日産 新型リーフ試乗|動力性能が向上し、迫力が伴う加速感(2/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:小林 岳夫
最高出力、最大トルクが共に向上し、加速感には一種の迫力が伴う
運転感覚では、動力性能の向上が注目される。使用される駆動用モーターは先代型と同じEM57型だが、インバーターを従来の80kWから110kWに増強したことで、新型リーフでは最高出力が150馬力(先代型は109馬力)、最大トルクは32.6kg-m(先代型は25.9kg-m)に達した。
もともとモーターはエンジンに比べて瞬発力が高く、特に追い越し加速などでは動力性能を有効活用できる。新型リーフではアクセルペダルを踏み込んだ時の反応が機敏で、3リッタークラスの動力性能と受け取られた。アクセルペダルをラフに踏み込むと、駆動輪が空転するほどだ。
加速を続けた時の印象も異なる。先代型はモーターが高回転に達すると速度の伸び方が鈍くなったが、新型リーフでは少なくとも法定速度の範囲内では直線的な加速が続く。モーターにはエンジンのような回転が高まるに連れて加速が鋭さを増す特性はないが、新型リーフの加速感には一種の迫力が伴う。
無段変速だから当然ながら加速も滑らかでノイズは小さい。動力性能の余裕と相まって、ひとクラス上級化されたような印象を受ける。
走行安定性は先代型と同程度だ。ボディ剛性を15%、操舵感に影響するステアリングの支持剛性を13%高めたが、乗り心地を良くするために足まわりの減衰力は約10%下げている。車両重量は新旧の「X」グレードの比較で50kgほど重い。そのために車線変更やカーブの入口でハンドルを切り込んだ時には、ボディが少し唐突に傾く傾向がある。
カーブを曲がり始めた後の挙動変化も良くいえば穏やか、悪くいえば鈍さが伴ってメリハリは乏しい。後輪の接地性は相応に高く、安定性の面で不都合はないが、一体感の伴う運転感覚とは言い難い。
その代わり乗り心地は柔軟だ。少しフワフワした印象も伴うが、路上の細かなデコボコを伝えにくい。先に述べた座り心地の柔らかいシートと相まって、乗り心地がとても優しく感じられる。
このあたりのバランスはちょうど良い。シートの座り心地と足まわりの設定は柔らかく、モーター駆動の電気自動車だから、ノイズは小さくて加速は滑らかだ。スポーティ感覚は希薄だが、ゆったりした気分で運転できる。
回生充電を積極的に行い、電力消費量を抑える上で効果的なeペダル
この走りの持ち味を際立たせるのがeペダルの機能だ。eペダルのスイッチを入れると、駆動用モーターが減速時に積極的な回生発電を行い、駆動用電池に蓄える。減速エネルギーを有効に活用するわけだ。
そのためにアクセルペダルを戻すと同時に回生が行われ、強い減速力が発生する。アクセルペダルの操作だけで、速度を自由に調節できるため、慣れると運転がしやすい。
ノートe-POWERも、ECOとSモードで同様の機能を採用して人気を得たが、新型リーフは回生ブレーキに加えて油圧ブレーキも併用され、eペダル作動時の最大減速力は0.2G(ノートe-POWERは0.15G)に達する。アクセルペダルによる速度調節の領域をノートe-POWERよりも拡大した。さらに登り/下り勾配30%の範囲内で、ブレーキペダルを踏まなくても停車状態を維持できる。
日産によれば、通勤時間帯にeペダルを使って市街地を走ると、ブレーキペダルを踏む回数が通常の10%程度で済むという。回生充電を積極的に行うので、電力消費量を抑える上でも効果的だ。
注目の運転支援技術「プロパイロット」
運転支援のプロパイロットも注目される。歩行者も検知して緊急自動ブレーキを作動させるインテリジェントエマージェンシーブレーキの応用技術で、車間距離を自動制御しながら先行車に追従走行したり、車線の中央を走れるように操舵の支援を行う。先行車に追従して停車した時は、電動パーキングブレーキによって停車状態を保つことも可能だ。
高速道路で作動を試すと、先行車が加速した時の反応をもう少し早めて欲しいと感じたが、セレナに比べると改善された。操舵の支援も同様だ。ハンドルの操舵角が40度を超えると旋回軌跡を拡大させやすいが、その範囲であれば実用性がある。長距離を移動する時の疲労軽減と安全性の向上に役立つだろう。
プロパイロットパーキングも新しい機能だ。ATレバーの右上に装着されたプロパイロットパーキングのスイッチを押して駐車場所に近づくと、自動的にスペースを探して、カーナビ画面を使ったインテリジェントアラウンドビューモニターに駐車場所を表示する。
そこで停車をして、画面内の「駐車開始」の表示にタッチ。改めてプロパイロットパーキングのスイッチを押し続けると、ハンドル/アクセル/ブレーキが自動的に操作されて駐車できる。以前の駐車支援機能に比べると操作性が向上した。
完成検査問題で納期は不明、早期解決を求む!
リーフのグレード構成は、ベーシックなS(価格は315万360円)、中級のX(351万3240円)、上級のG(399万600円)という3種類だ。
これらの内、Sにはヒートポンプシステム(電力消費量を抑える暖房システム)、電気自動車専用のカーナビなどが装着されず、法人やレンタカーの需要に応えたグレードになる。
Xは推奨グレードで、価格はSに比べて36万2880円高いが、前述のカーナビなど価格上昇に見合う装備が加わる。複数のメーカーオプションが用意され、注目されるのはプロパイロット/後側方車両検知機能/後退時車両検知警報などのセット(16万2000円)と、プロパイロットパーキング/インテリジェントアラウンドビューモニター/ふらつき警報などのセット(21万600円)だ。この2種類のオプションは選択性で、Xに両方を装着することはできない。必要に応じてプロパイロット、あるいはプロパイロットパーキングやインテリジェントアラウンドビューモニターを選ぶ。
そして両方の装備が欲しい時は、これらが標準装着されたGを選ぶ。GにはLEDヘッドランプ(Xのオプション価格は5万4000円)なども装着されるので、価格は400万円近いが、Xに比べて割高ではない。使い方や予算に応じて、X+オプション装着か、フル装備のGかを判断したい。
リーフはCEV(クリーンエネルギービークル)に含まれるので、申請をすると2017年度で40万円の補助金が交付される。これは経済産業省によるもので、自治体によっては別途補助金の交付が受けられる場合があるから、次世代自動車振興センターのホームページなどをチェックすると良いだろう。
なお本稿を執筆している2017年10月下旬の時点で、日産は完成車検査の問題を受けて出荷と登録を停止している(OEM車を除く)。販売店によると「見積書を作製してメーカーに注文を入れることは可能だが納期は不明」だという。リーフの購入を希望するユーザーのためにも、早く解決して欲しい。
[Text:渡辺陽一郎 Photo:小林岳夫]
日産 新型リーフ 主要スペック表
| 日産 新型リーフ主要スペック | |
|---|---|
| グレード | |
駆動方式 | 2WD |
価格 | 315万円~399万円 |
航続可能距離(JC08モード) | 400km |
全長 | 4,480mm |
全幅(車幅) | 1,790mm |
全高(車高) | 1,540mm |
ホイールベース | 2,700mm |
乗車定員 | 5名 |
車両重量(車重) | 1,490kg~1,520kg |
駆動用バッテリー | リチウムイオンバッテリー |
総電力量 | 40kWh |
モーター最高出力 | 110kW(150PS)/3283~9795rpm |
モーター最大トルク | 320N・m(32.6kgf・m)/0~3283rpm |
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