日産 先進技術説明会・試乗会2011 レポート/岡本幸一郎(4/4)

日産 先進技術説明会・試乗会2011 レポート/岡本幸一郎
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コストは抑えて大幅な軽量化を実現!

超ハイテン材の適用

手前から「1.2GPa級高成形性超ハイテン材」「590MPa級ハイテン材」「軟鋼材」ハイテン材の重さを実際に比べてみる。手で持っただけで重さの差は歴然としていることがわかる。

基礎基盤技術について、日産が各方面で開発を進める中から、今回披露されたのは超ハイテン材(高張力鋼板)とコンフォータブルシートだ。

同等の車体性能を確保しながら、鋼板を薄くできることで大幅な軽量化を実現するハイテン材は、年々、適用の拡大が進められるとともに、これまで99年に590MPa、2002年に780MPa、2004年に980MPaと、徐々に引っ張り強度が高められてきた。

今回のものは1.2GPa級という超ハイテン材で、これを採用することで車体の15kg軽量化を実現するという。3種類のハイテン材の見本を持ち比べたところ、同じ性能ながら薄さが異なるため、その重さの差は歴然だ。

さらに、一般的にハイテン材というのは、強度が高まるほど伸びにくくなり、成形性が低下するという性質を持っているが、今回公開された超ハイテン材は、材料組織を極限まで微細化させる技術により、冷間状態でのプレス加工を可能とした高成形性のものである点も特徴。これにより生産コストを抑えることができる点でも画期的といえる。

快適なシートで2倍の時間を走れるように!

快適で疲労の少ないシート開発

新開発の疲労が少ないシートを体験中の岡本幸一郎氏快適で疲労の少ないシート

シートについては、従来品に対して、疲れを感じるまでに約2倍の時間を走れるようにしたという。

これを実現するために、シートシミュレータや体圧分布計測などを駆使し、人体計測技術により披露および快適性を解析。大きな荷重のかかる胸郭を支持するための中折れ機能や、腰から骨盤を連続的に支持する、たわみ特性を採用。理想的な姿勢を実現し、疲労を低減することに成功したという。

従来品と新開発のそれぞれのシートに座り比べたところ、従来品では「点」で身体を支持している印象のところ、新開発のシートでは「面」で包むような印象となっていたのが大きな違い。

実車に採用されたときには、きっとその効果を体感することができるはずだ。

こうしたメーカーの地道な努力があるからこそ、クルマというのは、どんどん安全で快適かつ便利なものに進化していく。

今回体験した技術ができるだけ早く実用化され、普及することで、より事故の少ない社会が実現すること、さらには来るべきEVの時代が、よりユーザーひいては社会にとって有益なものとなることに期待したい。

追記 -マイナーチェンジのエルグランドに「次世代アラウンドビューモニター」が搭載!-

また今回、まもなく11月にマイナーチェンジ予定のエルグランドより採用される次世代アラウンドビューモニターを試すこともできた。次世代アラウンドビューモニターは、3つの進化を遂げる。

ひとつは、画像処理により自車周囲の移動物を検知(MOD)する機能の搭載。発進前、発進時、後退時などシーンに合わせて作動し、動くものがあれば画面に黄色い枠を表示してドライバーに知らせてくれる。

2つめは、駐車ガイド機能の改良。これまでは手動で駐車枠を設定することが必要となりがちだったところ、新たに自動的に駐車場の白線の枠を認識する機能が追加されることで、駐車枠の設定が格段に簡単になる。また、ガイド中のステアリングの微修正操作も可能となる。

3つめは、トップビュー画面の改良。見やすい予想進路線と、タイヤの切れ角が表示されるようになり、内輪差もわかりやすく表示されるので、よりスムーズな駐車が可能となる。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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