スバル XVハイブリッド 燃費レポート(4/5)
- 筆者: 永田 恵一
- カメラマン:永田恵一
しかし、ここで挙げたハイブリッドの恩恵を受けるには、大げさに言うと条件が限られてしまう。
というのは、モーター発進は25km/hくらいまで可能ではあるのだが、それはモーターの出力が少ない故にかなりゆっくりと発進した場合に限られる。そのため、モーター発進させようとゆっくりと発進するとまず後続車の反感を買ってしまうであろう実際の道路状況でそれは非常に難しく、実際の交通の流れに合わせるとすぐにエンジンが掛かってしまうケースが大半だった。
また、XVハイブリッドのエアコンは通常のエンジン駆動のエアコン(走行用バッテリー電力で駆動する電動タイプではない)が使用されていることもあり、猛暑のなかでエアコンを使っていると車内の快適性を維持するため、エンジンが止まらず、モーター発進の頻度だけでなく、アイドリングストップの頻度も激減し燃費も悪化してしまう。
今回のテストでは前述したゲリラ豪雨の直後は気温が25℃程度まで下がり、エアコンの出番も一時的に少なくなり、EV走行の頻度も増えた。しかし、その後気温が30℃以上まで上がると、エアコンもフル回転となり通常のエンジン車に近い状況となってしまった。
上記の状況で記録した市街地路の燃費は「9.9km/L」であった。この数値には「状況は加味するにしても、ハイブリッドなのにこれしか走らないの?」と感じてしまう方もおられるだろう。市街地の燃費も、今回の状況下では通常のXVと大差ないのではないかと思う。
ちなみに、テスト終了後エアコンを切って混雑した東京都内を走ったところ、EV走行の頻度が劇的に増えることが確認できた。ということは“気候の良い時期の市街地走行”ならばそれなりの燃費が期待できそうではあるが、「我慢をしないと燃費が良くない」というのも考えものかもしれない。
スバル XVハイブリッド 市街地路の実燃費/9.9km/L
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