三菱 パジェロディーゼル 試乗レポート/渡辺陽一郎(2/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:島村栄二/オートックワン編集部
安全装備と快適装備をセットにしたことが懸念材料
装備については、メーカーオプションをパッケージ化した。これに伴って価格を下げたが、単品装着が不可能になるからユーザーにとってはデメリットも併せ持つ。
例えば、エクシードでサイド&カーテンエアバッグを装着すると、シートの表皮が本革になってしまう。
従って価格は25.2万円と高い。発売時点では8.4万円でサイド&カーテンエアバッグを単品装着できたから、ユーザーにとっては不親切な変更ともいえる。
CR-Zもαではサイド&カーテンエアバッグを本革シートとセットにしているが、安全装備は快適装備と別枠で考えて欲しい。クルマの最大の欠点が交通事故である以上、安全装備はフルに装着するのが当たり前。それをオプションに落とすなら、せめて単品装着を可能にすべき。
装備の組み合わせを減らして効率の向上を図りたい事情は理解できるが、安全装備を快適装備と抱き合わせで買わせるのは避けるべきだ。
電動パワーシート&シートヒーターも、本革のみの設定になる。
かつて三菱は、現行コルトや生産を終えたミニバンのグランディスで、カスタマーフリーチョイスを実践していた。グレードを撤廃し、標準装着品以外はメーカーオプションとして自由に選べる画期的なシステム。
セットオプションの採用は、カスタマーフリーチョイスとはまったく逆で、ユーザーにとってのデメリットが増える。
グレードの選択肢も変わった。ロングボディは従来と同様、GR、エクシード、スーパーエクシードを設定し、エンジンはガソリンがV型6気筒の3リッターと3.8リッター、これに3.2リッターのディーゼルターボが加わる。
一方、ショートボディは、スーパーエクシードが廃止されてVR-IとVR-IIのみになった。3.8リッターのV型6気筒も選べず、エンジンの選択肢は2種類だ。
これらのエンジンバリエーションの内、試乗したディーゼルターボはとても魅力的だった。
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