フォルクスワーゲン、フランクフルトショーでデビューした「up!」をベースにしたコンセプトカーを一挙に6台出展

up!の今後のモデル展開を示唆する6つのコンセプトカー

フランクフルトショーでデビューしたフォルクスワーゲン「up!」をベースに早くも登場したコンセプトカーの数々フォルクスワーゲン「up!」をベースにしたバギーカー『VW buggy up! 』

フォルクスワーゲンは、第64回フランクフルト国際モーターショー(IAA)でデビューした新型コンパクトカー「up!」をベースにしたコンセプトカーを一挙に6台出展した。

まず2ドアモデルから登場したup!だが、その多くが今後の更なるモデル展開を示唆する現実味を帯びたコンセプトカーとなっている。

■buggy up!

現実味を帯びたコンセプトカーばかり、と記したが、この「buggy up!」と、次に紹介する「up! azzurra セーリングチーム」はその中でも毛色の異なるモデルとなっている。

1960年代、カリフォルニアで端を発したのが「バギー」と呼ばれるボディスタイルだ。VW Type1(初代ビートル)のパワートレインをベースに、GRP(ガラス繊維強化プラスチック)の車体を載せたファンカーを生み出しブームを起こした。これを最新のVWモデル「up!」をベースに生まれ返らせたのがコンセプトカー「buggy up!」の成り立ちである。

up!の下回りやパワートレインはそのままに、18インチのホイールとハイテクスチール製のボディを与えバギー風の2シーターとし、それでいてup!のモチーフを用いることでファミリーであることを表現した。1960年代を想わせるオレンジのカラーリングと、防水仕様のインテリアなど、いかにも楽しそうなコンセプトカーに仕上がっている。

■up! azzurra セーリングチーム

こちらは、往年のビーチカーを想わせる「up! azzurra セーリングチーム」。なんと、イタリアの著名デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロ氏と、VWのデザインを統括するワルター・デ・シルヴァ氏の共同企画だというから驚く。

up! azzurra セーリングチームは、up!をベースにドアやルーフを全て取っ払ってしまったフルオープン仕様。"azzurra"の名はエメラルド海岸のコスタスメラルダにある有名ヨットクラブに由来する。

防水仕様のインテリアにはホワイトとブルーのレザーシートが置かれ、インパネ周りにはマホガニーとメイプルウッドの象嵌仕立てが施された。クロームメッキのアクセントとともに、豪華なヨットを想わせる贅沢な雰囲気を室内に生み出すことに成功している。

■cross up!

こちらはコンセプトカーといってもグッと現実味を帯びたモデル、「cross up!」だ。「ポロ」や「ゴルフ」などに設定されるSUV風クロスオーバーモデル「クロスシリーズ」のスタイルを採りつつ、up!の新ラインナップを示唆する4ドアボディとした。

後席の新たな2ドアと独自のCピラーデザインを与えられたcross up!は、コンパクトな中でも四角く広いスペースを想わせる機能的なスタイルをベースに車高を15mm上げ、さらにトルネードレッドのボディに映えるクロスモデルのワイルドなイメージをプラスしたことで、独特の存在感を放つ。

インテリアもクロスモデル専用のレッドとグレーのシート表皮を与えるなど、エクステリア同様のイメージとした。

■GT up!

都市型のコンパクトカーである「up!」に、VWらしいホットハッチの雰囲気を加えたのがGT up!だ。ゴルフ GTIなどVWのスポーティモデルを想わせる外観に、100psの高出力エンジンを搭載した。車重わずか900kgという軽量ボディとの組み合わせはかなりヤンチャでファンなモノとなるだろう。

外観はGTIのアイデンティティであるハニカムグリルを与え大きな開口部で迫力を増したフロント回りと、LEDのデイタイム ランニングライト、リアスポイラー、左右に分けられたマフラー、17インチ大径ホイールなどでスポーティムードを演出。室内も外観同様のスポーティムードあふれるチャコールグレーのカラーで統一されている。

■e-up!

up!のコンセプトカーの中でも、最も注目を集めるであろうモデルがこの「e-up!」だ。

"e"の名がつくことからも分かるようにゼロエミッション仕様の電気自動車であり、しかも2013年に市販化することを明らかにしている。

電気モーターは最高出力60ps(連続出力40kW)を発生し、最高速度は135km/hに達するe-up!は、最大130kmの航続距離に達する性能を有する。最大トルクは210Nmを発生させる。

18kWhのバッテリーを床下に搭載し、駆動系や補機類はフロント部に収めている。

外観では、アーチ状に配置したLEDデイタイム ランニングライトと、小さい開口部しか持たないフロント周りがEVらしさを表現する。量産モデルに近い状態だという今回のスタディモデルには、エコなイメージの「プラネットブルーメタリック」でペイントされた。

インテリアもベージュ系のカラーリングが与えられ、ダッシュパネルとセンターコンソール、ドアトリムパネルには、やはりエコカーらしい印象の新色「トゥードロップスブルー(two drops blue)」のカラーリングが施されている。

■eco up!

こちらもエコカーのコンセプトカー、その名も「eco up!」。ハイブリッドシステムのように高価な仕組みを用いることなく、CNG圧縮天然ガス(エコフューエル)エンジンとブルーモーション テクノロジー(アイドリングストップシステムとエネルギー回生システム)を組み合わせることで、CO2排出量79g/kmと極めて少ない数値をたたき出す。

1リッター3気筒エンジンは最高出力68ps(50kW)を発生。ブルーモーション テクノロジーを搭載しない天然ガス仕様は既に発表されており、こちらは86g/kmと既に十分に低いCO2排出量数値となっている。

天然ガスのタンクはリア床下に2分割され、非常用の10Lガソリンタンクとともに設置され、居住性や荷室容量にはほとんど影響を与えていない。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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