三菱 パジェロディーゼル 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:島村栄二/オートックワン編集部
10月に改良を受けたパジェロ、その内容と走りを改めてチェック!
試乗するたびに、20年前に戻ったような気分にさせられるのがパジェロのディーゼルターボ仕様。
現行型は4気筒の3.2リッターディーゼルターボに、コモンレール式燃料噴射装置、NOxトラップ触媒、粒子状物質を除去するディーゼル・パティキュレート・フィルター、酸化触媒などを装着する。
クリーンディーゼル技術の見本のようなエンジンだ。20年前のパジェロに搭載され、人気を高めたディーゼルターボとはメカニズムが比較にならない。
それでもなお、わずか2,000回転で45kgf-mの最大トルクを発揮する特性は、ディーゼルフィーリングそのもの。40代から50代のオジサン世代を郷愁に浸らせるには、格好のクルマだろう。
82年に初代モデルを投入したパジェロは、4WDの流れを変え、作業車だったSUVを若年層の憧れに昇華させた。
特にヒットしたのが、91年に投入された2代目。99年登場の3代目は豪華になりすぎてファンを逃し、06年の4代目(現行型)で2代目の雰囲気に戻した。オジサン世代が郷愁を感じるのも当然だ。
フロントマスクの変更で、より存在感が増した
さて、改めてパジェロを取り上げた理由は、2011年10月に一部改良を受けたからだ。
ディーゼルターボエンジン自体は、2010年9月に「ポスト新長期規制」に対応させる大幅なテコ入れを受け、今回の改良では変更されていない。
10月の改良により、最も大きく変わったのはフロントマスクだ。
従来型は先に述べた通り2代目の路線に戻し、スッキリしたデザインに仕上げた。好感は持てたが、存在感が弱いという指摘もあったのだろう。
メッキグリルを際立たせ、遠方からでも目立つようにしている。アルミホイールもデザインを一新。1本当たり1kg軽量化され、走行安定性や乗り心地にもメリットをもたらした。
内装ではメーターやスイッチ類の照明を従来のブルーとホワイト基調から、レッドとブラックに変更。フロントシートの縫目にダブルステッチを採用するなど、スポーティで上質な雰囲気に仕上げている。
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