2009年下半期ベスト・バイ・カー/岡本幸一郎(2/2)
- 筆者: 岡本 幸一郎
【輸入車編】トータルベストカー/ランドローバー ディスカバリー4
そりゃレンジのほうが高級感はあるし、レンジスポーツのほうがパフォーマンスは高いけど、十分に高い内外装のクオリティ感、いざとなれば十分に使える居住性を持った3列シートなど、コストパフォーマンスとユーティリティ面ではディスコの圧勝でしょう。
今回、これまで唯一の弱点と感じていた古くさいエンジンが、最新の5リッターになったところがポイント。極めてスムーズでトルクフルなフィーリングを持っていて、排気量はアップしながらも、燃費や排ガス性能はグッと向上しています。
ディスコの走りは、ライバルがやたらとスポーティな走りに傾倒する中で、そのゆったりとしたドライブフィールには、クロカン車は本来こうあるべきだと、もともと好感を持っていました。
そしてひとたびオフロードに持ち込めば、さらに本領を発揮。極悪路を走破すること自体は、最近のクロカン車であればどれだって可能ではあるわけですが、ディスコ(レンジも含む)の場合、そこにある感覚がまるで違う。あくまで快適な中で、ドライバーはリラックスしたまま、それがこなせてしまうところが偉いと思っています。
そんなディスコの最新版は、ランドローバーの中では安いほうだといっても、価格の高いクルマであることには変わりませんが、相対的に、価格に対するバリューが非常に高いクルマだと思います。
【輸入車編】ベストハンドリングカー/フォルクスワーゲン ゴルフ GTI
下半期は、乗るあてもないような超高級車もいくつか出たので、ひょっとするとその中に素晴らしいクルマもあるのかもしれませんが、とりあえず現実的なところではGTIですね。
乗ると、このクラスでいちはやくリア・マルチリンク式の4輪独立懸架を採用したことが、良かったのだと思います。
サスペンションセッティングも従来よりさらにこなれ、4輪をしっかりと接地させながらも乗り心地が非常によく(とくにDCC付き)、それでいてステアリング操作に対する俊敏な反応はエキサイティングな感覚すらあります。
新たに採用したXDSにより、従来よりもアンダーステアが低減し、気持ち良いニュートラルステアを手に入れているところもポイントですね。
現在の「FF世界一」はこのクルマ!FFの理想形といえるハンドリングを持っていると思っています。
【輸入車編】ベストデザインカー/シボレーカマロ
アメ車のリバイバルブームも一段落ですが、発売が危ぶまれていたカマロもようやく復活し、日本にも導入されたことは喜ばしく思います。
スタイリングは、すでに見慣れた感もあるわけですが、素直にマッチョでカッコイイと感じます。個人的にはカマロというと、このクルマのモチーフとなっている1967年登場の初代よりも、日本に正規輸入された最初に、ノーズスラントした2代目のイメージのほうが強いところですが、5代目のこのデザインも、アメ車らしいカッコよさがある。
ドアミラーに映るリアフェンダーの膨らみを感じながら乗るのも楽しいし、タイトに仕立てられたコクピット感覚のインテリアもまた非常にユニーク。
中も外も雰囲気は満点ですね。
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