走らせるのに十分なパワーを備えている。ハンドルに設置されたスイッチで走行モードの切り替えができるが、低燃費走行を心掛けるときは「インテリジェント(I)」、スポーティな走りを楽しみたい時は「スポーツ(S)」もしくは「スポーツ・シャープ(S#)」モードを選ぶと、レスポンスに優れた加速フィールが楽しめる。

全体的には俊敏というよりも大らかな乗り味だが、カーブの走行や車線変更では、持ち前の重量バランスの良さと足回りの改良の成果で車両の余計なグラ付きが少なく、姿勢の収まりもいい。

それに加えて、高速道路でアイサイトが備えた全車速追従機能付きのクルーズコントロールを使えば、前走車との車間を維持しながら追従走行ができる。車線の中央を維持して走る操舵支援機能も備わっているので、レジャーの際の長距離移動でストレスが少なくて済みそうだ。

スバルの先進予防安全技術“アイサイト”はさらに機能アップ

今やアイサイトが作り上げた価値は一般ユーザーに広まり続け、スバルが追求する安全で快適なドライブを支える上で欠かせない要素になっている。改良されたアウトバックには、クルマ周りの死角を補うアイサイトセイフティプラスが標準化されたほか、アイサイトの新機能として、後退時の衝突被害軽減ブレーキ機能を追加。全車速追従機能付きのクルーズコントロールはフォローする車速域が0km/h〜120km/hに拡大した。

さらに、新たに採用されたアダプティブドライビングビームは、ハイビーム照射時に対向車や先行車への幻惑を防ぐように照射範囲を自動でコントロールする機能。ヘッドランプにはステアリングの切れ角に連動して進行方向を照らす機構を設けられているので、ドライバーはライトスイッチの切り替え操作に気を取られることなく、夜間の安全な視界を確保できるようになった。

アウトバックは2014年の段階でJNCAPの衝突安全性能評価で最高ランクの5つ星を獲得しているが、今回のアイサイトの機能強化によって、総合安全性能No.1に向けて真摯に取り組んできていることが分かる。

アウトバックの行動範囲に必要な装備を優先的に設定していたことは歓迎すべき部分ではあるが、ただ、唯一残念だったのはレヴォーグがすでに採用しているアイサイト・ツーリングアシストがアウトバックに設定されなかったことだろう。運転支援システムは目まぐるしいスピードで進化し続けており、クルマの進化を測るモノサシとなっているだけに、そのあたりは今後登場するモデルのバージョンアップに注目していきたいと思う。

[レポート:藤島知子/Photo:和田清志]

スバル レガシィ アウトバック主要スペック表

スバル レガシィ アウトバック 主要スペック表

駆動方式

AWD(常時全輪駆動)

トランスミッション

リニアトロニック(マニュアルモード付)

価格(消費税込)

3,294,000円

JC08モード燃費

14.8km/L

全長

4,820mm

全幅(車幅)

1,840mm

全高(車高)

1,605mm

ホイールベース

2,745mm

乗車定員

5名

車両重量(車重)

1,845kg

エンジン

水平対向4気筒

排気量

2,498cc

最高出力

129kW(175PS)/5,800rpm

最大トルク

235Nm(24.0kgf-m)/4,000rpm

燃料

無鉛レギュラーガソリン

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藤島 知子
筆者藤島 知子

通称「藤トモ」。スーパー耐久のレースクイーンを経験後、軽自動車レースに参戦したことがきっかけで様々なレースに参戦。レースで培った技術と女性ならではの視点が魅力の女性モータージャーナリスト。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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