日本にない日本車/アキュラ TL(1/4)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:桃田健史/本田技研工業株式会社
ホンダがBMWとタメ!?
アメリカや新興国の人々にとって、ホンダはBMWと「同等の付加価値」がある。つまり、ライバル関係にあるのだ。
その理由は、「先進」「スポーティ」「高品質」など、両社の商品・企業イメージが近いから。さらにホンダの高級ブランド「アキュラ」においては、アキュラ vs BMWという“ガチンコ勝負”になる。
日本人にとっては、こうしたホンダ/アキュラのイメージは、いまいち分かりにくいだろう。
近年の日本でのホンダ車といえば「ステップワゴン」等のミニバン、「フィットハイブリッド」等の小型ハイブリッド車、そして最新軽自動車の「N BOX」など、「ホンダ=ファミリー」というイメージが強い。
正直なところ、「ホンダ=高級・上級」というイメージを持っている日本人は少ない。
しかし、世界市場を見渡せば、
「ホンダ=高級・上級」
「アキュラ=高級かつスポーティ=BMW」
という図式がハッキリしている。
特に、ホンダのビジネスにとって最重要地域であるアメリカでは、そうした意識が国民全体の中に根付いている。逆に言えば、「ホンダ=高級・ 上級」というブランドイメージが1980年代後半、アメリカでのアキュラ誕生のトリガー(引き金)となった。
こうした「アキュラ=BMW」イメージを直感できるクルマがある。
それが今回紹介する、「アキュラTL」だ。
アメリカ人にとって、アキュラTLは「BMW3シリーズ/5シリーズ」とタメである。なので、価格も“高級”だ。
「アキュラTL」の価格は3万5605ドル(1ドル78円換算で、約278万円)から。今回の試乗車については、オプションフル装備で価格は4万5085ドル(約352万円)。
現在は超円高時代なので、日本人にとってこの価格に「値ごろ感」があるかもしれない。だが、一般アメリカ人の実生活での感覚は「いまの円ドルレートの倍」に相当する。
つまり、今回の試乗車は「700万円級」だ。
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