マツダの経営危機を救ったCX-5が新型でマツダのフラッグシップに成長(1/2)

  • 筆者: 川端 由美
  • カメラマン:川端由美/マツダ
マツダの経営危機を救ったCX-5が新型でマツダのフラッグシップに成長
マツダ 新型CX-5(2016LAショー) マツダ 新型CX-5(2016LAショー) マツダ 新型CX-5(2016LAショー) マツダ 新型CX-5(2016LAショー) マツダ 新型CX-5(2016LAショー) マツダ 新型CX-5(2016LAショー) マツダ 新型CX-5(2016LAショー) マツダ 新型CX-5(2016LAショー) マツダ 新型CX-5(2016LAショー) マツダ 新型CX-5(2016LAショー) マツダ 新型CX-5(2016LAショー) 画像ギャラリーはこちら

マツダの屋台骨がいよいよフルモデルチェンジ

マツダ 新型CX-5(2016LAショー)マツダ 新型CX-5(2016LAショー)

わずか、4~5年でマツダほどブランド力が急速に増した自動車メーカーは珍しいだろう。初代CX-5がデビューした2012年2月の段階では、まだリーマンショックの影響から抜けきれぬ状態だった。当時のマツダは、4期連続の赤字に1000億円以上の損失を計上し、経営の危機とまで囁かれたのだ。

起死回生の一打となったのは、スカイアクティブ・テクノロジーを引っさげてデビューした現行CX-5だった。当時はまだクリーンディーゼルの評判も今ほど浸透していなかったし、なにしろ、マツダにSUVのイメージなどなかったから、非常にチャレンジングな発表だったのだが、いざフタを開けてみると、ディーゼルの販売比率が高く、これまでのマツダのプライスレンジの中ではハイエンドにあたるモデルではあるが、売上も好調に推移した。

今だから言える話だが、当時のマツダの台所事情では、新車発表から3月までは一切広告の予算がなかったという。にもかかわらず、商品そのものの魅力でクルマが売れて、いまではマツダの販売台数の約1/4を占める屋台骨となるまでに成長したのだ。

そのCX-5が、フルモデルチェンジを受けてロサンゼルスショーで発表される。そのニュースを聞きつけて、はるかカリフォルニアまで飛んできた。最大の話題はモーターショー開催前夜にハリウッドにあるスタジオで開催されたデザイン部門のプレゼンテーションだ。

なにやら薄暗い室内に歩を進めていくと、赤いライティングが印象的なステージがある。マツダといえば、いまや“ソウルレッド”というくらいイメージが定着しているが、このソウルレッドも新型CX-5から新色となるらしい。

>>新型 マツダ CX-5の詳細を画像でチェック(画像65枚)

次世代マツダデザインのキーワード“CAR AS ART”

マツダ 新型CX-5(2016LAショー)

はじめにマツダのデザイン部門を率いる前田育男氏が登壇して、マツダのデザイン言語である「魂動デザイン」について語った。

「グローバルで通用するデザインを志したとき、「人馬一体」というキーワードは、マツダのクルマがあるべき姿という認識を強めました。クルマとは、単なる質量ではなく、金属でもない。パワフルで、ダイナミックで、クルマの魂が伝わるようなデザインが必要なのです。それが、『ソウル・オブ・モーション、魂動』という表現につながりました」

前田氏いわく、「御神体」と呼ばれるひとつのオブジェクトからはじまった。その着想から、2010年にコンセプトカーの「SHINARI」が生れた。マツダとして、ひとつの顔を持つことが重要なのと同時に、それぞれの車種におけるデザインは異なるキャラクターをもっていることも重要だとしている。例えば、「MX-5」は穏やかな動きの中に滑らかなリフレクションで艶やかなデザインを実現し、「CX-9」は水平方向の動き、品格に満ちたスタイリングを持っている。

すでに定評のあるマツダデザインだが、この日は、前田氏の口から次世代のマツダデザインを見据えたキーワードが発せられた。

それが、“CAR AS ART”だ。

デザインのクオリティをアーティスティックなレベルに高めることを標榜し、デザインチームのみならず、生産現場も含めて、マツダが一丸となって取り組むというのだ。言うのは簡単だが、これはとても難しい。なぜなら、クルマは本来、工業製品であり、量産品である。それをまるで、一点もののハンドクラフトのアートピースのように仕上げるというのだ。“匠”と呼ばれる優秀なモデラーが精緻な手仕事を通じて、生き物に特有なぬくもりをクルマのデザインで実現しようと、手仕事によるデザインにこだわっている、という。

新型CX-5はもう一度選んでもらうための成長

マツダ 新型CX-5(2016LAショー)マツダ 新型CX-5(2016LAショー)

話を新型CX-5へと戻そう。

「初代CX-5から5年が経ち、最初のお客様にもう一回選んでいただけるように、クルマも成長しないといけないと考えました。マツダのクルマ作りは意識しつつ、ドライバーオリエンテッドで運転の楽しさを表現するのはもちろんですが、同時に助手席と後席に座る人の快適性を阻害してはならないと考えました。ボディ骨格をしっかりと構築し、騒音や振動を減らし、乗り心地の良さを高めました」と語るのは、商品開発担当の児玉眞也氏だ。

ベールを脱いだその姿は、従来のCX-5がいかにもSUVという押し出し感のある顔立ちだったのに対して、新型では近年のマツダらしい鋭い眼光を帯びたフロントランプが特徴的だ。サイドからリアエンドへと回り込みながら、豊かな面が連続して、ひとつのフォルムを形作るのもマツダの魂動デザインらしい。

ビジュアルウェイトといって、見た目の重心を下げることで、安定感を高めた。また、ホイールアーチからボティラインが滑らかにつながることにより、しっかりと踏ん張り、路面にトラクションを伝えていく印象を与える。

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川端 由美
筆者川端 由美

1971年生まれ。大学院 工学専攻 修士課程修了。1995年住友電工にて、カーエレクトロニクスやタイヤの研究にたずさわる。1997年、二玄社『NAVI』編集部に編集記者として転職。2004年からフリーランスの自動車ジャーナリストとなる自動車の新技術と環境問題を中心に取材活動を行なう。エンジニア、女性、自動車ジャーナリストといったハイブリッドな視点でリポートを展開する。国土交通省・独法評価委員会委員、環境省・有識者委員ほか。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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