レクサス 新型GS 試乗レポート(2/2)

新型GSは素晴らしく楽しいクルマへと仕上がっていた！

さて、新型GSのハイライトは“走り”にある。

プラットフォームを一新したハンドリングの良さや乗り心地の快適さは、とても気持ちがいい。

装着タイヤはラグジュアリーが235／45R18、スポーツはフロントが235／40R19、リアが265／35R19。そして、スポーツにはさらに「VGRS」と「4WS」がセットで装着されており、久々の後輪ステアの復活である。

かつての4WSはスタビリティは高かったが、高速での違和感が残っており高い評価は得られなかったが、新型GSでは高速レーンチェンジでもその存在を意識することはない。

また、低速では後輪は逆相に切れるので小回り性はかなり高く、かつ可変ステアリングレシオとVGRSの効果で、操舵量は少なくて済む。これらの一連の動作がスムースに行われることが、このシステムの完成度の高さを物語る。

電動パワステの操舵力、スムースさともにスポーティセダンとしての落とし所が上手く、ワインディングロードでもリラックスして運転することができる。また、高速直進性も空力特性の改善とサスペンション（F：Wウイッシュボーン／R：マルチリンクで形式は変わらない）のレイアウトなどの見直しで、高い安定性を感じた。

ワインディングロードにおけるハンドリングは、ステアリングの追従性が高くステア特性はほぼニュートラルで、ドライビングしてとても気持ちが良い。この心地良さは低速でも十分に味わうことができ、クルマのサイズ感が一回り小さく感じられるほど。

市街地から高速、山道まで小気味良くドライブすることが出来るクルマへと仕上がっている。

センターコンソールには、エンジン制御を「ECO」「NORMAL」「SPORT」「SPORT＋」と変更できるドライブ・モード・セレクターがある。

「ECO」では、スロットル・レスポンスやエアコン制御などが入って反応が鈍くなるが、エンジンに余力があるのでこのモードで市街地は十分だろう。

「スポーツ」にすると、スロットル・レスポンスがシャープになるのが瞬時にわかり、トランスミッションの変速モードも変わるためドライビングにメリハリが効く。更に「SPORT＋」ではダンパーが締まると同時に、ステアリング、VDIMの制御もスポーツドライビングに適したものになる。このモードセレクトはドライビングに幅を持たせてくれるので、それぞれのドライビングシーンを明快にすることができる。

ただ、GSは基本的な車体性能が高いので、どのモードでも気持ち良く走れるだろう。特にGS350はエキゾーストノートもサウンドチューンされているので、回転の上昇に伴って気持ちよい音を味わうことができる。この音はクルマ好きのドライバーの心をくすぐるところだ。

一方のハイブリッドは、現行のGSハイブリッドがパワー志向で航空機が離陸する時のような感激があったが、新型GSはいつの間にかスピードが乗っているような、不思議な浮揚感を持ってコーナーを容易にクリアしてしまう。

新型GSは目の玉が飛び出るような新技術はないが、既存技術の積み上げと練りこみで素晴らしく楽しいクルマへと仕上がっていた。

発売までには更に磨きがかかるはずであり、新型GSの誕生は個人的にもちょっと嬉しくなってしまうのだ。

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