マツダ CX-5でゆく尾道・しまなみ海道オトナ旅 ~”自由”がもたらしてくれた奇跡の時間~(2/5)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:小林岳夫
美しい島々を望むしまなみ海道をゆく
ゆったりとしたシートに身体を預け、山陽自動車道でしまなみ海道方面を目指す。
初夏を迎えた山陽は、きらきらしい光に包まれてこんもりと緑が茂り、目にすこぶる優しい。西日本の緑は、東日本のそれに比べて少しだけワイルドで色彩が濃厚だ。南なのだな、と思う。陽射しの感じもどこか南国を思わせる勢いがある。
牧歌的な風景を眺めながら、ルートをぼんやりと決める。こういう、行き当たりばったりみたいなことが出来るのも、クルマ旅ならではの醍醐味だと思う。
そうこうしているあいだに、立派な橋が見えて来た。いよいよルートはしまなみ海道に入る。
しまなみ海道は広島・尾道と愛媛に点在する瀬戸内海の島々を橋で結んだ有料道路だ。
尾道から順に向島、因島、生口島、大三島、伯方島、大島、そして愛媛県の今治と、実に6つの島々を巡る。ぽこぽこと海面にリズミカルに浮かぶ島と島のあいだを繋ぐ橋は、長くても10kmにも満たない。しかし、手を伸ばせば届きそうな距離にあっても島というものは不思議なことにそれぞれに個性を少しずつ異にしているのだった。
瀬戸内・因島(いんのしま)と聞いてまず思い出すのは・・・
たとえばある島では呑気な漁村風景が強烈な日差しに晒されて忘れ去られたように放置されているだけだったり、かと思えば要塞のような造船場が入江に突然現れたりして、ただ通過するだけでもそこに連綿とたゆたう人と海の歴史を垣間見ることができるのが面白い。
「因島は東ちづるの故郷だよ」
「ああ、あのかつて“お嫁さんにしたい芸能人ナンバーワン”に選ばれた人ね」
「そうそう」
「っていうか男性は女性の何を見て“ヨメにしたい”って思うの?」
「・・・顔?」
なんつー、オツムの程度の低い会話を交わしながらしかし、ちょっとはアカデミックなことも記事構成上言わねば読者諸兄に申し訳が立たん・・・と考えていた時にふと気づいた。この「25S L Package」、ものすんごく静かなのだ。
マツダはガソリンエンジンを独自に「スカイアクティブG」と銘打っているが、軽量化や高効率化だけでなく、制振や静粛性のためにバランスシャフトを採用するなどして注力している。のみならず(これはディーゼルエンジンの「スカイアクティブD」にも採用されているけれど)フロア下のパーツ配置など空力を工夫し、ロードノイズの低減にも気を配っている。
おかげでアホな会話(ごめんなさい)も大声を張り上げなくて済むというわけで、助手席のT編集部員、後部座席のコバヤシカメラマンともに雑談が進む。
あまりに快適だったために、ついしまなみ海道最終地点の今治まで行ってしまうところだったが、我を取り戻して最終島の大島北ICで降りた。
ここからワインディングを少し登れば、亀老山展望公園というところに着くという。
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