三菱「アウトランダー」の新型と旧型を比較してみた(3/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
走行安定性
新型はボディ剛性を向上させ、足まわりの設定も見直した。走行安定性については、旧型に比べると車両の向きが少し変りやすくなっている。
もともと初代アウトランダーは、機敏に曲がる設定だった。2005年頃の三菱車は、すべての乗用車にわたってキビキビとスポーティな運転感覚をテーマにしていたからだ。
ただしその影響で、後輪の接地性が少し不安定になり、後輪が巻き込む(外側へ横滑りしやすい)特性が見られた。これも当時のコルト、2代目eKワゴン、マイナーチェンジ後のランサーセディアなども含めて幅広い車種に共通していた。
上記の反省もあって、2代目アウトランダーは後輪の接地性を高めるチューニングを施している。ただし開発者によれば「2代目はややダルな(動きが鈍い)方向に振りすぎた面があったので、マイナーチェンジでは再び少し機敏な方向に戻した」とのことだ。
乗り心地
機能面で最も進化したのが乗り心地だ。2.4リッターの4WDは、以前は操舵感が軽快な半面、乗り心地にコツコツとした硬さを感じた。そこが新型では払拭され、フラットな印象に仕上がっている。
PHEVは旧型でも相応に重厚感があったが、硬さが薄れてさらに快適になった。
新型ではフロント側のクロスメンバー(ボディ底面に左右方向に配置された骨格)を造り替え、リア側にも補強を加えている。ショックアブソーバーのサイズは、PHEVは前後、ノーマルエンジンは後輪側を拡大した。
こういった改善によって足まわりが柔軟かつ正確に動き、走行安定性が底上げされたので、以前よりも少し柔軟な設定にしている。これらの相乗効果で、乗り心地は全般的に向上した。
進化度数:6点/10点(順当に進化した)
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