ルノー 新型 メガーヌ R.S.(ルノースポール)[2014年モデル] 試乗レポート/森口将之(1/3)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:茂呂幸正
パリコレの斬新さに通じる、ルノー独特のスタイル変化
ヨーロッパ車は顔を変えないと言われる。でもそれはドイツやイギリス、スウェーデンなど北側の国のブランドに当てはまること。フランスのルノーは逆に、ファミリーフェイスをしばしばチェンジしてきた。現行カングーや先代ルーテシアなど、多くの車種がモデルライフの途中でガラッと顔を変えてきた。
パリコレなどのファッションショーでは、同じブランドでも毎回のように新しいテーマを打ち出して、新しさを競うことが多い。それと似たような考えを、ルノーは抱いていたのかもしれない。個人的にはそれも理解できるが、日本車やアメリカ車さえ顔の統一化に乗り出しつつある今、その論理は通用しにくくなっているかもしれない。
ルノーの新デザイン言語「サイクル・オブ・ライフ」にのっとったニューフェイス
フランス人の前任者に代わり、ルノーのチーフデザイナーになったオランダ人ローレンス・ヴァン・デン・アッカーは、就任前からその点が気になっていたのだろう。現行ルーテシアをはじめとする6台の新型車で、人とクルマの生涯にわたるつながりを描いていくという「サイクル・オブ・ライフ」をテーマに掲げた。従来よりロングライフのデザインを想定していることは明白だ。
それに合わせて新しい顔も用意した。日本に導入された車種ではルーテシアとキャプチャーが、このファミリーフェイスをまとってデビューしているが、カングーをはじめ既存の車種も次々にこの顔に揃えてきている。メガーヌもその流れに乗って、新しいファミリーフェイスをまとって日本に上陸した。
ニューフェイスで登場したのは、ここで紹介するクーペR.S.のほか、ハッチバックとツーリングワゴンのGT220の3車種。すべて2リッター直列4気筒ターボエンジンに6速MTを組み合わせるという、ルノー・ジャポンらしいラインナップだ。
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